【実体験】パワハラに耐えている公務員へ伝えたい対処法
今もパワーハラスメントに耐えている現役の公務員は多いと思います。
私も上司からパワハラを受けていつ仕事を辞めようと考える毎日を送った経験があります。
- 平日時間外や土日祝に平気で仕事の電話をかけてくる
- 決裁文書に1か所でも間違いがあると叱責される
- みんながみている場で長時間怒鳴られたり、机を叩かれて威圧される
- 事務のミスについて反省文を書かされる
- 何が目的か分からない資料を作成を指示され結局活用されずに終わる
- 感情で判断されるため、優先順位や言っていることがコロコロ変わる
- 問題が起これば全て私のせいにされる
など、言えないことを含めればまだまだあります。
ずっとパワハラを我慢してきた私だからこそ伝えたいことは自分で抱え込まないことです。まずは自分が優先、仕事なんて二の次です。
自分で抱え込んでいるときは本当に毎日がしんどく、休日も休んでいる気がしませんでした。しかし、信頼できる人へ相談してから少しずつ状況が改善した経験から、パワハラを受けたときの実体験からおすすめの対処法をお伝えします。
パワハラを受けている事実は自分から言わないと誰も分かってくれない
社会は決して察してはくれません。
あなたがパワハラを受けていようと、周りは知りませんし、知っていても知らないフリをします。
なぜなら、
- そもそも、あなたがパワハラを受けていることに気が付いていない
- パワハラの被害が自分にきていない以上、見て見ぬふりが最善だと思っている
- パワハラを助けると、今度は自分がパワハラをされるかもしれないという思いから動けない
など、多くの理由から自ら察して助けてくれる人はまずいません。
ただ、パワハラに耐えているだけでは状況は一切好転しません。人事異動を待つ手段は先延ばしにするだけなので最悪です。同僚ならまだしも上司ともなればパワハラを注意できる人も限られてきますから、自分から動く必要があります。
私も周りに相談して初めて、あの人はそんな人とは思わなかったと周りから言われました。しかし、周りにあの人はパワハラをするような人だと認識を改めさせる必要があります。その有効な手段は、周り巻き込むことです。一人で何とかしようと戦わないことです。
パワハラを受けたときにおすすめしたい対処法
もし、パワハラを受けたと感じたとき、それが一過性のものであっても受けるストレスは相当なものです。パワハラが続くようであれば、自分から行動を起こすことをおすすめします。
注意したいことは、段階を飛び超えないことです。客観的事実がないまま主観的に動くのは得策ではありません。
具体的には、
- 信頼できる人へ相談する
- 同僚や上司へ相談する
- 人事課や相談窓口へ相談
- 人事異動を希望する
- 休職する
のステップを踏むことをお勧めします。自分で抱え込まない、周囲を巻き込むというのがポイントです。
いきなり人事課へ直訴したりすることはお勧めしません。理由は単純で、あなたがパワハラを受けている事実が特定されない場合、あなただけが悪者扱いされる可能性があるからです。パワハラをしている人はパワハラなんてしていないと主張しますからね。
もちろん、耐えられない段階であればすっ飛ばしてください。仕事より評価より自分自身の心身のほうが大切ですから。
①信頼できる人へ相談する
パワハラを受けてまずやることは、信頼できる人へ相談することです。
できれば、係長級、課長級、部長級がいいです。部署は問いません。前の部署の上司など自分のことを評価してくれている人がベストです。上の人の中には、親身になって行動してくれる人はいます。
パワハラかどうかは本人がどう受け止めるかが重要は要素ですが、やはり客観的な判断も重要となってきます。パワハラと教育的指導との境界は難しく、パワハラをしてくる人が実は周りから評価されていたり信頼されていたりすると逆に自分の立場が悪くなる可能性があります。
家族、友人、仲の良い同期に相談することも大切です。悪口を言ってストレスの発散をすることは気持ちの整理にもってこいです。しかし、状況の改善は見込ません。状況を改善するにはやはりそれなりの力をもっている人に相談することをおすすめします。
②同僚や上司へ相談する
パワハラ野郎にあなた1人では勝てません。まずは仲間を増やしましょう。中には、パワハラをされているときに助けてくれる同僚もいます。
課長のパワハラをその上司の部長が気が付けるかは難しいでしょうし、係長のパワハラとなれば部長はまず気がつけません。だから伝える必要があります。
パワハラを受けていることを共有することは、裏を返せばその事実を知っていた人はもしそのパワハラが問題になったときの責任問題になります。特に管理職はパワハラを放置した責任を取らされることになりますから、言っておいて損はありません。
特に今の時代はパワハラを見て見ぬふりをしただけで懲戒処分の対象となりますから、上司に伝えたという事実は非常に大切です。
③人事課や相談窓口へ相談
信頼できる人へ相談しても、同僚や上司に相談しても解決しない場合は、人事課やパワハラの相談窓口等へ相談しましょう。
