これから公務員になる人は自分がどこの部署に配属されるか気になりますよね?
公務員人生のスタートをきる部署が忙しいのか暇なのか、
あらかじめ心構えをもつことは精神的にもらくです。
しかしながら、ランキングを信じるほど不毛なものはありません。
ランキングに騙されないでください。
ランキングなんて意味がないものを信じないでください。
というより、気にするだけ無駄です。
その理由を解説します。
配属部署のなかでも係(班)によって業務量は全然違う
公務員がやる仕事は多種多様、その数は膨大です。
役所は縦割り
そんな厳しい声がありますが、これは事実です。
役所は縦割りでなければ仕事がまわりません。
それほど役所が行っている公共事業は幅広く多いのです。
そのため、部署の中には係(班)があり、役割を分担しています。
要は、同じ部署に配属されても、係(班)によって全くやっている仕事は違います。
もっといえば、同じ係でも隣の人がやっている仕事の詳細は分かりません。
仕事の内容が違うということは、それだけ忙しさが違うということです。
例えば、私が所属している部署では4つの係があります。
それぞれで全く別の仕事をしていますから、正直、隣の係が何をやっているか分かりません。
(正確には、概ね理解はしていますが、問い合わせに回答できるほどの知識はありません)
すると、どうなるか。
同じ部署でも、ずっと残業している係と毎日定時ダッシュする係ができます。
毎日残業している係になれば激務ですし、定時ダッシュしている係になれば暇ともいえるでしょう。
これが、部署だけでホワイトかブラックかを判断できない理由のひとつです。
希望する部署やすべての部署には異動はできない
これまで事例に出した部署は、私の経験に基づくものです。
22歳で公務員になり、60歳まで勤務すると考えると、38年間
仮に異動を3年毎と計算すれば、13の部署しか経験ができません。
その中には、部署に出戻ることもあります(異動部署がすべて違う職員に出会ったことがありません)
同じ仕事で管理する地区が変わるだけといった場合もあります。
同じ仕事であれば即戦力ですから。
つまり、多い人でも10部署程度が経験の限界なわけです。
その部署の中にも係がありますから、役所人生において役所の仕事を網羅することは不可能です。
また、人事異動の希望が通ることはまずありません。
職員一人ひとりの希望なんて聞いていては、誰も嫌な仕事をしてくれないからです。
人事課や上司の面接なんて完全にパフォーマンスです。
一部、希望が通る人が目立つだけで、99%の人は希望通りにはなりません。
なので、暇な部署に行きたいと願ったところで、意味をなしません。
年度や時期によって部署の忙しさは変わる
どの部署にも、年間のスケジュールがあります。
年度末が一番忙しい部署が多いのは予算の原則からくるものですが、
なにもそういった部署ばかりではありません。
出納閉鎖の5月末がピークの部署もあります。
要は、年間を通して仕事量の波があるわけです。
また、その年度によって仕事量が大きく変わる部署があります。
例えば、国勢調査を行う部署
国勢調査は5年に1度おこなわれますから、その年に配属された人は地獄を見ることになります。
しかし、あと4年は毎日定時ダッシュ
それほどまでに差がうまれます。
選挙管理委員会もその代表です。
当然、選挙がなければ暇なわけです。
しかし、選挙が行われるとなればその状況は一変します。
選挙の準備から後処理まで、期日前投票も始まりましたから、そのまま泊まりなんてことも
選挙事務の激務で仕事中に交通事故を起こした役所の職員もいたほどです(情状酌量の余地があり懲戒免職処分にはなっていません)
つまり、配属されるタイミングによって、ホワイトかブラックかは変わるわけです。
防災課は災害が起きなければ暇ですが、災害が起きれば基本的には毎日終電です。
時と運による部署もあります。
ホワイトかブラックかは自分次第
公務員の忙しさを決定するのは、本庁だから激務、出先だから楽だなんて単純なものではありません。
どれだけ忙しくない部署の係に配属されたとしても、
パソコンの文字入力もできない同僚が隣だと、すべての仕事はあなたが処理しなければなりません。
上司が細かいタイプや右へならえのタイプですと、すべて仕事を押し付けられますから仕事量は増えますし。
いつ災害が起きるかなんてわかりませんし、政治の力で新しい仕事がふってくるかもわかりません。
少し厳しいことを言えば、自分の能力がないから激務になっている場合もあります。
これは、ある意味、能力の差でもあります。
20年選手と新規採用職員が同じ仕事をして同じ時間で処理できるはずがありませんよね。
人事異動先を気にしても意味がありません。
その部署の業務量を気にしても意味がありません。
その部署でこいつは仕事ができると判断されれば、それだけ仕事がふってくるのが公務員の世界です。
そうなればホワイトもブラックに変わります。
どれほど激務だといわれている部署でも定時で帰る人は一定数います。
仕事ができる人で片づけてしまうのは少し野暮かもしれません。
それは見方を変えれば、窓際族ですし、空気が読めないとも思えます。
ホワイトにするもブラックにするも自分次第です。