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地方公務員のパパ活は副業と判断され懲戒処分された全国初事例を解説

2023年9月、東京都福祉局の25歳の女性職員(主事)がパパ活で副業収入を得たとして減給処分されました。

パパ活とは、女性が金銭の見返りを前提に男性とデート等することで、パパ活は私的な活動の要素も強く、これまで非常にグレーと判断されてきましたが、本件が副業と判断した全国初の事例となりました。では何が問題とされたのか。なぜ副業と判断されたのか。

本記事では、全国初事例のパパ活の副業について解説します。

なぜパパ活をしていることがバレたのか

東京都庁に勤務する女性職員のパパ活がバレた原因は、2022年7月に東京都の公益通報窓口に匿名の通報があったことが発端です。

匿名通報を受けて東京都は女性職員に事実を確認、2021年11月~2022年4月までの約半年間にパパ活で22万円を受け取っていたことを認めました。インターネットのマッチングサイトを通じ、お金を受け取ることを前提に複数の男性(1回だけもあれば同じ人と複数回会った)と計12回会って飲食していたとのことです。

通報によってパパ活がバレるパターンとして考えられることは、

  1. 本人がパパ活をしていることを周囲に話しており、同僚や友人から通報された
  2. 本人がパパ活の相手に公務員であることを話しており(もしくは状況証拠で公務員と特定)、パパ活の相手から通報された
  3. パパ活をしている現場を顔を知っている住民や同僚に見られ、通報された

主にこの3パターンかと思います。

パパ活は人の嫉妬を買いやすいですし、公務員という職業に対する風当たりを考慮すれば、通報される可能性は無数にあります。国であればまだしも東京都庁職員であれば住民に顔を見られる機会も多いですからね。

パパ活の事実確認は非常に困難

今回の初事例は本人が事実を認めていることから懲戒処分となりましたが、役所側が物的証拠をもって金銭の授受を確認することは難しいです。本人が貰っていないと言えばそれまでです。現金の手渡しである以上、税務署でも把握することはまずできません。

仮に現金の手渡し(さすがにそのまま渡すことはないでしょが)写真を撮られていたとしても、食事代の支払いのために一時的に受け取った、お金を貸していて返してもらった、交通費(タクシー代)として貰った、と言い訳されれば議論は平行線です。憶測や推測だけでは懲戒処分はできませんからね。

アプリの利用履歴を確認したところで特定することは困難でしょう。本人も消去しているでしょうし。

その点を考慮すれば、恐らくですが、パパ活中に何かしらあって、パパ活をした相手から通報された線が濃厚かと思います。お金を渡した人が通報してきているとなると本人もなかなか言い逃れが難しいでしょから。

女性職員は「いろいろな職業の人の話を聞くのがおもしろかった」と話していて、ならお金を貰わなくてもよかったという意見もありますが、そえは野暮というか弁明なのか弁解なのか判断は難しいですが言い訳くらいするでしょう。

パパ活をしている以上、副業と見なされ懲戒処分されるリスクを承知の上でやっていると思いますが、これまで事例があかったために副業にはならない、減給までの懲戒処分とはならないと思っていた可能性もあります。当然、売春防止法に違反する行為は別の意味でアウトですが。

パパ活で減給処分は重い処分なのか

東京都庁は、この女性職員を「減給10分の1(1カ月)」の懲戒処分としました。

公務員の懲戒処分は、免職、休職、減給、戒告の順で、戒告と減給との間には非常に高い壁があり、減給処分の場合、月給やボーナスの給与カットは当然で、次年度の昇給額も減額され、昇進もできなくなりますから、減給は非常に重たい処分です。

東京都の担当者は、「無許可での兼業(営利活動)に当たり、金銭の受け取りを繰り返していたという点を考慮した」と減給処分とした理由を説明しています。一方、パパ活の営利活動の定義については個別事案ごとケースバイケースで判断するという説明にとどめています。

年間20万円以上の副業収入は雑所得として確定申告の必要がありますが、その点は言及されていないことから、何かしら経費等を考慮して脱税行為とまでは判断しなかったのかもしれません。

公務員は、国家・地方公務員法で副業を禁止しています。すべて禁止されているわけでなく申請すれば認められる副業もありますが、基本的には本業以外で稼げばアウトです。

当該職員のパパ活を「金銭を受け取った継続性あり(平均月2回)のビジネス」「営利活動(兼業)に当たる」と判断していますが、そもそもパパ活自体を営利活動と断定する線引きは現状明確にされたものはありません。

複数の男性ではなく一人二人と私的に交遊し、金品を受け取った場合はビジネスとみなされない可能性が高く、彼氏から誕生日プレゼントを貰うこととパパ活相手から貰うことは赤の他人である以上は同義です。判断基準は継続性の有無という点であったと思いますが、つまりは、東京都庁の判断によるものとしかいえない状況です。

パパ活自体が非常にあいまいなグレーゾーンをついたものである以上、その前提をふまえて減給処分としたことは新しくはありますが、一方で明確に違法とも言えない私的活動にはなるので、個人的には少し厳しい判断となったと思っています。

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