公務員はカスタマーハラスメント(住民や議員の不当要求)の温床です

”お客様は神様です”

とはよく言ったもので、本来の意図とは違う伝わり方をしているものの、

公務員の世界において、国民や議員は神様であることは間違いありません。

その神様からの要望や意見が度を超すことがあります。

それが「カスタマーハラスメント(通称:カスハラ)」です。

(公務員では「不当要求行為」と同義だと考えていいでしょう)

しかし、職員がカスハラを受けても、カスハラだと役所側は取り扱うことは少なく、

基本的には泣き寝入りです。

要は、公務員は国民のサンドバッグなわけです。

それがわかっているからこそ、相手側は言いたい放題の繰り返し

その結果、精神的に耐えきれなくなり、うつ病など休職する現役の公務員が増えています。

何も、カスハラの相手は住民だけではありません。

国民の代表である議員からの不当要求も当然あります。

このような背景から、カスハラの問題について国も動き始めているようですが、現実はそう単純ではありません。

役所におけるカスハラの実情を、現役の地方公務員が暴露します。

カスタマーハラスメントとは?

カスタマーハラスメント(通称:カスハラ)とは、

直訳すれば「顧客の嫌がらせ」ですが、

一般的には「悪質なクレーム」を指します。

もともとは民間企業に対する消費者からの度を超えた悪質なクレームのことだったわけですが、

公務員における行政サービスに対しても問題視されるようになっています。

つまり、行政サービスを利用する一般人の言動も職員へのカスハラの対象になるということです。

カスタマーハラスメントの具体例

公務員の場合のカスハラの具体例を解説します。

大まかな枠組みとしては、

  • 暴力をふるう
  • 威圧的に理不尽な言動をしたり、脅す
  • 庁舎内に居座ったり、破壊する
  • 職員を事実上、拘束する

などがあります。

  • 毎日のように名指しで電話してきて同じ内容を繰り返し職員を拘束する
  • 要求を聞き入れないと、告訴する、報道機関などに話すと脅す
  • 職員の態度が気に入らないと土下座を要求する

など、数え切れないほどのカスハラの温床になっているのが公務員の職場の現実です。

基本的には、役所の窓口において、

自分の思い通りにならなかったり、待ち時間が長かったりすることなどで発生するようですが、

カスハラをする人の気持ちは理解に及びません。

カスタマーハラスメントは住民だけでなく議員からも受ける

実は、公務員にカスハラをしているのは住民だけではありません。

国民の代表である議員も職員に対してカスハラをしています。

まず、それぞれの立場を簡単に表現すると、

  • 国民⇒税金を納めている。行政に意見や要望を言う。
  • 議員⇒国民の代表として国民の声を役所に伝える。
  • 行政⇒すべての受け皿。意見を反映できるよう努める。

こんなイメージです。

建前上は、それぞれが同じ立場にいますが、現実はそうではありません。

国民>議員>>>>>公務員

という具合に、公務員の身分は最下層にあたります。

国民の代表として声を届ける議員が国民よりも下なのは、国民が投票することによって当選し職を得ているからですね。

地元の権力者(要は票を固められる人)の方が議員よりも立場は上です。

そっぽ向かれてしまっては、次の選挙で勝てません。

議員からの要求内容については、市民の代表という立場であることから、

一般人の要求は担当から係長級が対応するのに対して、議員要求については、基本的に管理職が対応します。

姫路市「不当要求行為の恐れ」認定(2020年10月)

兵庫県姫路市議会の議員が市職員を「不当要求行為の恐れ」と認定していた。

市議は2019年6月、特定の公園のフェンスについて高さを上げるよう建設局職員に要望。

その対応に不満を抱き、同局や総務局の幹部らを呼び出して担当職員を異動させるよう要求したほか、

「適当なこと言うてあしらいよったら、わしもとことんいくで」

「(この市議に対しては)気いつけてもの言えよ、ぐらいのこと職員に通知出しといて」など威圧的な言動で叱責したり発言したという。

また18年にも「特定業者を事業の応募資格者から除外することを求めた」として「恐れ」と判断された。

市議会は「『恐れ』ではなく明らかに不当要求だ」、「威圧的な言葉を並べて職員の公正な職務を妨害したのは言語道断。全容を解明すべき」として、副議長が副市長に申し入れ書を提出した。

