公務員試験

公務員の内定を辞退しても再受験のときに不利にならない理由

jitchan

公務員の内定辞退はもったいなかった、内定を辞退した自治体に入庁しておけばよかった、と後悔している人も多いのではないでしょうか。勤務先の人間関係が悪い、地元に帰りたい、育児や介護のために転職せざるを得ないなど、内定を辞退したときと状況や価値観が変わることは当然にあることです

では、内定を辞退した自治体を再受験する場合、不利になるのでしょうか?結論、再受験は不利にはなりません。

公務員試験の募集要項に内定辞退者の再受験は禁止されていません。公務員試験の申し込みは自由ですが、過去の内定辞退が記録されていて門前払いになるのではないかと不安になる人も多いと思いますので、再受験が不利にならない理由を解説します。

スポンサードリンク

公務員の内定辞退率は高い

公務員試験を合格後、内定を辞退する人は少なくありません。面接では、第一志望です!と答えながら他の自治体や民間企業を併願することは就職活動の常識ですから、内定辞退は何の問題もありません。

例えば、2024年度の地方自治体の職員採用試験の内定辞退率の上位自治体を確認すると、

  1. 東京都日野市(新卒事務職)  約63%
  2. 北海道帯広市(大卒一般事務) 約55%
  3. 北海道函館市(大卒一般事務) 約52%

と、約半数が内定を辞退している状況です。

教員採用試験ではもっと顕著です。例えば、高知県の公立学校教員採用試験では、令和6年度(2024年度実施/2025年度採用)の合格者のうち約7割が内定を辞退しています。これは一般的な公務員試験の内定辞退率とは異なり、教員採用においては地方の教育委員会が合格者を確保するために予定人数より多く合格者を出すため「内定辞退率」が表面上高く見える事情はありますが。

どちらにせよ公務員の人気は年々低くなっており多くの自治体で内定辞退率は高水準となっています。現代において公務員の内定を辞退することは普通で、役所側としてはどうやって内定辞退率を低くするかが課題となっています。

内定を辞退した自治体を再受験しても不利にならない理由

再受験は不利ではありません。過去に内定を出したということは能力評価は十分だったわけですから、役所側からすれば再受験自体は嬉しい状況であって、再受験という理由で不採用になるということはありません。

ただし、筆記試験では全く問題になりませんが、以下の場合は面接時において不利になる可能性があります。

  • 内定辞退を繰り返している
  • 内定辞退をした翌年に受験する
  • 内定辞退を連絡しないなど明らかに社会人としての常識を欠いた行動をとった

過去の受験者の情報を永久に記録保存している役所はありません。しかし、内定を辞退してから1,2年後の再受験の場合は記録が残っていたり、面接官である人事課職員や幹部の管理職が在籍している可能性が高く、内定を辞退した理由を合理的に説明できなければ面接時に不利になります。

例えば、以下のように明確な理由を説明できれば問題ないでしょう。

  • 結婚や子育てで状況が変わった
  • 両親の介護の必要がなくなった
  • 大学や大学院へ進学することになった

なぜ内定を辞退したのか、その問題は解決したのか、いかに再受験理由を面接官を納得させられるかがポイントです。

国家公務員採用試験において、内定辞退に対して厳しく対処することの明言は、本音であり建前でもある理由

民間企業も国や地方自治体も優秀な人材を採用したい思いは同じです。優秀な人材は何社も内定をもらい、その中から選ぶというのは周知の事実です。そのため、多くの企業や自治体では、内定辞退を避けるため必死です。内定辞退者数をある程度想定して採用予定人数を決めるのも採用する側の能力ですが、想定通りにはなかなか進みません。

内定辞退については「人事院の国家公務員試験採用情報NAVI」にも記載があり(一部抜粋)、

採用内定は、1つの官庁からしか得ることができず、採用内定後に辞退することは、他の採用希望者に多大な迷惑をかけるとともに、採用事務に重大な支障を来すことになります。採用内定を応諾する場合には、その後に辞退することがないよう慎重に判断してください。

一見すると再受験は不利になり合格する可能性はゼロのように思えます。ただ、これは建前上の表現という側面が強く、内定辞退率を下げなければ、優秀な人材が採用できないばかりか、採用予定人数を下回ると再び採用試験を実施しなくてはいけない場合もあるためコストや仕事量が増大するため、厳しく表現されているにすぎません。内定辞退さえなければ不採用と判断した人を採用できたのに!というメリットがないわけですから、他の採用希望者の不利益になるというのは建前です。

公務員試験の面接時に不利になるケース

内定辞退をしたこととその人の能力は無関係ですから、過去に採用試験に合格している人の評価は申し分ないはずで、優秀な人材を確保したければ内定を辞退した人を採用すれば話が早いです。しかし、人は合理的な判断をしません。

”内定をけって迷惑をかけておきながら今さら再受験なんて何様のつもりだ!”という考え方をもっている人がいることは事実です。機会損失にも繋がりかねない考え方ですが、精神論や感情論で判断する人は少なくありません。そのような面接官がいた場合、面接時に不利になります。それでも、内定を辞退した理由が明確であれば何の問題もありません。

別の地方自治体への受験は全く影響がない

内定を辞退した記録は公表されません。また、役所間で情報が共有されることもありません。そのため、内定を辞退した地方自治体とは別の地方自治体を受験した場合に不利になることはありません。

仮に自治体間で共有されているのであれば、懲戒処分を受けた人が別の自治体に採用されるといったケースは存在しないはずです。わいせつ事件などを起こして懲戒処分を受けた教員が別の自治体に採用され復職後に事件を起こすケースが後を絶ちません。早く都道府県教育委員会が使う「教員免許管理システム」を改修するなど改善してほしいですが、現在はチェックすること自体が難しい状況です。

まとめ

公務員試験の内定を辞退しても再受験時に不利になる可能性は低いです。しかし、再試験時の面接官が同じ人であったり、自治体として入庁させない方針がある場合(もちろん絶対に公表されませんが)は不利になります。

そういった意味では、慣習や風習が根強い採用数の限られた田舎の自治体よりも都市部の自治体のほうが不利に働くことはないでしょう。自治体の規模が大きければ大きいほど、採用人数も多く人事を担うポストの人事異動も早いですから、平等に評価される可能性は高まります。

再受験については、常識がない、不愉快、絶対に不合格、何をいまさら、といった感情論が散見されますが、他人の感情論で再受験しない選択をすると絶対に後悔します。どうせまた辞めるんじゃないか?という理由で面接で不合格になるなら、公務員に転職できる人はこの世にいないことになりますからね。

とにもかくにも、内定を辞退するときの連絡は丁寧にしてください。民法上、内定辞退の連絡は入庁の2週間前まででよいとされていますが、入庁直前に内定辞退が分かっても人員補充のため再試験を実施できません。自治体のことを考えるなら、辞退することを決めたらすぐに連絡すべきです。

立つ鳥跡を濁さず、内定辞退でも退職時でも同じ地方自治体を再受験する可能性が少しでもあるなら好印象であるにこしたことはありません。

スポンサードリンク
ABOUT ME
こむいん
こむいん
現役の地方公務員
とある地方自治体の行政職として10年以上働いています。FIREを目指して活動中。
記事URLをコピーしました