公務員が懲戒免職処分を受けたその後の人生。次の再就職先は?

公務員が不祥事を起こし懲戒免職処分となった場合、その後の人生はどうなってしまうのか。

つまり、次の仕事、再就職が可能なんでしょうか。

結論から言えば、公務員として再び働くことは非常に難しいといえます。

ただし、可能性がないとは言い切れません。

なぜなら、採用担当者が過去の処分歴を見つけることができなかった場合は、採用されてしまう可能性があるからです。

2019年に国家公務員が懲戒処分された人数

一般職の国家公務員が2019年に懲戒処分された人数は、296人(2018年は300人)

その内訳は、

  • 免職 26人
  • 停職 74人
  • 減給 131人
  • 戒告 65人

となっています。

処分理由は、

  • 暴行や窃盗など公務外非行関係 113人
  • 欠勤や勤務態度不良など一般服務関係 68人
  • 虚偽報告など通常業務処理関係 43人
  • 交通事故・交通法規違反関係 35人

省庁別の処分者は、

  • 法務省 52人
  • 国税庁 52人
  • 厚生労働省 36人
  • 国土交通省 35人

ほか府省庁となっています。

毎年、一般職の国家公務員のうち約30人が懲戒免職処分となっているようです。

※懲戒免職処分:民間企業の解雇(いわゆるクビ)に相当するもの

自主退職した場合は、能力と年齢次第

自主退職とは、自らが職を辞することです。

公務員は普通に仕事をしていれば、民間企業のようにコストカットや倒産などの理由でクビになったりはしません

(夕張市のように財政破綻をし財政再建団体となっても、給料は下がりますがクビにまではなりません。)

そのため、基本的には「退職=自己都合による退職」なのです。

※懲戒処分を受けて、その責務により自主退職する場合も自己都合による退職という扱いになります

公務員と民間企業のミスマッチを埋めるものは、年齢か資格しかない

公務員は広く浅くが仕事の本質です。

癒着がないよう人事異動が頻繁に行われ、畑違いの仕事をすることも往々にしてあります。

生活保護のケースワーカーをしていた人が、道路工事をしているなんて当たり前の世界。

一方、民間企業では狭く深くが仕事の本質です。

品質管理ならずっと品質管理、製造はずっと製造で、設計にはなかなか配属されません。

営業はずっと営業が当たり前です(採用の時点でルートは決まっています)。

つまり、

  • 公務員は、広く浅く
  • 民間企業は、狭く深く

このミスマッチがある以上、ある程度の年齢になった公務員が民間企業に再就職することは相当難しいことがいえます。

個人的な技能や資格、例えば、

  • 英検1級
  • 公認会計士
  • 1級建築士

などがあれば何の問題もありません。

民間企業によっては、むしろ雇いたいぐらいの人材でしょう。

公務員は勤続年数で行政書士を取得できますから、それを待ってして独立という方法もあります。

しかし、年齢がある程度いってしまうと先のミスマッチが大きく影響してしまいます。

企業のことを何もわかっていない50歳の公務員を採用しても公務員のパイプ以外は何のメリットもありません。

年齢が若ければ公務員に採用されるだけの学力、能力はあるとみなされますから、

「成果主義でないことが不満で私はもっとバリバリ仕事がしたい」と面接で伝えれば評価してもらえるかもしれません。

逆に、民間企業から公務員への再就職は比較的簡単です。

民間時代にどんな仕事をしていようと、公務員よして明確に採用できない理由がないからです。

とはいえ、年齢がしめる割合は大きく、公務員試験には年齢制限があります。

>>>「なぜ?公務員試験に年齢制限はおかしい?撤廃しない理由とは

民間企業で明確な成果があったとしても簡単な話ではありません。

懲戒免職処分を受けた公務員が再度公務員になれないという規定はない

公務員のイメージと言えば、やはり「安定」ではないでしょうか。

普通に仕事をしていればクビにはならないし、相当仕事ができなくても不祥事を起こしてもクビにはならないというイメージをもっている人も多いと思います。

たしかに「クビ」という言葉は公務員の世界にはありません。

公務員の世界には公務員だけの用語があるのです。

つまり、公務員はクビはないですが、同様の意味である「懲戒免職」処分はあります。

公務員でもクビになるのです。

ただ、懲戒免職処分=公務員という役職から「永久追放」だと勘違いしてはいけません。

法的には、「懲戒免職処分を受けてから2年間は、国家公務員の場合は国家公務員に、地方公務員の場合も地方公務員には再就職はできない」という規定があります。

しかし、この規定は、同じ地方自治体に対して適用されるもので、別の地方自治体を2年以内に受験することは可能です。

一般的に、公務員試験の職員採用時に過去の処分歴の申告は求めません

国家・地方公務員法上の欠格条項に該当しなければ法律で受験が認められています。

>>>「公務員になれない人の条件を調べてみた!借金や自己破産など身辺調査はあるの?