当然、上司へ相談するときには、状況が好転しない場合は人事課へ相談することは伝えておきましょう。人事課へいきなり相談するのも手ですが、順序を間違うと部署自体が敵になりかねないので注意が必要です。
④人事異動を希望する
パワハラ野郎を異動させるか、自分自身を異動させるか、の2択を選択させましょう。時期も指定して、いついつまでに解決されなければ行動に移すことも伝えてください。
一番の悪手は、パワハラに耐えていれば人事異動でどちらかの異動を願う行為です。パワハラの事実を人事権をもっている管理職が知っていなければ、そのまま残留という可能性も十分にあります。
そのため、上司や人事課へ相談する際には、人事異動を希望してください。希望しても無理だったら、遠慮なく休職しましょう。仕事より自分自身を大切にしましょう。
⑤休職する
精神的に限界であればいきなり休職してください。段階を踏めなんて言いません。
ただ、休職の理由が自分に非がないパワハラだとしても人事評価が下がることは事実です。人事異動にも少なからず影響を与えますから、出世にも関係する事実は否定できません。その思いから休職に踏み切れない人もいるというのが現実です。
休職するまでに手順を踏んで、周りが助けてくれなかったという事実があったほうが復帰時に有利に働くことが多いです。休職して仕事を辞めるというよりも、まずは休職してみてそこから考えるべきです。であれば、復帰後の待遇を考えて動くべきです。
まとめ
パワハラを受けた経験がない人も、いつパワハラに悩まされるか分かりません。人事異動というガラガラポンのせいでパワハラ野郎に遭遇する可能性は誰にでもあります。
そのため、パワハラを受ける前に対処法を知っておくべきです。
ポイントは、絶対に自分だけで抱え込まず、周囲を巻き込んでください。周囲を巻き込むことで助けてくれる人がでてくるかもしれませんし、パワハラをした人に対して見て見ぬふりをしたという事実は十分に懲戒処分の対象となりますから、周りを巻き込むことはパワハラを解決する有効な手段です。
パワハラ野郎も敵があなた1人であれば続けるかもしれませんが、部署全体ともなれば話は変わってきます。人事課にも多数の声があれば言動に信憑性が増し動いてくれる可能性も高くなります。
パワハラをしている人の権力が強く、パワハラを受けた人が異動させられるパターンもあると思います。その時はラッキーだと思いましょう。パワハラ野郎は懲戒処分をされてもパワハラを続ける人が多いですから、離れることを最優先にすべきです。なぜ被害者の私がと思う気持ちも理解できますが、第一優先はパワハラから逃れることです。
地方公務員の規定に「上司の命令は絶対」と規定されている
公務員の勤務環境は、上司ですべて左右されるといっても過言ではありません。
私は役所に入庁してから今までの10年で、数多くの上司と付き合ってきましたが、どの上司も性格が違いました。
- 考え方も行動も若く優しい、控えめに言っても神
- すべて人任せ、全く仕事をしない、ただ座ってハンコを押しているだけの無能
- めちゃくちゃ厳しくて怖いけど、最後の最後はケツをふいてくれる古き良き日本人
- 上司の上司そのまた上司の顔色をうかがわないと生きていけないクズ
などなど、本当に千差万別です。
事実、どの上司に当たるかによって、精神的なストレスが段違いです。
同じ仕事なのに、上司によって楽しかったり、つらかったりするわけです。
人事異動は、部署よりも上司が重要で、この上司ガチャで当たりを引くことを祈るほかありません。
もし自分と馬が合わない上司と仕事をすることになっても、逆らったら最悪、懲戒処分になります。
公務員は法律で「上司の命令は絶対」と規定されているからです。
ただ、クビにはなりませんし、一般的にみて議論レベルだと処分されることもありません。
懲戒処分事例をもとに解説します。
公務員は法律で上司の命令に従うよう規定されています。
地方公務員法第32条(法令等及び上司の命令に従う義務)
職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。
簡単に説明しますと、
公務員の仕事の基本は「平等」です。
しかし、職員一人一人が感情で判断しては不平等になることは言うまでもありません。
そのため、法律や条例で定めた根拠をもとに判断することで、出来る限り平等な対応ができるわけですね。
とはいえ、規定には一定の解釈の余地が存在します。
その解釈の余地で仕事をする職業こそ、公務員なわけです。
では、解釈の違いで意見が分かれた場合はどうなるのでしょうか。
結果的にいえば、あなたがAだと思っても、上司がBと判断すれば、組織としてBだという対応をとる必要があります。
いくら、あなたが納得いかない事実であろうが、関係ありません。
にもかかわらず、あなたの主張で勝手に仕事を進め上司の命令に背いた場合、地方公務員法違反になります。
つまり、懲戒処分の対象となります。
もちろん、あくまで上司の「職務上の命令」に限ります。
誰がみても明らかに間違っている命令や物理的に不可能な命令には従う必要はありません。
このような命令をした場合、その上司はパワハラやセクハラで懲戒処分を受けることになります。
公務員は上司の命令に逆らったらクビ?
