仕事

公務員は無能、お役所仕事にむかつく人へ、批判を覚悟で反論します!

jitchan

行政手続きのために役所にいったとき、いわゆる”お役所仕事”にむかついた経験がある人は多いと思います。役所の手続きのために会社を休まなければならない人も多く腹が立つ気持ちは分かります。

  • いつまで待たせるんだ!仕事が遅い!
  • なんだあの職員の態度は!偉そうに!
  • たらい回しにするな!

住民に横柄な態度をとっている職員をみると同じ公務員として申し訳ないですし恥ずかしいです。職員自身の問題はしっかりと行政が受け止めなければなりません。

一方、役所に対してあまりにも理不尽な要求があることも事実です。民間企業に勤めていた経験もあり、公務員とサラリーマンの立場は分かっているつもりです。職員個人の問題があることは十分に理解しています。そのうえで、組織運営の立場から、批判を覚悟して、反論したいと思います。

スポンサードリンク

公務員は融通が利かない

「公共の福祉のため、不公平があってはいけない」

それが公務員の原則です。公務員は国民一人一人のためを思って働くことに異論はありませんが、一人だけのために仕事をすることはできません。あなただけを優先することはできませんし、あなただけのために時間を費やすことは、裏を返せばあなた以外に時間を費やせないということになります。

昔は対応してくれた!それくらい融通を利かせろ!と言われても無理なものは無理です。提出期限を過ぎたもは受理できません。時代が変われば法律やルールも変わります。

1日に何人もの申請を1つも間違うことなく処理しなければなりません。大きなミスがあれば懲戒処分です。確認に時間は必要です。しかし、住民の不当要求(カスタマーハラスメント)は年々増すばかりです。

あわせて読みたい
公務員はカスタマーハラスメント(住民や議員の不当要求)の温床!事例で解説します。
公務員はカスタマーハラスメント(住民や議員の不当要求)の温床!事例で解説します。

たまに住民同士で喧嘩になる場面を見ます。公務員は反論できませんからカスハラ住民に対して怒ってくれるありがたい人もいます。その人からすればカスハラ住民のせいで業務が止まって自分の順番がこないわけですから気持ちも分かります。

公務員は税金で飯を食っているくせに

公務員の批判最多票は「公務員は税金で飯を食っているくせに」だと思います。職員の机にはペットボトルですら置いてはいけません。職員が勤務中に水を飲んでいるなんてけしからん!血税の無駄遣いだ!という苦情があるからです。

公僕の分際で!と批判された経験がない職員のほうが少ないと思います(個人的に公僕という言葉は差別的な表現だと解釈しています)。

あわせて読みたい
公務員は給料を税金からもらう公僕という批判はもう聞き飽きた
公務員は給料を税金からもらう公僕という批判はもう聞き飽きた

公務員の給料が税金から支払われていることは事実です。しかし、労働の対価として給料を受けとっているにすぎません。

公務員は何も知らない

役所に行って聞けばすべて解決すると思っている人も多くいます。公務員は全知全能の神ではありません。自分の担当業務は知らないことがほとんどです。公務員のクセにそんなことも知らないのか!と自分の無知を意気揚々と鼓舞されても困ります。公務員を批判しながら公務員に頼っている状況を理解してください。

組織運営上、何も知らない職員を窓口に配属することは避けて通れません。窓口業務については国民からのクレームがひどくサービス向上のための仕組みとして窓口業務は民間委託されており正規職員ではない場合が多いです。雇用対策(住民に仕事を与える)も役所の仕事の一環です。 民間でできることは可能な限り民間に、が今のトレンドです。

自分の問題は自分で解決してください。隣の家の人とのトラブルは役所は介入できません。解決にむけてアドバイスはできます。サポートもできます。しかし、最後は自分で解決する必要があります。

公用車で信号待ちをしているときに、突然、窓を叩いて”降りろ!”と言い、いろいろと不平不満を言うのは勝手です。無下にはしません。ちゃんと聞きます。ただ、それを言ってもあなたの現実は変わりません。自身の問題と公務員組織の問題は切り離してください。

なかには人事異動のタイミングを狙って電話してくる人もいます。異動してきて何も分からない、新規採用かもしれない職員に怒れて満足ですか。本当に困っていることを解決したいときにとる手段は本当にそれで合ってますか。

役所の窓口をたらい回しにされた

救急車で運ばれた人を受け入れてくれる搬送先が見つからず病院をたらい回しにされた!この問題と、役所の窓口のたらい回しでは事の質が違うことは理解に容易いと思います。役所で「窓口をたらいまわしにされた」の根本的な原因は、住民が窓口を間違えているからです。

