公務員の勤務環境は、上司ですべて左右されるといっても過言ではありません。
私は役所に入庁してから今までの10年で、数多くの上司と付き合ってきましたが、どの上司も性格が違いました。
- 考え方も行動も若く優しい、控えめに言っても神
- すべて人任せ、全く仕事をしない、ただ座ってハンコを押しているだけの無能
- めちゃくちゃ厳しくて怖いけど、最後の最後はケツをふいてくれる古き良き日本人
- 上司の上司そのまた上司の顔色をうかがわないと生きていけないクズ
などなど、本当に千差万別です。
事実、どの上司に当たるかによって、精神的なストレスが段違いです。
同じ仕事なのに、上司によって楽しかったり、つらかったりするわけです。
人事異動は、部署よりも上司が重要で、この上司ガチャで当たりを引くことを祈るほかありません。
もし自分と馬が合わない上司と仕事をすることになっても、逆らったら最悪、懲戒処分になります。
公務員は法律で「上司の命令は絶対」と規定されているからです。
ただ、クビにはなりませんし、一般的にみて議論レベルだと処分されることもありません。
懲戒処分事例をもとに解説します。
地方公務員の規定に「上司の命令は絶対」と規定されている
公務員は法律で上司の命令に従うよう規定されています。
地方公務員法第32条(法令等及び上司の命令に従う義務)
職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。
簡単に説明しますと、
公務員の仕事の基本は「平等」です。
しかし、職員一人一人が感情で判断しては不平等になることは言うまでもありません。
そのため、法律や条例で定めた根拠をもとに判断することで、出来る限り平等な対応ができるわけですね。
とはいえ、規定には一定の解釈の余地が存在します。
その解釈の余地で仕事をする職業こそ、公務員なわけです。
では、解釈の違いで意見が分かれた場合はどうなるのでしょうか。
結果的にいえば、あなたがAだと思っても、上司がBと判断すれば、組織としてBだという対応をとる必要があります。
いくら、あなたが納得いかない事実であろうが、関係ありません。
にもかかわらず、あなたの主張で勝手に仕事を進め上司の命令に背いた場合、地方公務員法違反になります。
つまり、懲戒処分の対象となります。
もちろん、あくまで上司の「職務上の命令」に限ります。
誰がみても明らかに間違っている命令や物理的に不可能な命令には従う必要はありません。
このような命令をした場合、その上司はパワハラやセクハラで懲戒処分を受けることになります。
公務員は上司の命令に逆らったらクビ?
法律で上司の命令には従わなければならないと規定されているとはいえ、従わないからといって懲戒処分を受ける人はそういません。
経験則上、議論という名の喧嘩をするレベルでも懲戒処分を受けることはありません。
お互いに一時的にカッ!となることはあれ、いい歳の社会人ですから、そこは大人な対応をします。
しかし、だからといって懲戒処分された事例がないわけではありません。
懲戒処分事例:神戸市交通局の男性職員を停職1か月
神戸市は、上司に「偉そうに指導するな」と反抗的な発言を繰り返すなどしたとして、交通局の男性事務職員(47)を停職1カ月の懲戒処分とした。
市によると、職員は、上司の男性係長に残業申請をしたが認められなかったことに腹を立て、その後「係長の資格はない」「話すつもりはなく、電話も取りつがない」などと反抗や無視を繰り返したほか、残業申請が係長を経由しないよう事務システムの設定を変更した。
職員は「係長が自分の提案を受け入れてくれなくて腹が立った」と話しているという。
あくまで憶測ですが、おそらく・・・
これまで生活残業を繰り返していたベテラン職員に対し、新しくきた若手の係長が生活残業を認めなかったもの
と推測します。
懲戒処分をだすレベルのことが背景にあると考えると、分が悪いのは担当者でしょう。
事実、生活残業をしている職員はいますし、上司のそのまた上の上司も先輩だからという理由だけで承認している場合はあります。
とはいえ、残業しないと絶対に終わらない業務量を担当に任せて自分は定時退庁しておきながら、部下の残業申請は認めないような係長もいますから、憶測の域はでません。
公務員として組織で仕事をしている以上、基本的には上司の命令に従う必要があります。
従わないばかりか、業務に支障をきたすと判断されれば、懲戒処分をされても不思議ではありません。
気が合わない上司や無能な上司との付き合い方
ぶっちゃけますと、上司が変われば職場の雰囲気はガラッと変わります。
これまでお通やだった職場がお祭り騒ぎになるほど、本当に違います。
どれだけ優秀な担当者を連れてきてもこうはなりません。
働きやすさ=上司、だということは間違いありません。
しかし、上司の中には、パワハラやセクハラ紛いを繰り返すクズや、中学生のほうがまだ仕事ができると思うレベルの無能な上司もいます。
もちろん、パワハラやセクハラ野郎は論外ですが、無能な仕事ができない上司は全く持ってダメなのかと言われれば疑問符です。
例えば、
全く何もしない上司の下で仕事をするとき、何も判断してくれない!と怒ってはダメです。
40歳や50歳にもなって無能な奴は、死ぬまで無能です。
そんな上司に判断を任せれば間違った判断をする可能性も高いわけですし、そもそも自分自分が他力本願マインドになっていることに気がつきましょう。
このような場合、すべての権限はあなたにあるという前提で仕事を進めればいいだけです。
あなたは、仕事ができる人かもしれません。
ただ、いつ、あなたがその上司と同じようになるかは分かりませんよ?
