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地方公務員がおすすめする「地方自治体の選び方」結局どこがいい?

jitchan

地方公務員になりたいけど、どの地方自治体にしようかと悩んでいる人へ、迷うなら「年収」で選ぶことをおすすめします。どこの地方自治体の公務員試験を受けようか迷っている時点で、その自治体に入りたいわけではなく地方公務員になりたいだけです。

私もそうだったので、気持ちは十分に理解できます。だからこそ、年収で決めてください。自分がやりたい仕事ではなく与えられた仕事を望むなら、時給単価が高いほうがいいに決まっています。

公務員として働くと遅かれ早かれ公務員になったことを後悔する瞬間が訪れます。その瞬間に気持ちを支えてくれるのは、良くも悪くも「お金」です。

後悔しない人はこの世にいません。いつだって隣の芝生は青く見えます。そもそも大学を卒業した、数年民間企業で働いた、それだけでは全国1,771ある地方自治体から正解を選ぶことは不可能です。

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「年収」以外はどの自治体で働こうが同じリスクを抱える

公務員試験の受験先を決めるとき、公務員試験の試験内容や過去の採用倍率から合格のしやすさを選ぶことは前提として、多くの受験者は知人の意見、SNSの声や自治体HPを検索して受験先を決めると思います。

  • 福利厚生
  • 仕事量
  • 仕事のやりがい
  • 人間関係
  • 財政状況

正直な話、役所に入ってみないと分からない要素ばかりなので考えるだけ無駄です。年収以外はどこの自治体で働こうがリスクは同じです

福利厚生は本当に充実している?

公務員は安定している、福利厚生も充実している、そんなイメージがあると思います。では、あなたが思う具体的な福利厚生とは何でしょう?

確かに、20年前は年に一度スーツが支給されたり眼鏡の補助金が出たりと今では考えられないような手厚さでした。しかし、今は違います。不景気に伴う公務員バッシングの結果、何一つ残されていません。

そもそも福利厚生が他の自治体より良い悪いを事前に調べあげる意味がありません。なぜなら、福利厚生が存在することと、福利厚生を使えるかどうかは別問題だからです。

地方公務員は年次有給休暇が1年間で20日間付与されますが、取得できなければ意味がありません。病気休職した場合のことを考えても意味がありません。

私は公務員で得をしたという経験はありません。マイホームを購入していないのでローン審査の信用度の高さを痛感したことはありませんし、休職した経験はないので制度のありがたみも分かりません。

仕事量は配属先と能力に左右される

公務員は9時5時だから定時で帰れるんでしょ?と思っている人は未だにいます。これは正解であり、不正解でもあります。忙しさは、配属された部署、配属された係によります。

どの自治体で働こうがリスクは同じです。コロナ禍のような事態になれば保健福祉関係の部署は毎日終電で休日もありませんが、同じ時期に毎日定時で帰っている部署があることも事実です。

配属先で与えられる業務分担によって仕事量は変わるので気にするだけ無駄です。同じ仕事量でも個人の能力で消費する時間は変わってきます。

地方自治体のHPに残業時間(残業代)の平均が公表されています。採用パンフレット見てください。国家公務員も地方公務員も定時で退庁している案内になっているはずです。確かに嘘ではありません。1年あれば1日くらい定時で帰れる日はあります。

霞が関で働く国家公務員のサービス残業が問題になっていますが地方公務員でも同じです。予算が足りないからと職員をただ働きさせている組織も多いです。

仕事のやりがいは配属されてから決めれば良い

仕事にやりがいを求めるのであれば役所に入庁してから見つけてください。望んだ仕事をできるのは同期で1人くらいです。

地方自治体には何千、何万の人が働いています。その部署や係の数は数え切れないほどになります。その中で自分がやりたいことをやれる確率はほとんどありません。英語ペラペラでも生活保護課に配属されるのが公務員の人事です。仮に願った仕事ができたとしても、外から見ている仕事と中でやっている仕事は全く違います。華やかに見えるのは氷山の一角です。