そのため、実名報道されていない場合や、懲戒処分が軽い場合はネットで公表されていない場合も多く、

自治体の採用担当者が処分歴を見つけられなかった場合は採用される可能性はあります。

実際に、A市で処分されていた人がB市で採用された事例はあります。

昔だとインターネットもありませんし、調べる手段も限られてくることから、横行していた可能性も捨てきれません。

警察官などの公安系の公務員は不可能

例えば、警察官ですと、採用時に三等親(自分の子の子、自分の親の親まで)に前科(犯罪歴)がないかを調べ採用されることは有名な話です。

市役所や県庁などから警察署に派遣される職員も同様に徹底的に身辺調査されることも有名ですよね。

裏を返せば警察に派遣されている役所の職員は清廉潔白だということです。

要は、親族に犯罪者がいれば警察官にはなれないということです。

しかし、これは憲法に保障する「職業選択の自由」の権利を侵害していると解され、

当然ながら公表されておらず、あくまで採用には関係ないとされています。

子の罪は親の罪という考え方が根強い日本においては当然かもしれませんが、建前と本音はいつも違うものです。

もちろん、裁判を起こせば憲法違反なわけですから勝訴できるかもしれません。

しかし、採用基準は複合的ですからごまかされて試合終了です。

では、一度、警察官になった人が犯罪で逮捕され、同時に懲戒免職処分を受けたとします。

その人は再度、警察官に採用されるでしょうか。

申し訳ないですが、あり得ません。

これは一般常識的にもありえないと思われる方が多いのではないでしょうか。

犯罪をした元警察官に街の治安を守ってほしいという市民はいませんし、説得力もありません。

もちろん、表にはでませんが。

教員の場合は”ほぼ”不可能

教職員の場合の再就職もまず不可能です。

教員の場合は、再度、教員には復帰できません。

文部科学省が教育委員会などに提供している、教員免許を失効した人の情報を検索できるシステムについて、対象期間を現在の直近の3年間から40年間に延長することを明らかにしました。

そのうえで「教員を採用する人は、対象者が過去40年間に懲戒免職処分などを受けたかどうかを確認できるようになり、より慎重な採用選考が可能になる」と述べました。

しかし、これは今はじまったところ。

そのため、これまでにバレずに再就職している教員は少なからずいます。

懲戒免職処分を受けた職員を調べたら、過去に処分をくらっていたなんてことは過去にもあった事例です。

公務員試験で嘘をついて採用後にバレた場合は処分の対象

もちろん、採用決定後、入庁までに公務員としてふさわしくない行為が判明した場合は内定が取り消されます。

採用後に発覚した場合も、懲戒免職処分となります。

弁護士の回答では、

懲戒免職については、履歴書に記載することが義務といえますので、そのことを再就職先にも知られてしまいます。

このため、再就職にかなりの悪影響を及ぼすと思われます。

なお、仮にこれを隠していて就職した後懲戒免職の事実が明らかになると、その事実で懲戒免職となる可能性もあります。

法的には、その事実が事前に分かっていれば採用されなかったといえるなら、発覚した場合に懲戒免職となり得ます。

これがある以上、再就職時の履歴書の退職理由欄について嘘を書いても、バレた時点でクビということです。

今のご時世、公務員に対しての風当たりは強いですから、隠し通すことは難しいでしょう。

このリスクを背負って、改めて公務員試験を突破することへの費用対効果があるかは疑問符です。

懲戒免職処分を受けた公務員の再就職は”ほぼ”不可能

事実、懲戒免職処分を受けた公務員が再度、公務員になることは問題あ。

しかし、実際は、そう単純な話ではありません。

一番有力なのは民間企業への再就職ですが、これも足元をすくわれる可能性が高いです。

運よく就職できても今はネットの時代です。

処分内容の重さによっては、公務員は実名公表で処罰されますから、ネットで調べればでてきます。

例えば、神戸市の教員のいじめ問題ですと、

神戸市立東須磨小学校(同市須磨区)の教員間暴行・暴言問題で、市教育委員会は28日、加害教員4人のうち、弁護士による外部の調査委員会から悪質なハラスメント行為を多数認定された34歳の男性教諭2人を懲戒免職とし、女性教諭(45)を停職3カ月、男性教諭(37)を減給10分の1(3カ月)とした。兵庫県警は4人を書類送検する方向で詰めの捜査を進める。

影響を考慮してか、懲戒免職処分となった2人は実名公表はされていません。

公表されていなければ、再就職して・・・と、そんなうまい話はありません。

ネットで調べてみてください。

全員、顔写真つきで実名が出ています。

懲戒免職処分を隠して生きることは不可能なんです。

ましてや、大手企業が採用時に調べないことなどないでしょう。

大手企業ほどブランドイメージを大切にしますからね。

つまり、公務員をクビになれば、アルバイトや短期雇用で食いつなぐしかありません。

また、いざ役職に就く、ポストに上がる、となったときにそれをよく思わない同僚に何を言われるかわかりません。

一本の電話でクビです。

その恐怖に脅えながら働くことになります。

正社員という雇用をあきらめるのが最善です。

交通誘導員や警備員、自動車組み立ての期間工、コンビニなど数多ですが、結果的にこれらに頼るしかありません。

必要最低限度の身分保障をされているのが公務員です。

懲戒免職という公務員の世界で一番重い処分を受けてしまうようなことをしなければいいのですが、後をたちません。

逆に言えば、それほどのことをしたのだから、再就職できないのも当然だとも言えます。

公務員という職、身分に就いた以上は、覚悟して働く必要があります。

3 COMMENTS

名なし

地方公務員で懲戒免職になり、2年以上経過したあと、国家公務員になることはありえますか?国家公務員の受験資格には、国家公務員として懲戒免職処分を受け2年以上とあります。地方公務員とは書いてないですよね。

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