公務員が賃貸に住み続ける理由は住宅手当にあった、持ち家を買うリスクを解説

公務員は結婚して子どもができればマイホームを買うことが当たり前、そんな価値観の人が多く賃貸派は肩身の狭い思いをしています。しかし、お金に限った話でいえば、公務員は賃貸一択です。私は絶対にマイホームは買いません。なぜマイホームは損なのか、解説します。
公務員が貰える家賃補助(住宅手当)は最大で月2.8万円、35年間で約1,200万円になる
公務員には家賃補助(住宅手当)があります。各自治体によって貰える金額が異なりますが、補助額は「最大2.8万円/月」です。住宅手当は賃貸に限ったもので、マイホームを買うと貰うことができません。※一部の自治体のみ支給(後述)
例えば、65歳で定年退職するとして30歳時点で賃貸の人とマイホームを買う人で比較したいと思います。賃貸の人は35年間で住宅手当約1,200万円支給されますが、持ち家を買うと1円も貰えません。
2.8万円×12か月=33.6万円/1年
33.6万円×35年=1,176万円
つまり、30歳で持ち家を買うと住宅手当だけで約1,200万円も損をします。
差はそれだけはありません。多くの人は住宅ローンを組んでマイホームを買います。例えば、4,000万円を35年フラット金利の住宅ローン(固定金利1%)で借りたときの利子は、単純計算で750万円になります。
つまり、賃貸と持ち家を比較したとき、持ち家は手当と金利を足して約2,000万円の損となります。
公務員で持ち家に家賃補助が貰えるのは全体の10%程度
公務員は基本的に持ち家手当は廃止されています。一部の地方自治体では支給の対象となっていますが減少傾向にあり、平成30年4月1日時点で210自治体、平成31年4月1日時点で203自治体(全体の11.4%)となっています。
203自治体の内訳は、
- 国:すべて廃止
- 都道府県:すべて廃止
- 政令指定都市:神戸市のみ支給
- 市区町村:202自治体(半数以上が北海道の市区町村)
持ち家手当の支給額は「月3,000円~7,000円程度」となっており、賃貸に比べれば持ち家の補助額は最大でも25%程度です。
国家公務員はマイホーム購入後5年間に限り「2,500円/月」が支給されていましたが、平成21年12月に廃止されました。国は地方自治体に対して同じ水準に合わせるよう勧告し地方自治体も10年で90%が廃止し現在に至ります。
持ち家手当を廃止する代わりに賃貸の家賃補助を増額する動きが加速しています。
公務員は住宅ローンが通りやすいのは本当
公務員という職業の信用は日本においてトップです。気が付いていない現役の公務員も多いですが、住宅ローンの審査において、民間企業に勤めるサラリーマンと公務員では圧倒的な差があります。
サラリーマンは、上場一部企業であっても年収が高くても住宅ローンは通りません(借りる額にもよりますが)。一部上場企業から転職してこられた同僚がいますが「公務員になってまず驚いたことは、給料の低さと信用度の高さだ」と。サラリーマン時代、公務員より2倍以上給料が高かったにもかかわらず、住宅ローンの審査に通らなかったそうです。
マイホームを現金一括で払える公務員はいません。銀行からお金を借りる必要があります。一方、銀行は金利で儲ける企業ですから、銀行員が一番恐れることは貸した相手が返済してくれないことです。
- 会社の倒産
- リストラ
- 給料カット、ボーナスカット
不測の事態が常に起こりうる民間企業では、年収が高くても融資してくれないことがほとんです。極端な話、住宅ローンを契約した翌日に収入がなくなる可能性もあります。
しかし、公務員は違います。
- 倒産リスクはない
- クビにならない
- 給料カット、ボーナスカットはない
給料の差し押さえも簡単です。もちろん、夕張市のように財政再建団体に陥り給与カットされたり、東日本大震災からの復興のため給与カットされたり、例外はありますが、その可能性は著しく低いです。
公務員の住宅ローン審査はあるようでないようなものです。私の周りでローン審査に落ちた公務員の話は聞いたことがありません。
銀行からすれば公務員はお得意様ですから、サラリーマンより多くのお金を借りることができます。職業によって年収の何倍まで融資できるかという目安がありますが公務員は一番高い職業になります。このハードルの低さから、公務員の信用を担保にお金を借りて不動産投資をする公務員もいます。
持ち家と賃貸のリスク管理
一番やってはいけないことは、マンションの購入です。なぜか、それは区分所有権の問題です。
