私は”縁もゆかりもない”地方公共団体で地方公務員として働いています。
出身地でもないですし、大学時代に住んでいたこともありません。
なんなら遊びにいったこともほとんどありませんから、エピソードなんて皆無です。
そんな私ですが、あれよあれよという間に10年が経ち、
わかったことがあります。
これから公務員試験を受ける人や内定がでて迷っている人の助けになればさいわいです。
モチベーションの維持が難しいから注意が必要
縁もゆかりもない自治体で勤務することの最大のデメリットは、モチベーションの維持が難しいことです。
別に、自治体をよくしたくて、自治体を変えたくて公務員になったわけではありません。
正直なところ、飯を食うためです。
なので、定期的に、なんでこんな仕事をしているだろう・・・と虚無感が襲ってきます。
特に、住民対応で苦情を受けているとき・・・
住民対応をしていても、土地勘が全くないわけで、
昔話をされても知らないわけで(興味もないですが)、
日本国民のために~という仕事は地方公務員ではできません。
あくまで、それは国家公務員の仕事。
いち自治体のいち公務員なわけで、大きな仕事は何一つありません。
その地区のまちづくりを考えろというわれて、縁もゆかりもないときはなかなかきついものがあります。
このループが危険で、ふとしたときに、辞めたい気持ちがどんどん増加していきます。
たまに、自治体を良くしたい気持ちがあふれている人と仕事をするときもあります。
悲しいことに、そのモチベーションの差を埋める努力をしなくてはいけません。
本当に好きな人は、家でも勉強してるの?というほど自治体のニュースに詳しいですからね。
縁もゆかりもない人はいっぱいいる
たまに、公務員は自治体の出身者で構成されていると思っている人がいますが、そんなことは全くありません。
地方自治体の構成として、確かに、地元出身者が多い傾向にはあるでしょう。
しかし、規模が大きな自治体になれば、それだけ多種多様な人材を採用しますから、
当然、縁もゆかりもない人が大勢います。
私の周りでも、南は沖縄県から、北は北海道まで、
どうしてうちの役所を受験したの?と私が聞いてしまう人が大勢います。
地元出身者の割合は半分もいません。
なので、もし、縁もゆかりもない自治体に内定がでて迷っている人がいても安心してください。
ただ、モチベーションの差はでてくるので、
同じようなモチベーションをもった人と仲良くしてくださいね。
なぜ、縁もゆかりもない自治体を受験したのか
私は、縁もゆかりもある自治体に勤めるのは嫌でした。
例えば、出身地だと、自分のことを知っている人も少なからずいるわけで・・・
そうすると、なんだが嫌でした。
言葉にはっきりと表せないのですが、
自分の人生がすべて一つの街で完結してしまうことに抵抗感がありました。
このグローバル社会で~と大それたことは言えませんが、
自分の世界がそこで終わることが嫌だったわけです。
どうせなら、縁もゆかりもない自治体へいこう!
そう思いました。
そして、そのうえで、私が公務員を目指すうえで重要視した要素は、
- 公務員試験の採用倍率
- 年収
- 自治体の規模
以上の3つです。
公務員試験の採用倍率と採用人数
自治体の採用倍率が仮に10倍だと仮定すると、
- 1000人が募集して100人が採用
- 10人が募集して1人が採用
どちらも同じ倍率ですが、難易度は全然違います。
1人だけの採用の場合、自分がどれだけ優秀であっても、
もう1人が東大卒みたいな天才であれば不合格になるわけです。
しかし、100人もいれば、その可能性は薄まります。
記念受験のことも考慮すれば、絶対に受験すべきは後者です。
しかし、実際には同じ採用倍率になりません。
公務員の採用者数は退職者数で決定しますから、1人採用といいながら3人採用することもあるからです。
過去の試験の実績と傾向を徹底的に調べて、
できる限り、採用人数が多く、かつ、採用倍率が低い自治体を選びました。
要は、自分にとって一番採用される確率が高い自治体を受けたということです。
年収が高い
年収ですが、公務員といっても実は結構、格差があります。
平均年収だけでいえば、400万円~800万円とおよそ2倍も違うわけです。
縁もゆかりもない自治体にいくなら、モチベーションの維持のためにも年収が高いことはマスト条件でした。
ブラック企業で年収1000万円なら、それはブラック企業と呼ばない理論と似たような感覚です。
人の悩みは最終的に、”人間関係”と”お金”に収束すると言われますから、一つクリアすることができます。
自治体の規模が大きい
公務員の採用人数と倍率と同じ考えになりますが、
自治体の規模が大きいほど、対人的なストレスがないと考えました。
採用人数が1年で数人とかの自治体だと、
勤務地が少ない⇒部署が少ない⇒異動が少ない
そうなると、いい人と仕事ができればいいですが、
変な人と一緒に仕事をするとなったときに何10年も無理だと思いました。
これは公務員のいいところでもあり悪いところでもあるのですが、
公務員は異動があることによって、
いい人と仕事をするのも数年で終わってしまいますが、嫌な人と仕事をするのも数年で済むのです。
人の悩みは最終的に、”人間関係”と”お金”に収束すると言われますから、
これで二つともクリアすることができます。
ある意味、リスクヘッジなわけで、
結果的に、
異動が多い⇒部署が多い⇒勤務地が多い⇒自治体規模が大きい⇒採用人数が多い
となるので、リンクはしています。
なぜ、国家公務員ではなく地方公務員にしたのか
国家公務員は魅力的でした。
なぜなら、地方公務員よりも圧倒的に住民対応がないからです。
人の悩みは最終的に、”人間関係”と”お金”に収束すると言われますが、
内部の人はなんとかなっても、外部の人だけはどうにもなりません。
また、国>都道府県>市町村、というヒエラルキーは健在なことを
公務員になった大学の先輩から入手していました。
はっきりいって、プライドが高い人は国家公務員になるべきです。
>>>「【国vs地方】公務員に迷っている人へ、プライドが高い人は要注意」
なので、実際に筆記試験は受験しました(合格もしていました)
しかし、一番のネックとなったものは、転勤です。
転勤が嫌だった
引っ越しに伴う精神的な疲労を私は経験していたので、
できる限り転勤は避けたいと思いました。
2年に一度異動になり、そのたびに見ず知らずの土地で生活することに楽しみをもてなかったわけです。
(そういった意味では、旅行好きな人に国家公務員は向いているかもしれませんね)
そうすると、国家公務員という選択肢は真っ先に消去されます。
都道府県も当然のように人事異動のたびに引っ越すわけですから、消去。
結果的に、市町村レベルになるわけです。
市町村なら、さほど大きくない限り同じ家から通勤することが可能ですから。
志望動機はどうしたの?
志望動機は作りました。
創造です。1から100まですべて創造です。
だって、縁もゆかりもないんですから、当たり前です。
ただ、自治体の抱える問題点とその解決策を語りました。(大学の専攻と絡めながら)
>>>「公務員試験の志望動機がない人へ!例文通りはリスク、本音を言うべき理由」
こちらの回答で納得してくれ、面接官からの質問はありませんでした。
他の公務員試験でもそうでしたが、この回答で面接官が質問してきたことはありません。
余談ですが、曲がったことは嫌い?と聞かれて、
嫌いです!筋が通らないことは人としてすべきではない!
と答え、向こうからの追加質問はなかったのですが、
たぶんもっと柔軟な対応が正解だったように思います。
公務員の仕事なんて、曲がりまくった筋の通らないことばかりですから。