基本的に、役所は条例などに基づき、議員や市民からの要望内容を全て記録しています。

そのため、過去の要求はすべて調べればわかります。

今回も情報公開請求によって明らかになっていますから、役所としては公表はしないつもりだったかもしれませんね。

この事例は何も特別なことではありません。

このようなやり取りは往々にして行われています。

日常茶飯事とまでは言いませんが、

議員から”来い!”と呼び出されて課長級がとんでいきますし、まるで王様のような態度ですよ。

(先生ではなく完全に裸の王様です。国民にはそんな態度はしませんよ?貴重な1票ですからね)

では、なぜ、姫路市は不当要求とせず”不当要求の恐れ”としたのか。

それは、自治体の忖度(そんたく)です。

世の中、どこまでも政治です。

正義感だけでは公務員の世界では生きていけません。

実際、議員に逆らって、翌年に左遷の異動、そのまま昇進できずに退職した職員もいます。

自治体としても、あまり大げさに騒げば、このやり取りに係わった職員全員に対して何からの措置が行われることは目に見えています。

一方、議員側からすれば、公になってしまった以上、言語道断だというほかありません。

この行為が当たり前だと思われてしまっては、議員側の問題が表に出てしまいますからね。

この1件で止めておかないといけないわけです。

国のカスタマーハラスメントへの対応

総務省は、行政サービスの利用者が現場の窓口などで度を越す要求を行い、応対した職員から相談があった場合は、上司が同席するなど組織として対応するよう求め、国の動きを踏まえた対応を促す通知を各自治体に発出。

職員から相談があった場合、課長や室長ら管理職も加わり、職員を一人きりにしない対応の検討を求めています。

実際、カスハラは、住民との距離がより近い都道府県や市区町村の窓口で発生する確率が高いわけですから、当然の対応ですね。

カスタマーハラスメントの問題点と解決策

カスハラをしてくるような人は、一定数必ず存在します。

相手は不当要求をすること自体が目的なわけですから、揚げ足取りの専門家のようなものです。

どれだけ職員の質を高めても、はっきり言って無駄です。

研修なんて、もっと無駄です。

国であれば、基本的に国会議員の対応でいいわけですが、

都道府県であれば、都道府県会議員と国会議員

市区町村であれば、市会議員のほかに都道府県会議員と国会議員の対応をしなくてはいけません。

住民からすれば、ますは一番近いところ、つまり市区町村に苦情をいれますから、第一報の対応もしなければなりません。

(経験上、国に対して市会議員の要望を言っても、それはそちらで処理してくださいと言われて終わりです。市は国会議員の対応もしているのに・・・)

不当要求については、国家公務員よりも地方公務員のほうが大変だと思います。

このような問題の解決策としては、カスハラをしてくるような一定数の人に対して、

役所側が堂々と毅然とした態度で対応すればいいだけです。

それで解決する簡単な話です。

しかし、姫路市の事例でも解説しましたが、役所側はあまり前向きではありません。

特に管理職は、議員に対しては反抗できません。

電話を切った後に、これは不当要求じゃないのか?と怒りながら、部下に要望を処理するよう指示する管理職ばかりです。

そこで、管理職が不当要求として要求を聞き入れなければいいわけですが、それができません。

なぜなら、出世がかかっているからです。

管理職が求められる一番重要な仕事は、議員と良い関係を築くことですからね。

実際にカスハラの対応をする最前線にいるのは管理職ではなく担当者です

自分が担当のときに大変だったから、管理職になったら担当にはさせない!なんて漫画の世界です。

そんな管理職がいれば、議員に嫌われて左遷、出世の道は閉ざされますからね。

もちろん、職員の態度や言動が悪いことで起こることもあるでしょうし、それは一切否定しません。

そりゃ、職員が悪い!相手方が怒るのも当然だ!となる職員がいることも事実です。

しかし、最近は、本当に度を超えてきていると思います。

カスハラに対して役所は後ろ向きな姿勢というのが市民にもバレているんでしょうね。

だから、カスハラは減らないんです。

カスハラをやっている人は、それがカスハラだと言われていないわけですから、同じことを繰り返します。

カスハラをやるような人がそもそもの原因ですが、

カスハラのせいで精神的に病んで休職する職員がでているのは、自治体のせいです。

自分たちが最前線で戦わない、痛みがわからない管理職のせいです。

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