「事実」と「意見」を区別できれば、就職面接なんて余裕だ
逆に言えば、世の中には、思った以上にできていない人が多いということ。他と差をつけるのは今しかない
「事実」と「意見」を区別できない人は、
- 答えると不利になる質問に対して、質問そのものを変えてしまう
- 理解できない事実を変換して、簡単なものに置き換えてしまう(「ヒューリスティックス」と呼ばれる脳の働きによるもの)
ことを無意識に行ってしまっている
Contents
事実と意見の違いを理解して就職面接を突破しよう
「事実」と「意見」の区別というと難しく聞こえるかもしれないが、単純に言えば、「聞かれていることに対し端的に答える」ことだ
さっそくだが、以下のやりとりについて考えてみてほしい(上司の問に対し、部下が答えるイメージ)
問)以前に頼んでいた課題はいつ提出できそう?
答)がんばります!
いやいや・・・上司はあなたの熱意は聞いていないし、現時点で課題はできていないと思っているからこそ、いつになりそうかを聞いているのだ
仮に、これがセンター試験の国語だったとすれば、誰もこのような選択肢は回答はしないだろう
しかし、面接では別だ
おそらく、この答えは、自分が以前に頼まれた課題ができていないから怒られるかもしれないという思いから出た言葉だろう
そんな人はいないと思っている人も多いと思うが、このやりとりは本当に多く見かける
この、「がんばります!」こそ意見だ。
では、事実とは何だろうか?
それは、課題はまだできていない、ということだ
また、次のやりとりをみてほしい。
問)Aさんに了承を得られた?
答)たぶん大丈夫だと思います
これも同じ。
この「たぶん大丈夫だと思います」こそ、意見だ。あなたの主観的な意見だ
上司はあなたがいう「大丈夫」の定義なんて知らない
仮に、まだ了承は得られていないが、得られる見込みがある何かしらの根拠をもっている、ということにしよう
答)まだ了承は得られておりません。しかし、Aさんは時間以外は問題ないとおっしゃられていたので、時間の問題を解決できれば了承を得られると思います。
- 「Aさんから了承は得られていない」→事実。
- 「Aさんが時間以外は問題ないと言った」→事実
- 「時間の問題を解決できれば了承を得られる」→自分の意見(解決策)
細分化すればこうなる
では、面接ではどうなるのか
面接官)あなたの趣味は何でしょうか
あなた)私は普段からサークルで集まってサッカーをしています。サークルでは代表をしております
アピールしたい気持ちはわかるが、聞かれていることは趣味だ。サッカーが趣味だという明確な回答にもなっていない
その趣味に対して面接官が興味がわけば追加質問がくるので待っていればいい。
ことばが多くなってしまうのは不安からだ。その不安を面接官は見ている(だから、本当に代表をしているのか?と思われてしまう)
人は、答えると不利になる質問に対して、質問そのものを変えてしまう
うつ病で会社を休職し、ブログを書いて情報発信している人がいた。
やはり、よくないと思う人もいるようで・・・
問)休職中にブログを書くのは、穴を埋めている同僚に対して失礼ではないですか
答)これは病気治療の一環で、ブログも無償で書いています
このやり取りに違和感を覚えない人は相当まずい
これは、答えると不利になる質問に対して、質問そのものを変えてしまう典型的な例だ。
要は、答えに困っている。(ここではブログでお金儲けをしたいと思っているとする)
失礼です→失礼だと思っているならやめるべきでは?→ブログの発信ができなくなるかも?
失礼ではない→その姿勢は人としてどうなのか?→炎上してしまうかも?
