民間企業から公務員へ転職してくるサラリーマンに注意したいことがあります。
それは、民間企業時代のことを引きずらないことです。
郷に入っては郷に従え、とはよく言ったもので、公務員の世界は独特。
その中でも、これをやってしまう人は、間違いなく嫌われる3つの言動を教えます。
民間企業からの転職者が注意したい嫌われる3つの言動
民間企業からの転職、いわゆる経験者採用枠は即戦力を期待されています。
近年では、人口構成上、新卒採用よりも民間経験者採用を優先している自治体も多いです。
しかし、元銀行員が生活保護課に配属され、ケースワーカーをやるのが公務員の世界。
即戦力といいながら、未経験な分野に配属されることは当たり前です。
思い描いた公務員像と違う・・・
そんな思いから、思わずやってしまっている言動があります。
これは民間経験者採用枠で採用された人に共通することなので、注意が必要です。
1.昔の職場では~と民間と役所を比較する
民間企業よりも公務員が下だと主張する人が多いです。
民間企業で働くサラリーマンが尊く、公務員はそれ以下
こんな発想をもっている人も中にはいます。
民間と役所では理念も働き方も全く異なります。
異なるならまだマシで、真逆かもしれません。
民間企業が偉いわけではありませんが、
- 公務員の世界は民間に比べてゆるい
- 営業もない
- ノルマもない
だから、らくだわ~
とつい口に出してしまう人は要注意です。
公務員で働く人は、多くは公務員の世界しか知りません。
だからといって、民間企業よりも下だという理由にはなりません。
前職では~という昔話をしながら、暗に公務員批判をしてしまう人が非常に多いです。
採用後は、もう、あなたは公務員なわけですから、
いつまでも前の職場を引きずっていると、未練がましい奴という印象を持たれます。
そういった発言が目に余ると、周りからは、
民間で通用しなかったから、公務員に転職してきたんでしょ?と思われていますよ。
採用後は役所の一員なわけですから、
その役所を批判しすぎることはデメリットしかありません。
2.同僚に対して上からモノを言ってしまう
民間企業からの転職者は平均すれば35歳前後ではないでしょうか。
となれば、下積みを積んできた若手職員よりも、年齢的には先輩になります。
その瞬間、急に上からモノを言ってしまう人がいます。
役所の世界では、年齢よりも勤続年数を重視し、
勤続年数を先輩だとする風潮がありますから、
上からモノを言っていると、上司やベテランさんから一気に嫌われることになります。
>>>【入庁年度vs年齢】公務員の先輩と後輩はどっち?敬語とため口の境界線
また、民間では上司に対し役職名を付けて呼ばない場合があります。
係長や課長でも、すべて”さん”付けです。
しかし、公務員の世界では、役職は絶対です。
必ず〇〇係長、〇〇課長、といった役職を名前の後ろに付けなければいけません。
嫌だから、抵抗があるからという理由で、上司を”さん”付けは、公務員の世界では許されません。
仮に本人同士は良くても、それを見ている周りの人がどう思うでしょう?
そんな体裁を気にするのも公務員なのです。
転職の場合は、入ったタイミングで自分より若い上司もいます。
プライドがあるのは分かりますが、郷に従ってください。
3.燃え尽き症候群にかかってしまう
これは、当の本人があまり意識してどうこうという話でもありませんが、
燃え尽き症候群にかかってしまう転職者は多いです。
確かに、銀行員という前職を活かして仕事ができると思えば、
下水道のマンホールを調査しているのが公務員ですから、そのギャップたるや凄いものがあるでしょう。
また、民間企業がブラックだったり、激務だとすれば、
確かに公務員はぬるま湯かもしれません。
実際はあなたの周りの人があなたの仕事をカバーしているわけですが、
それに気がつく人も少ないのも事実です。
公務員になった時点で、人生をゴールしたと思ってしまう人がいます。
燃え尽き症候群にかかってしまうと、期待されていた分、
一気に評価は落ちますから、注意したいところです。
確かに、中途採用の場合、公務員のトップになることは相当難しいです。
部長にはまずなれません。
しかし、それは転職前からわかっていることでもあります。
出世や給与を理由に燃え尽き症候群にかかってしまうのは本末転倒のような気がします。
民間採用者の評価はピンキリ
私の勤める自治体では民間採用枠をこう評価しています。
「民間採用者はピンキリ」
つまり、仕事ができる人間とできない人間がはっきり分かれるということです。
これは私の先輩や上司が口をそろえて同じことを言いますから、おそらくそうなのでしょう。
実は私もそう思います。
これまで10年ほど公務員として働いてきて、
すごい適応力だな・・・と感じた人は、びっくりするスピードで昇進しています。
一方、仕事をなめてんのか?と思う人は、本当に評価が地の底です。
期待されて入庁してくる分、ハードルが上がっているのもありますが、
評価されない人は、さきほど説明した3つの言動が癖になってしまっている傾向があります。
民間企業から転職してきた人の中には、
公務員を辞めて民間に戻る人もいます。
今や公務員も激務です。
人は減り続け、仕事は増え続け、一人当たりの仕事量は想像を超えますよ。
また、若手勢はもっとしんどいです。
なにせ、何もしない人数だけが多い世代の仕事をすべてカバーしなければいけませんから。
自然災害や新型コロナのような事態になると、残業は200時間を超えます。
苦情の毎日ですが、手当もつきません。
中には、うつ病になって休職、そのまま退職する人もいます。
公務員はらくだと言っている人は、ほぼエアプだと思ってください。
民間のほうがしんどいし辛いと思っている人は考えを改めたほうがいい、
もう、そういう時代にきていると思います。
とはいいつつも、やはり、公務員のほうが民間企業よりもストレスは低いと思います。
だからこそ、調子に乗らないように、言動には注意が必要です。
できると言われている人ほど、前職のことは自分からは話されませんよ。