近年の公務員試験は、筆記試験よりも面接試験を重視する傾向になり、
筆記試験は単なる足切り、または実施しない自治体も増えてきました
それほどまでに人物重視になっているため、面接は非常に重要な割合を占めます
筆記試験はクリアできても、面接で落とされている人も多いようです
特に、面接試験で問われて一番苦労するのは「志望動機」ではないでしょうか
公務員で働ければそれでよく、明確な志望理由がない人も安心してください
本音を語りましょう
面接対策本に書かれているような、予備校で習うような例文通りでは面接試験の突破が難しい理由を解説します
志望動機はあるが、面接で答えられる理由がないという問題
公務員試験の面接において、志望動機が聞かれる可能性は100%です
これは絶対です(事前にエントリーシートに記載するような場合は、聞かれない可能性もあります)
当然、試験受験者の全員が対策すべき事項となります
とはいえ、公務員になろうと思っている人、全員に明確な志望動機があるとは思えません
志望動機はない、きっかけもない
けど、とにかく公務員になりたい
と、思っている人は多いはずです
公務員になりたい人の多くは、
- 安定している
- 仕事がらくそう
- 地元
- 学生時代に住んでいた
- 親や友人の勧め
- 平均年収が高い
このような背景で志望する人が多いでしょう
しかし、ここで問題なのは、これを面接の場で本音で語っていいものか
ということです。
・地元だから
・大学時代に住んでいたから
は、まだ言えそうですが、
・仕事がらくそう
・年収が高いから
なんて、面接で言えないですね?
実は、みんな志望動機は少なからずあるんです
でも面接で言うことに抵抗がある
つまり、面接で言えるような志望動機がないことが問題なんです
だから、
- ネット調べる
- 面接対策本を読む
- 予備校で教えてもらう
ような典型的な例文を答えて、
不採用になる人が多くなってしまうんですよ
そもそも面接官は百も承知
そもそも、公務員試験を行う際の面接官は誰ですか?
それは、自治体の職員です
つまり、面接官も一度は公務員試験を受けているわけですから、
一般の受験者が志望する理由なんて、見繕っても百も承知なわけです
それをふまえ、面接官の立場になって考えてみてください
- どこにでもあるような
- とってつけたような
- ネットで検索してすぐに分かるような
- 面接対策本に書いてあるような
- 予備校で対策してきたような典型的な例文のような
これらの志望理由を言われて、印象に残るでしょうか
面接官を納得させられるでしょうか
面接官も一度は公務員試験を受けているわけです
自分が一度は通った道ですから。見繕っているのかどうかなんてすぐに分かりますよね?
- 安定している
- 仕事がらくそう
- 地元
- 学生時代に住んでいた
- 親や友人の勧め
- 平均年収が高い
が実は背景にあるなんて、バレバレなわけです
集団面接であれば顕著です
1人目、2人目、3人目と同じようなこと言って、
面接官の興味の無さは顔や態度で分かるのに、
自分の番がきても、用意してきた通りに答えてしまう人は多いです
個別面接であれば一見すると独立しているように思えますが、
同じ面接官が面接試験を担当するのであれば、ことは集団面接と同じです
そりゃ、不採用になるわと・・・
つまり、本音を伝えても何の問題もないということです
なぜなら、面接官も元受験生であり、背景はすべて知っているからです
ただ、本音がメインになってしまうと、少し苦戦することになります
なぜなら、本音だけでは志望動機が薄っぺらく、説得力に欠けるからです
例文を答えることのリスク
面接は少なからず緊張するものです
志望動機を聞かれることがわかっているとはいえ、いざ聞かれると頭が真っ白に、なんてことも
そもそも、面接が始まった時点で緊張が、という人もいるでしょう
だからこそ、例文を暗記して・・・と考える人も多いでしょうが少し短絡的すぎます
暗記した言葉は忘れます
思い出しながら答える言葉に重みはありません
面接官はそれを見抜きます
なので、自分が堂々と答えられる、自信をもって言える内容でなければリスクが高いわけです
志望動機は何も一度言ったら終わりなわけではありません
面接官が納得してくれるかどうかですが、例文通りですと、
100%
その志望動機に対して、質疑応答があります
用意した例文通りを覚え、予想しない質問がきたときに、的確に答えられますか?
整合性を取りながら話せますか?
