もし、今の知識をもって2021年の公務員試験を受けるなら、どこを受けるか・・・
大学卒22歳の新卒採用という前提で考えてみると、
「国(総合職)>政令指定都市>都道府県>特別区>市>国(一般職)>町>村」
になります。
しかしながら、学力、住んでいる地域、育った環境などが関係してきますので、誰しもがこの順位に当てはまるわけではありません。
この記事では、なぜこのような順位になるかを
- 仕事内容
- 年収
- ワークライフバランス
の3点の評価軸をもとに解説しますので、公務員になろうと考えている人はぜひ参考にしてみてください。
※一般的な事務職や技術職を前提とします。
※公安系(自衛官、警察官、消防士)公務員などは特別考慮しませんが、共通している部分もあるので是非参考にしてください。
仕事内容からみる公務員
国家公務員と地方公務員では、仕事の規模感が全然違います。
予算も桁違いですし、扱う事案も桁違いです。
42.195kmのフルマラソンを国は車、都道府県は自転車、市区町村は徒歩でゴールを目指す
そんなイメージです。
お金を持っている国は車に乗って早く楽にゴールすることができますが、道路の劣化具合を見つけることはできません。
一方、お金のない市区町村は徒歩ですが、その分、道路の劣化具合もさることながら風景や匂いなど地域特性が分かるわけですね。
そのため、「仕事の規模感」という意味では、
国(総合職)>国(一般職)>都道府県>政令指定都市>特別区>市町村
となります。
しかし、「仕事のやりがい」という意味では、人によって順位が変わってくるので注意が必要です。
ただ、こればかりは働いてみないと分からないという部分が大きいと思います。
ストレスからみる公務員
国・地方自治体によって、感じるストレスは全く違います。
国家公務員は主に政治家や権力者を相手に仕事をしなければなりません。
一方、地方公務員は住民対応がほとんどで、幹部クラスになってようやく政治家や権力者と折衝が必要になります。
私は地方公務員で、出先と本庁の両方とも経験がありますが、
出先は住民対応の最前線、本庁は政治の最前線といったかたちで、議員のみならず、国や他都市と調整ばかりするイメージです。
両方を経験して分かったことですが、まったく違ったストレスを感じることになります。
政治的なストレスでは、
国(総合職)>国(一般職)>都道府県>政令指定都市>特別区>市町村
となりますし、住民的なストレスは真逆になります。
市町村>特別区>政令指定都市>都道府県>国(一般職)>国(総合職)
年収からみる公務員
基本的には、国家公務員総合職を除き、「都市部>地方部」という関係性になります。
公務員の年収を左右するのは、地域手当と残業代です(残業代は予算や部署によって大きく左右されますから、議論が拡散するため省略します。)
地域手当の最高率は東京都で20%になりすから、手当がない自治体と比べて年収は20%高くなります。
そのため、年収だけをみれば、そこに政令指定都市、都道府県、市区町村に違いはありません。
あるのは、都会か田舎であって、単純に図る方法は人口です。
人口が多い自治体ほど、給与水準は高くなります。
そのため、
国(総合職)>東京都=特別区>上位の政令指定都市=上位の都道府県>上位地域の国(一般職)>それ以外
となります。
もちろん、兵庫県芦屋市のような日本国内でもお金持ちが多く住む財政が豊かな自治体もあり、それ故に物価指数が高くなりますから地域手当が15%ありますが、あくまで例外です。
ワークライフバランスからみる公務員
公務員の人事異動は避けては通れません。
- 国(総合職) 1年~2年で異動、全国各地
- 国(一般職) 2年~3年で異動、関東圏や近畿圏など限定的ではあるが広範囲
- 都道府県 3年~5年で異動、都道府県内
- 政令指定都市 3年~5年で異動、政令指定都市内
- 特別区 3年~5年で異動、特別区内
- 市区町村 4年~6年で異動、市区町村内
出向を除き、単純な異動年数と異動範囲ならば