40年以上働くなかで、プライベートで何か不幸があるかもしれません。
そのメンタリティーを職場に引きずってしまうことも想定できますよね?
あの上司は無能だ!と言っているうちに自分が言われているかもしれません。
上司と気が合わないとしても、お互いの異動タイミングを考慮すれば長くて2年です。
2年であれば耐えられるでしょう。
まとめ
上司の命令に従うということに批判的な意見もありますが、
その判断が問題となったとき、割り切ってしまえば、上司、ひいては組織の責任なわけです。
自分の責任ではない以上、自分の思いとは切り離して職務を遂行すればストレスは低減可能です。
感情的になって懲戒処分を受けるほどバカらしいものもありません。
それこそ、気が合わない上司の思うつぼかもしれませんし。
ぶっちゃけますと、仕事ができる人には上司も誰も何も言ってきません。
結果的に間違った判断をしていても怒られることはありません。
なぜなら、仕事をしてもらわないと困るからです。
その人が仕事をしないと誰かがカバーする必要があるわけですから、そのポジションまでいければストレスフリーになります。
もっとぶっちゃけますと、男性なら筋肉隆々のゴリマッチョなら絶対にパワハラは受けません。
上司も同僚も本能的に勝てない相手とは勝負しませんからね。
主人が、辞めさせられそうです。
独立行政法人の医療センター勤務の係長です。課長に、目をつけられ、ミスをしたことにより、さらに、圧力がかかりミスを何度かしているようです。仕事はなぜか他の部署の倍以上のものを強いられてきています。その上、係長から係員に降格させられ、それでは物足らず、やめることを決断しろと言われてしまいました。話を聞きにいく予定にはしています。ミスの内容は聞いてはいませんが、辞めさせられるほどの内容ではないと、主人は言っています。辞めさせられる、の権限は課長さんにあるのでしょうか。これはパワハラではないでしょうか?実は、同部署で、班長さんが、同じような状況で、辞表を書かされています。他の部署の方には、180度違う態度で優しく接するらしいです。
大変な状況ですね。
心中お察しいたします。
独立行政法人の医療センターと地方自治体では懲戒処分の厳しさや根拠などが異なるため、一般的な観点から回答させていただきます。
まず、ミスをしたことによる降格についてです。
そのミスの度合にもよりますが、過去の他事例と比べ逸脱しているのであれば処分を撤回させる要求が可能です。
裁判所が認めれば、降格は取り消しになります。
このような処分取り消し事例は多くあります。
次に、仕事量についてです。
仕事量の多い少ないは客観的な判断が難しく、対外的に示せるものは残業時間しかないと思います。
この残業時間は実働時間であり、勤務先に認められた時間ではありません。
過労死ラインである月80時間が目安になりますので、超過している場合は労働基準監督署などに相談されるほうがいいと思います。
過去に明らかに不要な仕事をさせたことで、指示をした上司が懲戒処分された事例はあります。
最後に、課長の言動についてです。
課長から担当者に対し直接辞めろなどど発言することは、どんな理由があれ基本的にパワハラに該当します。
辞めさせる権限は課長級にはなく、人事権をもっている管理職であっても簡単にクビにはできません。
なぜなら、日本の雇用契約上、解雇となれば、それ相応の理由が必要だからです。
そのため、あくまで解雇ではなく、自主的に退職したという事実をつくろうとしているのかもしれません。
相応の理由とは、会社自体が倒産するなどの場合などです。
従業員が数人程度の会社であれば上記の内容は理想論であり現実には通用しないかもしれませんが、独立行政法人の医療センターともなればそれも考えにくいと思われます。
どんな理由があれ、辞めろなどと発言することは明らかにパワハラに該当します。
しかし、降格が正しい処分だとすれば、そのミスによっては事情が変わってこようかと思われます。
どちらにせよ、ご主人には、ちゃんとした記録を残しておくことをおすすめします。
録音データや音声データではなくとも、日記や手帳に書くことでも十分です。
もし、処分が不当であったときの証拠になりますから。
以上、ご参考になれば幸いです。