マイナンバーカードの発行のために生活保護課の窓口にいっても手続きはできません。国や県が管轄している仕事に対して市に対応を求めても無理です。そんな人はいない!と思われるかもしれませんが、何も調べずに役所に来て窓口でたらい回しかと怒る人は本当に多いです。

1日何件も「それはこちらの部署ではなく・・・」と答えます。縦割り行政だ!たらい回しか!と怒る人もいますが、なぜ1階の総合案内窓口をスルーしてわざわざ5階まであがってきたのかを教えてほしいくらいです。それを聞くとバカにしているのかといわれそうで聞きませんが。

民間企業なら対応してくれる!と批判されることも多いですが、民間企業は役所より対応しません。窓口が別だったとしても別の窓口に繋いでくれて一緒に行ってくれたりはしません。

  • イオンモールで、イオンの食料品をもって服屋専門店のレジにもっていっても会計はできません。
  • トヨタ自動車の本社に車を買いにいってもカーディーラーにいかないと買えません。

事の本質は同じです。あなたの携帯電話に人違いの電話が毎日何件もあったら怒りたくもなりませんか?そもそも電話をかける相手が間違ってるのでは・・・ということを微塵もださずに、申し訳ございません、というのが公務員の仕事なわけです。

公務員組織の縦割りは無駄

縦割り組織にはメリットがあり、むしろ効率的です。縦割り行政が悪いと叩かれることも多いですが、自治体レベルの規模になれば仕方がありません。すべての業務を少ない部署で遂行することは不可能だからです。

住民票の発行、マイナンバーカードの発行、生活保護、道路工事、国・都道府県・市区町村の区分など、一人の職員がすべて理解してミスなく作業することは不可能です。しかし、住民が望んでいるのは、窓口にいけばすべて自分の望みをかなえてくれる全知全能の場所なわけです。一方が不可能なことを求めてきている時点で、ミスマッチは一生解消されません。

そもそも、縦割りは行政に限った話ではありません。民間企業でも縦割り組織は当たり前です。

企業に直接何か問い合わせるとき、「お客様お問い合わせ窓口」の人がすべて解決してはくれません。内容によって設計には設計担当、生産には生産担当、品質管理には品質管理担当というように担当部署を案内されます。企業としても教育コストが安く済みます。

とくに市役所の窓口は外部委託のうえ期限付の会計年度任用職員を雇っています。住民票、税金、生活保護といった全ての窓口業務を教えることは相当な教育コストがかかり無駄の極みです。

縦割り行政は、可能・不可能の話ではなく必然です。間違ったことを住民に回答することは、役所として絶対にあってはならないことです。住民に対し正しく平等な行政を行うため、業務を細分化するほかありません。

職員がサボっている

奥で暇そうにしている職員に対応させろ!と窓口で怒る住民がいます。窓口が混んでいて全員で対応しろと思う気持ちは理解できますが、奥にいる公務員は、窓口対応をしている職員の上司です。

窓口の職員一人ですべて事務を完結できるほど公務員の仕事は単純ではありませんし、文書を発行には必ず上司の承認決裁が必要となります。全員で窓口対応をしてしまったら申請書類を処理する段階で止まるわけですから、逆に非効率です。

窓口で問題解決するような業務であれば、職員総出で対応すべきです。しかし、そうではないから役割分担がなされているわけです。窓口の後ろにいる公務員は職務怠慢ではなく、 提出された書類の確認処理をしています。

窓口担当と上司は求められる役割が違い、当然に時間単価も違います。組織として係長や課長に事務作業をさせるよりも、もっと重要な業務をさせるほうが組織として効率的です。

行政手続きに時間がかかる

行政手続きに「ハンコを廃止」がトレンドになり、全体の99%の手続で押印が廃止される可能性もあります。ハンコが廃止されようと行政手続きに上司の承認は必須です。担当者⇒係長級⇒課長級⇒部長級と決裁をとっていくうえで、かなりの時間がかかります。

「決裁にかかる時間=住民や事業者が待たされている時間」であり、もっと早くできないのかという気持ちは分かります。

しかし、そんな簡単な話ではありません。役所が出す書類は、どんな書類であっても役所を代表した回答になります。その最高権限は首長(市であれば市長、県であれば県知事)です。首長へ都度確認をとっていてはもっと時間がかかりますから、極めて重要な仕事以外はその権限を所属長が代行し責任をもって決裁をするということになります。