法律で上司の命令には従わなければならないと規定されているとはいえ、従わないからといって懲戒処分を受ける人はそういません。
経験則上、議論という名の喧嘩をするレベルでも懲戒処分を受けることはありません。
お互いに一時的にカッ!となることはあれ、いい歳の社会人ですから、そこは大人な対応をします。
しかし、だからといって懲戒処分された事例がないわけではありません。
懲戒処分事例:神戸市交通局の男性職員を停職1か月
神戸市は、上司に「偉そうに指導するな」と反抗的な発言を繰り返すなどしたとして、交通局の男性事務職員(47)を停職1カ月の懲戒処分とした。
市によると、職員は、上司の男性係長に残業申請をしたが認められなかったことに腹を立て、その後「係長の資格はない」「話すつもりはなく、電話も取りつがない」などと反抗や無視を繰り返したほか、残業申請が係長を経由しないよう事務システムの設定を変更した。
職員は「係長が自分の提案を受け入れてくれなくて腹が立った」と話しているという。
あくまで憶測ですが、おそらく・・・
これまで生活残業を繰り返していたベテラン職員に対し、新しくきた若手の係長が生活残業を認めなかったもの
と推測します。
懲戒処分をだすレベルのことが背景にあると考えると、分が悪いのは担当者でしょう。
事実、生活残業をしている職員はいますし、上司のそのまた上の上司も先輩だからという理由だけで承認している場合はあります。
とはいえ、残業しないと絶対に終わらない業務量を担当に任せて自分は定時退庁しておきながら、部下の残業申請は認めないような係長もいますから、憶測の域はでません。
公務員として組織で仕事をしている以上、基本的には上司の命令に従う必要があります。
従わないばかりか、業務に支障をきたすと判断されれば、懲戒処分をされても不思議ではありません。
気が合わない上司や無能な上司との付き合い方
ぶっちゃけますと、上司が変われば職場の雰囲気はガラッと変わります。
これまでお通やだった職場がお祭り騒ぎになるほど、本当に違います。
どれだけ優秀な担当者を連れてきてもこうはなりません。
働きやすさ=上司、だということは間違いありません。
しかし、上司の中には、パワハラやセクハラ紛いを繰り返すクズや、中学生のほうがまだ仕事ができると思うレベルの無能な上司もいます。
もちろん、パワハラやセクハラ野郎は論外ですが、無能な仕事ができない上司は全く持ってダメなのかと言われれば疑問符です。
例えば、
全く何もしない上司の下で仕事をするとき、何も判断してくれない!と怒ってはダメです。
40歳や50歳にもなって無能な奴は、死ぬまで無能です。
そんな上司に判断を任せれば間違った判断をする可能性も高いわけですし、そもそも自分自分が他力本願マインドになっていることに気がつきましょう。
このような場合、すべての権限はあなたにあるという前提で仕事を進めればいいだけです。
あなたは、仕事ができる人かもしれません。
ただ、いつ、あなたがその上司と同じようになるかは分かりませんよ?
40年以上働くなかで、プライベートで何か不幸があるかもしれません。
そのメンタリティーを職場に引きずってしまうことも想定できますよね?
あの上司は無能だ!と言っているうちに自分が言われているかもしれません。
上司と気が合わないとしても、お互いの異動タイミングを考慮すれば長くて2年です。
2年であれば耐えられるでしょう。
まとめ
上司の命令に従うということに批判的な意見もありますが、
その判断が問題となったとき、割り切ってしまえば、上司、ひいては組織の責任なわけです。
自分の責任ではない以上、自分の思いとは切り離して職務を遂行すればストレスは低減可能です。
感情的になって懲戒処分を受けるほどバカらしいものもありません。
それこそ、気が合わない上司の思うつぼかもしれませんし。
ぶっちゃけますと、仕事ができる人には上司も誰も何も言ってきません。
結果的に間違った判断をしていても怒られることはありません。
なぜなら、仕事をしてもらわないと困るからです。
その人が仕事をしないと誰かがカバーする必要があるわけですから、そのポジションまでいければストレスフリーになります。
もっとぶっちゃけますと、男性なら筋肉隆々のゴリマッチョなら絶対にパワハラは受けません。
上司も同僚も本能的に勝てない相手とは勝負しませんからね。