国家・地方公務員は町内会・自治会への加入は義務?役員報酬を得たり自治会長になっても問題ない?

現役の公務員のなかには町内会や自治会活動を避けたいと思う人も多いと思います。自治会活動に興味がない、自治会費が高い、プライベートで地域活動をしたくない、など自治会活動にメリットを感じないという職員も多いと思います。
結論ですが、公務員は町内会や自治会、アパートやマンションの管理組合に加入していなくても問題ありません。公務員だからといって地域活動をする義務もありません。一方、届出をして許可を貰えば一定の制限はあるものの自治会活動をするのであれば役員になって報酬を得ること可能です。
地方自治体としては自治会がないと非常に困ります。行政の役職を一部担ってくれているからです。その背景もあってか自治会加入調査が行われる地方自治体もあるようで、加入や活動が半強制的であるプレッシャーは相当なものと察します。
消防団に入らないことで村八分にされるという声も聞かれます。その点、持ち家か賃貸でも状況は大きく変わると思いますが、自治会への加入・未加入はどうなるのでしょうか。公務員の自治会活動について、現役の地方公務員が解説します。
自治会・町内会とは?自治会の役割
自治会と町内会は同義です。地域によって呼称が異なります。
自治会は任意団体で非営利活動をする地縁団体です。ただし、(財産区のように)もともと自治会が所有する土地など財産を営利活動に使う場合は地方自治体に申請して許可を得て活動することが可能です。これを認可地縁団体といいます。
自治会の役割は小さな行政を担うことです。災害時に行政からの物資の受け入れたり、避難所設営を担うなど大きな役割があります。身近なところでは日々のごみ捨てです。ゴミ収集は自治体の役割です。家の前にゴミを捨てておいてパッカー車で回収することをやっている自治体もあります。しかし、人やお金がいくらあっても足りません。そのため、自治会でごみ捨て場(ごみステーション)を管理してもらい、効率化しています。
そのほかにも、行政からの連絡や情報は個人個人に送っていては時間もかかりますし費用も莫大です。そのため、行政からまずは自治会に流し、そこから各戸へ情報を流してもらうほうが効率的です。また、地域で夏祭りを開催したり、正月には餅つき大会など地域の行事を運営して、地域の活性化を担っています。
自治会活動や自治会費は自治会ごとで本当にバラバラです。上記のように行事を積極的にする自治会は自治会費が高いと思いますが、子どもがいる家庭からすれば十分に還元は受けられているかもしれません。一方で全く何も活動していないかたちだけの自治会があることも事実です。
自治会がないと行政が立ち行かなくなる
自治会は小さな行政です。行政が自治会に頼っていることも非常に多いです。自治会へ運営費を補助している自治体も多いです。ただ、あくまで任意団体ですから、自治会が解散しても法的には何ら問題なく、その役割を行政が担うことになるだけです。
役所は自治会に依存していた分をカバーするため、既存事業をカットしたり、場合によっては税金を増やすことになります。ゴミ捨て1つにしても一軒一軒まわるための費用負担は相当なものになります。
自治会がなくなることによって個人的な活動の負担は減りますが、税金の負担は増えることが予想されます。
国家公務員は自治会活動で報酬を得てもいい。ただし兼業許可の届出が必要
国家公務員は国家公務員法で兼業が禁止されていますが、自治会などの非営利団体での活動については兼業許可の届出を提出し承認されることで活動が可能となります。
兼業許可がもらえれば、報酬を得ることも可能です。自治会長や自治会役員になることも制限がありません。しかし、社会通念上問題ないとされる報酬額でないといけません、また、活動時間は1日3時間以下、週8時間以下、月30時間以下など制限があります。
地方公務員は地方自治体によって判断が異なる
地方公務員も国家公務員と同様に地方公務員法によって兼業は禁止されています。自治会活動など地域貢献に限定し報酬を得ることを許可している地方自治体もあれば、地域貢献は許可するが報酬を得ることは禁止(無償のボランティア活動のみ可)としている地方自治体もあります。