多くの持ち家は負の資産です。家を買ったらローンを返済するだけでなく修繕のためお金を用意しておく必要があります。
マイホームを買うと住宅ローン減税や固定資産税の控除などの税制優遇があります。低金利の時代ですので、あえて借入したお金を株式投資にまわしたことが利回りがお得・・・というような考え方もありますが、その思考に行きつく人はマイホームは買わないでしょう。
国家公務員や地方公務員(都道府県)のように転勤が当たり前の人もいれば、
地方公務員(市区町村)のように、ほとんど固定の人もいるでしょう。
まず、転勤が多い人は、考えるまでもないですよね。
わざわざ単身赴任を選んで、ほとんど帰らない持ち家にする必要は全くありません。
賃貸一択です。
また、災害時には圧倒的に賃貸が有利です。
地震、豪雨、津波、さまざまな自然災害に見舞われる日本において、いつ自分がそうなるかなんてわかりません。
持ち家であれば、再建はほとんど不可能でしょう。
仮に再建できたとしても、かなりの負債を抱えての再スタートになります。
しかし、賃貸であれば、自然災害などの緊急時には引っ越せば解決できます。
ただ、賃貸のメリットとして、
隣人に変な人がいても引っ越せばいいという意見がありますが、私はその意見には反対です。
引っ越しは、精神的にも肉体的にも想像以上に大変です。
荷物を段ボールに詰めるだけでも疲労しますし、
水道・ガス・電気のインフラやネット回線の契約変更、引っ越し費用などなど
これが家族となれば、そう簡単に次から次へと引っ越しすることは現実的に不可能。
引っ越しにかかるお金も数十万円しますからね。
日本は少子高齢化の一途をたどっています。
空き家問題も深刻です。
都市部以外は、年々、買った家の不動産価格は下がっていく一方です。
都心部、駅前、以外の場所の価値は今後50年で上がることはないでしょう。
そもそも、持ち家は、買った時点で、不動産価値は半分になります。
このことから、「お金」だけでいえば、持ち家のメリットはほとんどありません。
持ち家手当がなくともマイホームを買ったほうがいいとき
私の同僚を含め、みんなマイホームを買っています。
30歳までに結婚して
子供を産んで
家と車を買って
あとはローンの返済をしながら生活するというイメージでしょうか。
私は彼らを否定するつもりは一切ありません。
なぜなら、彼らは、「お金」だけで持ち家と賃貸を決めていないからです。
- 奥(旦那)さんの要望
- 子育て
- 親の介護
様々な理由があります。
子供の学校をころころ変えることに抵抗がある人も多いですし、
両親の介護をするのであれば同居(や二世帯住宅)も視野に入れる必要があります。
近隣住民を気にせず騒ぐことができるのは、賃貸よりマイホームでしょう。
賃貸では、外でバーベキューなんてできませんし、簡易プールなんて絶対にできません。
お金ではない、、、一つの正解だと思います。
持ち家は財産、ローンを返済すれば後はタダで住めるという意見もあります。
確かに、定年退職後は住居手当はもらえません。
賃貸だと家賃を払うだけ損です。
しかし、持ち家だってメンテナンスにお金はかかります。
今買った家の設備で、50年後に普通に生活できるでしょうか。
例えばですが、築50年のマンションに住みたいですか?
そんなマンション、誰も住みたいと思わないですから、貸す側も内装をリフォームするわけです。
同様に、持ち家は買ったら終わりではありません。
外壁塗装の塗り替えなど、維持メンテナンス費用がかかるわけです。
子供に残せるといいますが、少子高齢化で子供が都心部へでていったあと、田舎に戻ってきてくれるでしょうか。
もし、都市部だったとしても、結婚して親と同居してくれるでしょうか。
今の時代ですら、結婚の条件は親と同居の時点で、結婚相手を探すのが大変です。
そもそも何歳まで生きられるかもわかりません。
なので、リスク管理という面では、圧倒的に賃貸なのです。
だから、私は家は買いません。(宝くじでも当たったなら話は別ですが)
どうしてもマイホームを持ちたいという方は、定年後に小さい家を買うのがベストだと考えています。
子供が後を継がないという前提ですと、2階建ては不要です。
年をとって2階まで階段を昇り降りするのは、大変です。
であれば、そこまで土地代はかかりませんし、建物代もほんとうにシンプルな家にすれば予算は低くてすみます。
では、その資産はどうするの?という話ですが、
あるじゃないですか、お金は
だって、持ち家を買わないだけで、金銭的には2,000万円ほど得をしているはずですから。