失敗できない、一度きりの面接という場で、整合性をチェックしながら話す難易度は相当なものです
しかし、これらの質問は100%とんできます
なぜなら、先ほども述べたように、面接官も元受験者ですから、分かっているわけです
またこのパターンの例文か・・・と
例文を暗記することのリスクは、一般的な理由であるため、説得力がありません
あなたが本当にここで働きたいとする思いが伝わりません
志望動機を見つける具体的な方法
実は、私も志望動機なき受験者でした
私は今も地方公務員として働いていますが、勤める自治体は縁もゆかりもありません
つまり、志望動機なんて全くありませんでした
では、どうしたか・・・
まず、受験する自治体を調べることから始めます(当たり前の話ですが)
ここで調べるのは、人口や観光地ではありません
調べるべきは、その自治体が抱えている問題点です
もちろん、受験区分によって変わります
事務職を受験しようと考えている人が、公共インフラなどの技術職の分野を調べても効果は薄いでしょう
そして、見つけた課題を解決する方法と本音を絡めながら答えればベストです
例えば、「少子高齢化社会」
これは日本だけではなく、世界の先進国の大きな課題です
それを自治体に落とし込んでみてください
自治体によって、必ず状況は異なるはずです
高齢者に手厚い施策をしているのか、子育てに重きを置いた施策をしているのか、はたまた・・・
それぞれの背景と現状を分析します
次に解決策はどうでしょうか?
若者に住んでもらえるように、極端に言えば、高齢者を切り捨てろ!という案もありかもしれません
生産人口の増加は必要不可欠ですから
高齢者が活躍する社会基盤を作るという人もいるかもしれませんね
しかし、これらを並べても、結局、例文になるわけです
なぜなら、一般論であり、そこに自分の感情、気持ちが重なっていないからです
そこで、本音を入れるのです(本音だけだと薄っぺらいので注意してください)
例えば・・・
私はファッションが好きで、好きなブランドがあるこの自治体によくきます
ランチや夕食も楽しみですが、高齢者が多くいる印象で、家族連れはあまり見かけません
やはり、家族連れが外に出かける場所が少ないと感じています
それは、居住地として選択してもらうのに大きなデメリットではないでしょうか
また、特に小さい子供がいる家庭では電車移動は気を遣います
とはいえ、車でくるには駐車場が少なく、不便です
なので~・・・
あくまで例ですが、
本音を入れることで、説得力が増していることがわかってもらえると思います
- 実際にあなたが目で見て、調べて、感じた感想であり、
- それも、感想をのべるだけではなく、解決策も提示し、
- しれっと、自分と自治体のかかわり、趣味や行動的な性格もアピールできます
そして、最後に、だからこの問題を解決するために、この自治体で働きたいと添えるのです
そんなピンポントでいいのか?と疑問に思うかもしれませんが、
役所である以上、できる仕事は限られます
税金徴収をしていた翌年に道路工事をするのが役所の仕事ですから、
むしろ、ピンポイントのほうがいいのです
ピンポイントではなく、広く語ろうとすると、薄っぺらい意見になります
世界から戦争を無くすには?
よりも
目の前でおばあさんが重そうな荷物をもって困っていることを解決するには?
のほうが、
現実的ですし具体的ですよね
ちなみに、課題と背景の分析が難しいのであれば、民間企業、特に大手は受けるだけ時間の無駄ですよ
大手民間企業は企業研究をしていることが大前提ですからね
ハッキリ言って、公務員試験の方が志望動機はゆるくてOKです
まとめ
結局のところ、
なぜ、ここで働きたいのか
を明確に答えることが最終関門です
経験則上、民間企業も公務員試験も、質疑応答は、ここに落ち着きます
公務員なんて300万人、その種類は多種多様です
- 東京都庁ではなく、なぜ特別区なのか
- 大阪市ではなく、なぜ大阪府なのか
- 国家一種ではなく、なぜ国家二種なのか(なぜ、この府省庁なのか)
これらを明確に答えることが必要なわけです
とはいえ、どれだけ見繕っても、限界があります
相手は、公務員試験を受けて合格している経験がある職員なわけですから
とにもかくにも、オリジナリティーがある志望理由でないとダメです
オリジナリティーといっても、違う視点でモノをみることは少し難しいですから、
自分の本音もいれて伝えるこでオリジナリティーになります
参考にですが、
私の周りでは、結婚して旦那の実家に嫁いで、なんて理由を本音で語って合格した人がいます
実は、結構、説得力はあるんですよ、これ
なぜだか分かりますか?
- 男女雇用機会均等法により、公務員は女性の採用割合を高め、管理職の割合を高めたい
- 離婚しない限りは、もう寿退社もなく、基本的にずっと勤務してくれる
- 子供ができれば生産人口が増加する可能性がある
もちろん、この背景を知ってか知らずかはあずかり知らぬところですが