現役公務員が昇格が遅れたときのメンタルを保つ3つの方法(出世しない生き方もあり)

同期や後輩より早く出世したい、だけど今年も無理だった・・・来年こそ・・・と思いながら1年間仕事を頑張り昇格できないと分かった日は、本当にメンタルが折れそうになります。1年であればまだしも、それが2年、3年、4年・・・と続くと、本当につらい。
できれば経験したくないことですが、公務員で出世をすると決意した日から避けて通れません。昇格できる人数は決まっていますし運もあります。周りがどんどん昇進し気がつけば後輩が上司になっていることも珍しいことではありません。
- 同僚と比べない
- 同僚の悪口を言わない
- 出世しなくてもいい環境を作る
出世が遅れることで精神的にまいってしまわないよう、上記3点を意識してメンタルを保ってください。
※本記事での「出世」とは、担当から係長、係長から課長など、昇格・昇進という意味です
公務員が出世する動機とメリット・デメリット
出世することにメリットを感じず、管理職になりたくないという公務員も増えています。
- 責任が重くなり精神的につらい
- 議員、管理職、部下から板挟みにあう
- 仕事量が増え、残業も増える
- 飲み会や地域団体などの付き合いも増える
- 休日出勤などプライベートの時間がなくなる
出世することのデメリットは多く、私の周りで毎日定時退庁している管理職や年次有給休暇をすべて取得している管理職は見たことがありません。
一方、出世するメリットも多いです。
- 仕事の裁量の幅が増えスケールの大きい業務が経験できる
- 年収(給料)が上がる
- 知り合いが増えて仕事がやりやすくなる
- 部下をもちマネジメントすることで人として成長できる
- 上層部しか知らない裏の事情や秘密の情報を知れる
給料アップ(課長級や局部長級まで昇進でれば年収1,000万円を超える自治体もある)を魅力的に思う人も多いです。
しかし、多くのメリットやデメリットを押しのけて出世に向かわせる動機は、同僚には”負けたくない”という気持ちではないでしょうか。高校・大学受験、公務員採用試験と誰かと競争してきた人生です。公務員になってからも、あいつは仕事ができる、あいつはダメだ、と競争の世界に身を置くことは避けて通れません。
自分が出世しなければ、そのうち同期や後輩が上司になり、歳下の後輩上司に指示されて仕事をしなければなりません。本当に納得して出世しない人生を選べている人は多くありません。昇進したくありません!と公言していた若手職員が数年後には昇進したいと方針転換していることも多いです。
公務員が昇格が遅れたときにメンタルを保つ3つの方法
公務員の世界は年功序列のピラミッド構造です。優秀な人が何人いようと席が1つしかなければ1人しか昇格できません。
上司から、今年は無理でも来年は絶対に昇格させてやるから頑張れ!と言われても、確証なんてどこにもありません。そもそも断言した上司が異動するかもしれません。昇格できないまま10年、20年が経ち定年退職という未来もあります。
公務員組織では、係長級以上の割合は約3割、残り7割の職員が担当のまま定年退職を迎えます。出世できない人のほうが圧倒的に多いわけです。私には関係がないと思っている人も多いと思いますが、出世を目指したとき、この現実に直面することになります。そのとき、出世をいさぎよく諦められる人と悔しくて耐えられない人がでてきます。
大卒ストレート旧帝大出身のエリートコースを歩んできた人が、Fラン大卒の同期に負けて昇進が遅れたときの精神的な疲弊は相当なものでしょう。同じ旧帝大卒に負けるならまだしも、、、というプライドがメンタルを崩壊させることも。このような現実が訪れても大丈夫なように、前もって対処しておくことが大切です。
出世できなかったときの対処法①同僚と比べない
仕事に限らず人生において人と比べることは最も幸せから遠ざかる行為です。いつの時代もどの分野にも上には上がいます。
役所人事は基本的に年功序列ですが、同期より1年早く係長になったからといって同期より1年早く課長になれるとは限りません。係長になったのは自分のほうが早かったのに課長になるのは同期のほうが早いなんてことも役所人事では当たり前です。同期のなかで最速で係長に昇格した人が課長になれず係長止まりで役所人生を終えることだってあります。
同僚より昇格が遅れたことを気にして定年退職まで約40年、一生気にするほど無駄なことはありません。仮に出世競争に勝ったとしても人生、何が起こるか分かりません。今はよくても、仕事のプレッシャーに押しつぶされて休職してしまうかもしれません。プライベートで悪いことがおき仕事に影響して評価を下げることになるかもしれません。
自分は自分、同期は同期、後輩は後輩です。
出世できなかったときの対処法②同僚の悪口を言わない
出世はブラックボックスです。周りからの評判が悪くても、仕事ができなくても、嫌われていても、昇格するときは昇格します。それが人事です。そこに透明性を求めることは不可能です。