だから、ここでは失礼かどうかの議論はしたくない
つまり、「休職中に副業してお金を儲けるのはダメだろ」という質問に変換して答えてしまう
冷静になって考えれば「ブログを無償でやっているかどうか」なんて関係がないことは明白だ(質問者は一言もそんなことは言っていない)
人は、理解できない事実を変換して、簡単なものに置き換えてしまう
ツイッターでのあるやり取りが典型的だったので紹介したい。
あなたが採用試験の面接で、以下のような考えに対して意見を求められたとする(特に集団討論で多い)
「私はメモをあまりとらない。メモをとることよりも覚えることに時間を費やすべきだ。」
さて、あなたはどう答えるだろう
- これまで自分で考えたこともないクズ
- 黒板や参考書を丸写しして暗記するような勉強法しかしてこなかったやつ
- 二度と同じ質問してくんなよカス
- 高学歴に多くプライドが高いから、自分から聞けないような使えない人間
- メモを取らない人は信用できない
- 3年後に見返して、役に立つかもしれない
これは実際にあがった意見だ。あなたが面接官であれば、この意見の中から誰を採用するだろう
私が面接官であれば全員、即不合格にする
この中に事実に対する回答はあるだろうか
実は、ひとつもない。あるのはすべて個人的な意見だけだ。無茶苦茶な主観的意見ばかり(それもかなり派生した)
このように、事実を事実として捉えられない人が多く、難しい質問は自分のいいように勝手に解釈してしまうのだ
ロジックのかけらもないような意見は、すべて「私はメモをあまりとらない」という文言から生まれている
ここでもう一度、質問のなかにある事実は何だったかを考えてみてほしい。
意見を求められている事実は、「メモをとることよりも覚えることに時間を費やすべき」という意見に対してどう思うかが問われている
ここで、???と思うだろう。
果たして本当なのかと、逆じゃないのかと
「メモをとること」と「覚えること」の重要性は何によってきまるのだろうか、と
これは難題だ・・・そう簡単に答えを導きだせない、答えるまでの時間もない、、、
そのときに、自分が解釈できる簡単な質問に変換してしまうのだ
だから、「私はメモをあまりとらない」という言葉に対してだけ意見をしてしまう(今回はそれ以降の事実を放置している)
つまり、「メモをとらない人に対してあなたはどう思うか」という質問に変換してしまうのだ。
では、事実に対する賛同回答とは、
- 記録が最優先になり、脳処理を後回しにするのでよくない
- 突発的事項以外のメモは時間と精度の無駄であり、記録すべき重要な情報であればマニュアル等に記載しておけばいい
趣旨は、メモを取ることが最優先課題になっていることへの投げかけだ。
一方で、メモの方が重要だとする否定回答もあるだろう。
メモをとることは重要だ。人は忘れる ⇔ 忘れるような内容はすぐに使わないし重要ではない
このような意見のやり取りが討論なのだ
これは面接に限った話ではないが、話が脱線して最後のほうには何を聞かれていて何を答えればいいんだっけ?となる人が非常に多い(だから、話が脱線したときに冷静にレールに戻すという役割は高評価される)
事実と意見を区別して話すことが可能になる方法
では、どうすれば、「事実」と「意見」を区別して話すことができるのだろうか
実は、これらは注意力の問題であり、何歳からでも直すことは可能なのだ
要は、回答しようと頭の中で考えている言葉をチェックすればいい
今、言おうとしたことは意見か?事実か?と立ち止まって考えてみるのだ
もちろん、最初は時間がかかるが、そのうち、慣れてくるので心配ご無用。面接のような時間がものいうときでも対策しておけば問題ない
一番簡単な方法は、結論から先に言うことだ
結論から先に言うことで、事実をはっきりさせることができる。
会議の議事録を作成する際も同様で、必ず結論から書いたほうがいい。方向性も定まるし、何がいいたいのかわからない報告になりにくい。
面接の練習など、事前に時間がある場合は、紙に書きだすのも有効だ。
頭の中で思っていることを書きだし整理する。これだけでも、回答するときに注意する練習になる。
かつての私も「結局は何がいいたの?」「結論は?」と怒られた
そして、今の私がいるのだから間違いない。
事実と意見は誰でも区別して話すことは可能だ。
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