自治会活動をすること自体は問題ありませんが、報酬を得ることついて判断が分かれています。なお、兼業を許可している自治体は国家公務員のルールを準じている自治体がほとんどです。
地域貢献活動において特別休暇制度を設ける自治会もある
総務省は地方自治体に対して、条例を定めるなどすれば職員の特別休暇として「地域貢献活動休暇」を新たに創設できる、という通知を発出しています。地域貢献活動には、自治会やNPOのほか、まちづくり協議会、防犯協会、PTAなどの活動が想定されますが、これらの活動をプライベートの時間を削ることなく有給休暇として活動できるという制度になります。
地方自治体によっては既に法整備し、地域貢献活動における特別休暇を認めている自治体があるようですが、足並みがそろっているわけではなく地方自治体によって判断が分かれています。
公務員が自治会に加入する義務はない
自治会は自治組織であり任意団体のため、法的に定められた組織ではありません。あくまで任意団体ですので、当然に公務員であったとしても地域団体への加入が義務付けられているものではありません。入るも入らないの個人の自由ですし、途中で辞めることも可能です。
しかしながら、地方になればなるほど地域との関係性は色濃くなります。公務員だと身バレしていることも多く、公務員なのに自治会活動をしない、自治会費も払わないといった苦情がくることは必至です。そのため仕方なく入っているという公務員も多いです。マイホームに住んで子どもがいる環境ですと地域との関係性が悪くなることは極力避けるべきだと思います。
ゴミ捨て場は自治会で運営していることがほとんですが、自治会に加入していないことを理由にゴミを捨てることを制限することはできません。ゴミ捨て場の利用料を管理費等で支払うなどすればよく、一方的な使用禁止は違反行為です。
自治会活動が嫌で自分が公務員だと周囲に明かしていない人も多い
公務員だと分かると、自治会に加入しろという圧力は強くなりますし、加入したらしたらでそれなりの役割を担わされることになります。自治会も超高齢化が進んでいますので、パソコンを扱える人はほとんどいません。事務ができ、役所にも顔が利く、これほどの人材はなかなかいません。
自治会活動も結局、仕事ができる人にすべて負担がくるという構図ですから、自分が公務員だとバレないようにこっそり過ごしている人も多いです。

自治会を脱退する公務員もいる
自治会に入っていたのに自治会を辞める公務員もいます。引っ越しは当然ですが、コロナ禍のなかで自治会の活動方針が変わったことで脱退した人もいます。自治会では、こども会など地域の子どものための活動も多いですが、自治会長が変わると方針が一変して高齢者を優先する自治会活動となることも少なくありません。
公務員だとバレていても活動内容に納得がいかない、不明瞭な会計があるなど自分が納得がいかないのであれば途中脱退も可能です。もちろん、理由なく脱退することも可能です。
自治会に加入していなくても自治会費を払っている場合もある
自治会活動をしていなくともゴミ捨て場の利用のために清掃する順番には入っていたり利用料を払っていたりと運営方法は多種多様です。マンションに住んでいて管理組合もなく自治会費も払っていないという人もいるかもしれませんが、共益費として徴収されている場合もあります。
私が昔住んでいた地域では、町内会費をマンションの管理会社が徴収して管理会社が自治会に納める仕組みになっていました。マンションを建築する際の地域との約束になっていたりするようです。自治会活動は全くしていませんでしたが(勧誘自体も全くありませんでした)、祭りの案内やそこで利用できる割引券がポストに入っていたりと、子どもがいれば自治会に入ったほうが楽しいかもと思わせてくれる地域でしたね。
なお、今はマンションに住んでいるため自治会には加入していません。管理組合もありませんので加入していません。管理費は毎月納めているので、管理会社が地域と調整して町内会費等を納めてくれているかもしれません。