首長は住民が選挙で選んだ代表者であり、裏を返せば住民全体が認めたということです。

  • 個人情報を流出させてしまった
  • 間違って違う人の財産を差し押さえた

人の人生を左右しかねないミスがあった場合、住民だけではなくマスコミや議員から総叩きにあいます。

  • どんなチェック体制をとっていたのか
  • 責任は誰にあり、どうとるのか
  • 今後の対応はどうするのか

ここぞとばかりにお役所仕事を批判されます。チェックすること自体に時間がかかることは住民サービスの低下だと主張していた人たちが、今度は、お役所仕事だ!チェック体制が甘い!という批判をするわけです。国会答弁でもよく見ますが、決裁をとった書類がなければ意図的に破棄したのではないか!なぜ許可をとっていなかったのか!となるわけです。

公務員組織は、早いことよりも間違っていないことを優先すべきです。本質は行政のミスによって被害を受ける人をなくすことで、わがままを通すことではありません。

決裁に時間がかかること自体は公務員に限った話ではありません。中小企業など同じフロアに社長がいる会社ならスピーディな決裁も可能かもしれません。しかし組織が大きくなればなるほど決裁者は増えます。社長説明のアポイントをとるだけで1か月待ちなど普通ですからね。

公務員は無能・クズしかいない

公務員は無能、公務員の仕事は誰でもできる。そう揶揄(やゆ)されたバブル時代から早いもので30年ほど経った今でも、未だに公務員は無能、クズだという人がいます。間違ってはいません。しかし、正解でもありません。

役所で働いていて、無能、クズな人間はいます。これは断言します。

  • 仕事はできない、そもそもやろうともしない、何もしない
  • 住民対応は上から目線でタメ口、苦情は上司が尻拭い

問題ばかり起こす職員がいることは事実です。しかし、職員自身に問題がある場合と組織に問題がある場合があります。

公務員試験の倍率にもよりますが、数倍、数十倍をくぐり抜けて合格を勝ち取った世代もあり、入庁時は誰しも優秀であったはずです。しかし、役所という組織に染まれば染まるほど、優秀だった人も無能になっていきます。

役所はという組織が無能な人を製造している背景は確かにあると思います。

クビにならない

公務員には懲戒免職処分(クビ)、分限免職処分(リストラ)という制度がありますが、普通に勤務している限りクビにはなりません。身分保障にあまえる公務員がいることは確かです。

仕事ができない人ほど給料が高くなる

公務員の給料は年功序列です。公務員の世界では、仕事ができない人ほど給与が高くなります。なぜなら、基本給は年功序列でも、残業代は勤務時間に比例して支給されるからです。

例えば、Aさんが1時間でできる仕事をBさんが10時間かかったとします。勤務時間が8時間だとすると、Bさんは2時間足りませんから、残業をすることになります。この場合、Bさんのほうが2時間分の残業代をもらえますから、Aさんよりも給与が高くなるわけです。

1年目がBさんで10年目がAさんということは当たり前に起こります。しかし、Aさんが3年目でBさんが20年目という事態が起きます。Bさんが標準でAさんが天才だというパターンもありますが、多くの場合はBさんが無能となるわけです。

公務員の仕事は成果主義ではありません。そのため、仕事ができる人はもっと多くの仕事をもたされ、仕事ができない人には一切の仕事をふりません。こうすることで、仕事ができる人は大変ですが、仕事のできない職員の残業代を節約でき住民苦情も減るわけですから、組織としては最善手となるわけです。

仕事ができない人は、それ相応の部署へ異動させます。モチベーションは年々下がり、無能だといわれる公務員ができあがります。

役所は雇用の受け皿でもある

役所は経済をまわす役割を担っている側面があり雇用対策として職員を採用しています。雇用対策で採用される職員の素行は必ずしもいいとは言えません。役所の不祥事ニュースを調べてみてください。どの部局の職員なのか注目してみてください。傾向が見えてくると思います。

公務員は常に批判される仕事

公務員は常に批判される仕事です。国民のサンドバッグです。公務員はいいことをしても評価されません。国民の評価は常に減点法です。公務員の世界では、どれほど有能で優秀な成果をおさめても、住民から加点されることはありません。1年間要望を受け続けてお礼の電話をいただけるのは1回くらいです。

役所が住民から苦情を受けたとき、職員がどれだけ正しくても謝ります。役所の車が役所の玄関に停まっていたという苦情を受けて玄関には車を停めるなという通達がでます。理不尽な要求に対して毅然として対応してこなかった役所自体に問題の一端はありますが、首長が選挙で選ばれるわけですから票をもっている住民に強くでられる首長は多くありません。

客観的にみて職員が正しくても、公務員である以上は謝るしかありません。反論がないということはクレームを言っている人から見ればその人の言い分が正しく、外から見ている人も同じ印象をもつと、公務員は無能となるわけです。

スポンサードリンク
ABOUT ME
こむいん
こむいん
現役の地方公務員
とある地方自治体の行政職として10年以上働いています。FIREを目指して活動中。
記事URLをコピーしました