公務員になって一番悲しかったことは周囲から理解されないつらさ

私が地方公務員になって一番悲しかったことは、公務員であるがゆえに抱えるしんどさやつらさを理解してもらえず、結果的に友達が友達ではなくなってしまったことです。
公務員のイメージは今も「年収が高い、ストレスがない誰でもできる楽な仕事、9時5時」が定着しています。なかには”そんなはずはない!公務員は忙しいうえに年収も低い”と意見を言ってくれる人もいるかもしれませんが、大多数の思いは「公務員は民間サラリーマンより無能」です。
今から公務員を目指す人は、「あなた」から「公務員のあなた」に変わるデメリットを知っておいてください。身近な存在(友達、家族、親族)であっても決して公務員として生きることのつらさは理解してもらえません。
国家・地方公務員と民間企業のサラリーマンは一生交わることはない
民家企業に勤めるサラリーマンの公務員の一般的なイメージは、
- 倒産しない
- クビにならない
- ノルマがない
- 残業がない
- 福利厚生がいい
ですが、あえて反論をしておくと
- 夕張市のように財政破綻する
- 懲戒免職処分(クビ)、分限免職処分(リストラ)はある
- 毎日がノルマ
- 残業はある(サービス残業もある)
- 福利厚生を活かせる機会に遭遇したことがない
正直、ストレスフリーでもありませんし毎日が暇ではありません。しかし、このことをいくら伝えようと、周囲は絶対に理解をしてくれません。理解してくれるのは公務員の世界に身を置いたことのある人だけです。
少しずつ友達が友達ではなくなっていく
今も付き合いのある昔からの友人の中には公務員は一人もいません。私以外は民間企業に勤めるサラリーマンです。その中には東証一部上場企業や外資系企業に勤める友人もいます。どう考えても公務員の私よりも年収や福利厚生もいいはずです。しかし彼らの中では、公務員はクビにならないノルマもない楽な職業という位置づけです。
公務員になると友達が友達じゃなくなる瞬間がきます。一緒に仕事の話(愚痴やしんどさ)をしても、反応が”公務員だろ?そんなの余裕でしょ!俺たち民間はさ~・・・”という感じがひしひしと伝わってきます。実際に言われたこともあります。
公務員になると必ず友達が友達ではなくなっていく瞬間がきます。悲しいわけではありません。少しむなしい。言葉では表現できません。
公務員になる前は一緒に不満を言ったり笑いあったりしていた中だったはずなのに。今は私からご飯も誘うことも少なくなりました。仕事の話をしなければ楽しいので友達としての付き合いは続けていきますが見えない壁は正直あります。
公務員と家族は一生交わることはない
家族も友人も公務員に対する評価とイメージは同じようなものです。”公務員は「らく」な職業”として認知されています。公務員はカレンダー通り働くもの、休日出勤があるなんて思ってもいません。冠婚葬祭だけでなく、GW、お盆、正月などの行事も予定が合わないと思っていません。日程調整の対象にはなりません。
友人と同様に、家族でも公務員の仕事のしんどさを理解してくれる人はいません。もっといえば、家族ほど理解してくれないのかもしれません。
家族や兄弟の仕事の愚痴に対して「こうこうしたらいいんじゃないの?」とアドバイスしても聞いてはもらえません。公務員が何を偉そうにしてるんだ?といった具合です。昔はそうではありませんでしたが、少しずつ溝は広がります。
きっと、私の言っていることがわかる年がきます。今は大丈夫でも別の道を歩み始めると価値観が変わります。家族構成や経済状況でも差がでます。そういった小さい違いが積み重なるわけです。
あなたは「公務員であるあなた」から抜け出せない
公務員として働くうえで、「公務員である」ということに人は価値を見出します。もう、「あなた」いち個人には興味がありません。公務員になればあなた自身の評価はゼロです。仮に、
- 英語がペラペラ
- プログラミングができる
- 国家資格を保持している
どれほどすごくても、公務員の世界から外にでることありません。”でも、公務員じゃん!?”で片付けられて終わりです。
腹が立つでしょ?でも、これが現実です。公務員である以上、公務員としての評価しか受けません。それが世間の一般的な思考です。
これから公務員を目指す人は信じたくないかもしれませんが、これが現実です。職業が弁護士や医者と言われたら相手を見る目が少し変わりませんか?ホームレスやニートと言われて同じ気持ちで接することができますか?
公務員はその最たる職業であることを忘れないでください。公務員のアンチはずっと公務員のアンチです。世間だけはありません。友人、家族、親族にも存在します。