普段から同僚の批判をしていると、その同僚が自分より先に昇格してしまったときの劣等感にうちのめされることになります。いつもダメ出しをしていた同僚よりも自分の方が下だと組織から評価されてしまったわけですから、メンタルを保つのも大変です。
悪口は自分の立場を守るために相手を落とす行為です。なんであいつが昇格したのか意味が分からない!といくら訴えようが現実は変わりません。
飲み会で人の悪口で盛り上がることはあるでしょう。しかし、それを本気にしてはいけません。あなたがどれだけ嫌っていても、人としてダメでも、仕事ができなくても、出世する人はするんです。むしろ、昇格が遅れたからといって業務をないがしろにすればするほど昇格ができない悪循環になりますから注意が必要です。
出世に影響することは本人の力量だけでなく、多くの要因があります。
- ポストの空き数
- 部署間のパワーバランス
- 管理職のパワーバランス
- 人事権をもっている人との距離感
- 政治的圧力
何もしていないように見えて、裏でロビー活動をしている人もいます。同僚からは嫌われている人が昇進するのも、人事評価をする管理職の評価が高いかもしれません。
口は禍の元と言いますが、ライバルの同僚を悪く言えば言うほど自分に返ってきます。
同期や後輩へのタメ口はやめておいたほうがいい
体育会系だととくに顕著な上下関係ですが、同期や後輩、年下だからといってタメ口を使ったり、先輩風を吹かして強く当たたったりして関係性を構築することはやめておいたほうが絶対にいいです。
その後輩が自分より早く昇格し自分の上司として配属される場合もあります。後輩とはいえ上司です。上司の命令は絶対ですし、タメ口はご法度、最悪は懲戒処分の対象です。周りの目も厳しくなります。
そこは割り切れると安易に考えないでください。同期や後輩の部下が周りから係長と呼ばれ自分の上司として業務を命令してくる環境は想像以上に精神的にきついです。
出世できなかったときの対処法③出世しなくてもいい環境を作る
出世しなくてもいい環境を作ることが最重要です。
見方につけるべきは「時間」です。出世すると自分の時間は確実に減ります。係長や課長で毎日定時退庁し有給休暇もすべて取得している人を私は知りません。一方、ベテラン担当職員は、自分の好きなときに休み好きなときに帰っています。会計検査や議会対応で疲弊している管理職を横目に定時ダッシュすることも可能です。
つまり、出世しないことで得られる時間を有効に使って、自分の人生を豊かにしておく。新しい趣味を始めるもよし、挫折してやめていたことをもう一度やってみるのもいいと思います。そのうち楽しくなってきて、出世して自分の時間を他人にとられるのが嫌になるかもしれません。
また、対処法①「同僚と比べない」と一見矛盾しますが、出世している人よりも経済的に豊かになる方法があります。
出世することの最大のメリットは給料アップです。公務員には飛び級がありませんので、係長にならなければ課長にはなれません。課長、部長、局長と出世できれば、年収1,000万円の世界が見えてきます。年収500万円以上の差がひらくこともあります。出世はお金がすべてではありませんが、給料の議論は避けて通れません。
副収入を得ましょう。昇格が遅れた給料アップ分を副業で取り返しましょう。
公務員は副業を国家・地方公務員法で禁止されていますが、家族の事業の手伝いをするなど家庭全体の所得を上げることができれば自身の給料アップと意味は同じです。株式投資や不動産投資など、法的に認められている資産運用もあります。
そんな簡単に言うな!という意見はごもっともです。そもそも対処法①「同僚と比べない」と明言しながら給料で比べることは矛盾しています。しかし、そう簡単に人と比べることをやめて、自分は自分と生きられる人は多くありません。
まとめ
出世は本当にブラックボックスです。コンプライアンス違反をしている人でも平気で出世しますし、パワハラで職員を退職させた人が出世するなんてよくあることです。
人事は上層部にとって都合のいい人を上げるのであって、そこに仕事ができるできないは関係ありません。公務員組織においては、理不尽は当たり前の世界です。それが嫌なら公務員を辞めるしかありません。
出世にとりつかれた人生は、定年退職までずっと他人の手のひらで踊らされることになります。係長になったら課長になる速さを競うんですか?課長になったら部長になる速さを競うんですか?定年退職まで誰かと競争して、気が付けば65歳で定年退職、という人生に何が残るのでしょうか。
出世とは、自分の時間と引き換えに、お金と権力を得ることです。出世が人生の目的になってしまうと、つまづいたときに立ち直れないかもしれません。出世は運、できたらうれしいけど、できなくてもいい。どちらにでも舵を切れるようにしておくことが大切です。