公務員がライブ配信でお金を稼ぐと副業扱いになり、懲戒処分の対象となります。
公務員は法律で副業が禁止されていますから、金額に関係なくアウト。
本記事では、実際に懲戒処分された事例をもとに解説します。
ライブ配信をした公務員が減給処分された事例を解説
秋田県の女性職員がライブ配信アプリで副収入(投げ銭)を得たことを理由に減給処分となった事例を解説します。
- 処分日:2021年6月25日
- 自治体:秋田県男鹿市総務企画部 主事級の女性職員(19)
- 内容:休職中にライブ配信アプリで7,000円の収入を得た
- 懲戒処分:減給10分の1(1カ月)
この女性職員は同日に依願退職しており、管理監督者(上司)2人が厳重注意処分となっています。
ポイントは、
- ライブ配信の投げ銭は営利目的の報酬と判断された
- 休職中であったことで懲戒処分が重くなった
ことです。
ライブ配信の投げ銭⇒営利目的の報酬⇒地方公務員法に違反⇒懲戒処分と市が判断した全国で初の事例です。
投げ銭は閲覧者が自発的に投稿者へあげるものという前提に立てば、100%営利目的の報酬というのは少し疑問符ですが。
あくまで、ライブ配信での投げ銭は何時間配信しても0円なんて普通ですから、労働に対する対価ではありませんからね。
また、休職理由は不明ですが、休暇中であったことで処分がより重くなったと考えられます。
公務員の休職が許されるのは病気のときだけです。
精神的な理由であれ、肉体的な理由であれ、病気だと判断されなければ休暇を取得することはできません。
1円も稼いでいなければ懲戒処分とならなかった可能性もありますが、休職中の副業は公務員としての信用失墜行為に該当するとみなされ、収入の有無に関係なく処分さた可能性は高いです。
ライブ配信がバレた理由
ライブ配信がバレた理由は明らかにされていません。
とはいえ、
- 周辺の人が気がついた
- 本人が周りに言っていた
の2点しか可能性としてはないでしょう。
7,000円の副収入は確定申告の必要がありませんので、税金の関係からバレる可能性はありません。
となると、ライブ配信が本人の顔出し・声出しで気が付いた人が役所へ通報した、本人が周りに話ていたことしか考えられません。
ライブ配信していたサイト・アプリは何?
ライブ配信していたサイト・アプリは公表されていません。
投げ銭が可能な主なライブ配信アプリは、
- YouTube Liveの「スーパーチャット」
- noteの「クリエイターサポート」
- Twitterの「Tip Jar」
- 17LIVE(イチナナライブ)
- ニコニコ生放送
- SHOWROOM(ショールーム)
- Mildom(ミルダム)
- ふわっち
- Pococha(ポコチャ)
- ツイキャスキートス
- Mirrative(ミラティブ)
- Spoon(スプーン)
- HAKUNA(ハクナ)ライブ
この他、あげるだけでも数え切れないほどです。
どんどん新しいアプリが登場している分野になるので、今後も増えていくことでしょう。
どのサイト・アプリかを公表しなかったのは、同じ方法で稼ぐ人を増やさないためだと思われます。
警察が特殊犯罪を公表しない理由と同じですね(特殊犯罪を模倣する人がでてくる可能性があるため)。
まとめ
今回、処分された公務員は19歳、つまり高卒です。
現代は大卒枠がほとんどで、高卒枠の採用倍率はかなり高いです。
そういった点からみれば、かなり優秀な人材だったと推測できます。
ただ、給料はかなり低く、秋田県男鹿市の令和3年度の採用試験の情報みると、高卒の初任給は149,610円となっています。
税金控除を考慮すると、手取りは約12万円ですから、一人暮らしをしているなら毎日の生活はギリギリ。
副業で少しでも生活を楽にしたいという気持ちは十分に理解してもらえるのではないでしょうか。
もちろん、懲戒処分されている以上、情状酌量の余地はありません。
そもそも公務員の時点で情状酌量の余地なし!と思われる人もいるかと思いますが・・・
結果的には依願退職しているので、本人も最初からその覚悟があってのことだったのかもしれませんが、公務員は休職中に何をやってもいいわけではありません。
病気療養ですから旅行のひとつでも認めていいと個人的には思いますが、まだまだそうなっていないのが現実です。
>>>「公務員は休職中に旅行したら懲戒処分です【休職期間の過ごし方は重要】」
こうした事例は、本当に辛くて病気で休職している公務員に対しても失礼ですし、巻き込むことになるのは悲しいことです。