国(総合職)>国(一般職)>都道府県>政令指定都市>特別区>市町村
となります。
都道府県以上からは、定期的な引っ越しが必要です。
結婚して子供がいる家庭の場合は、単身赴任は必須です。
私が飲み会で出会ったキャリアの方は、(うろ覚えですが)千葉の家から長野の職場まで新幹線通勤をしていると言われていました。
単身赴任はないにしても、片道2時間以上は確実ですし、交通費も実費負担分がでてきますが、単身赴任よりはいいらしいです。
都道府県内とはいえ、通えない距離の異動は十分にありえます。
しかし、政令指定都市以下であれば、通えないということはまずありません。
いくらいっても、市内なわけです。
そうすれば、子供がいても小学校や中学校を転校させる必要もないですし、
定年間近になっても、異動の度にで単身赴任をする必要もありません。
家族との生活を最優先にしたいのであれば、政令指定都市以下に就職すべきです。
国家公務員(一般職)をおすすめできない理由
国家公務員一般職(ノンキャリア)をおすすめしない理由は、何をとっても中途半端だからです。
給与もキャリアのように高いわけではなく、地方公務員と大きく変わりません。
全国各地へ転勤する必要がありますし、仕事量も多く労働時間も多い傾向があります。
ただ、仕事の規模感は大きく、やりがいを重視するのであればおすすめです。
仕事内容、年収、ワークライフバランスを総合的に考えたコストパフォーマンス的にはおすすめできません。
まとめ
まず、学力があるのであれば、国家公務員総合職を目指すことをおすすめします。
国家公務員と地方公務員の試験は併願可能ですから、キャリアで落ちたとしても、ノンキャリアや地方上級などのリスクヘッジにもなりますからね。
ただ、相当難易度が高いため、
現実的な優先順位は、「政令指定都市>都道府県>特別区>市>国(一般職)>町>村」となります。
国家公務員一般職はあまりおすすめできません。
どれも中途半端だからです。
また、政令指定都市と都道府県は公務員試験のカテゴリー上「地方上級試験」に分類されますから、併願ができません。
ただし、東京都庁は独自日程のため、併願可能です。
東京都庁は財源を国の補助に頼らない独自財源ですから、いちいち国へお伺いをたてる必要がなく仕事のやりやすさは段違いです。
すると、ここまでの優先順位は、「東京都庁>政令指定都市>特別区>市>町>村」となります。
さらに、特別区は給与は高いですが物価も高いですし、権限も中途半端で、特別区にいくらなら東京都庁でいいのでは?と思います。
また、町村レベルになってくると、採用は年に10人あればいいほうですし、給与も低く、仕事のやりがいも難しいですから、おすすめできません。
日本人口は今後減少傾向であり、規模の小さい(単純にいえば人口が少ない)自治体は運営が厳しくなります。
将来的には給与カットやリストラの可能性もあり、将来性という面でもおすすめできません。
となると、結局は、「東京都庁>政令指定都市>市」となります。
ただ、あくまで、これはコストパフォーマンスを重要視したおすすめ度になります。
市の職員がどれだけ頑張っても東京オリンピックは誘致できませんし、高速道路も作れません。
日本国民のためというなら、国家公務員一択になりますから、自分が公務員として何をしたいかを明確にしておく必要があります。
とはいえ、働いてみないと見えてこない部分も多いですし、人生の目標が途中で変わることだってあります。
特に公務員として何かがしたいという人でないのであれば、まずは、
- 権限が比較的おおきい
- 給与が高い
- ワークライフバランスがいい
という条件のもと、自治体を決め、働いてみて
やっぱり違う!
となれば転職すればいいだけです。
公務員から公務員への転職は比較的簡単ですからね。
主様の単なる個人的な意見ですね。ただの主観。地方押し。国家一般職は全国転勤?それは、一部の官庁では該当するかも知れませんが全てではない。内容が極端過ぎて信憑性のない稚拙な考え方ですね。もう少し勉強しましょう。