仕事のやりがいは、働いてから見つけることが精神的に一番楽です。その方が現実と理想のギャップに悩まなくていいからです。

人間関係は定期的にシャッフルされる

一緒に働く人との関係性は運です。この自治体は良くてあっちは悪いなんてことはなく、結局、個人によるとしか言いようがありません。どの自治体で働こうが人間関係のリスクは平等に存在します。

パワハラ野郎やセクハラ野郎にいつ会うかもわかりません。出勤はしているけど1mmも仕事をしない人のカバーをしなくてはならないかもしれません。人事異動によって定期的にシャッフルされますから、めちゃくちゃ良い人たちに囲まれて気分よく仕事ができていても翌年度にはダメダメなんてザラです。

人事異動は運です。新人の意見なんて聞いてもらえません。考えるだけ無駄です。

財政状況は表面化しない

自治体の財政状況を調べろという意見も少し無茶があります。働いている職員は内情を知っていますから、自分の働いている自治体が財政再建団体に転落するかどうかの目測はつけられます。しかし、外から見ている人は分かりません。

京都市は財政難から職員の給料カットを開始しますが、平均給料月額を他都市と比べると、全国20政令指定都市で5番目の高水準です。各種手当てを含む「給与」で比較しても10番目ですから、財政状況が悪いから給与が低いとは一概にはいえません。

給与カットされているかどうかは調べておくに越したことはありませんが採用されてから下がることも往々にしてあります。私が公務員になってからも、退職金のカット、給料の一時的カット、福利厚生もどんどん廃止か見直され、公務員になる前には想像もできなかったことが現実では行われています。

予算がないから残業代が全て支給されないなんて調べようがなく、入庁して働いてみないと分かりません。

公務員試験の試験内容や合格倍率

公務員試験の試験内容と過去の採用倍率は非常に大切な指標です。そもそも、合格しなければ意味がありません。自分が得意な科目や分野を優先すべきですし、倍率が低いほうが合格しやすいに決まっています。

その点、生まれ育った地元に貢献したい、大学で住んでいた街だから好き、など公務員試験の志望動機と面接での説明のしやすさから自治体を決める人もいると思います。

個人的には、反対です。どこで働いても公務員に対する風当たりは以前強いままです。逆に地元のほうが知り合いからあれこれ言われ大変です。公務員になりやすいかどうかでは重要な要素と言えますが、この自治体で長く働いていけるかどうかは別問題です。

自治体を決める上では、採用倍率よりも採用者数を見てください。採用者1人の自治体はやめたほうが無難です。職員1人あたりの負担が大きく休暇も取りづらいです。住民との距離も近いので、採用者数は一定あったほうがいいです。採用人数が少ない自治体は年収が低いことが多いので、基本的には選択肢から外してください。

なぜ、勤務先を「年収」で決めれば後悔しないのか

もし、今の仕事が嫌で地方自治体に転職するときはキャリアはリセットされますし、同業種からの転職でも給料は勤続年数×2/3~3/4で支給される自治体がほとんどです。公務員試験の勉強も必要で低いハードルではありません。

  • キャリアと役職がリセット
  • 給料は下がる
  • 公務員試験を再受験する必要がある

多くの社会人にとって地方自治体への転職はデメリットが多いです。転職理由は仕事のやりがいで人間関係も悪くて・・・という気持ちは分かりますが、そのリスクはどの自治体で働こうが同じです。

一方、給料が上がるとすればどうでしょう?転職したくなりませんか?

私は、ブラック企業の定義は「労働時間に応じた賃金が支給されない」ことだと思っています。月の残業時間が100時間だと過労死ラインを余裕で超えています。しかし、残業代が100万円支給されるなら、それはブラック企業とは誰も言わないでしょう。なにせ時給1万円ですから、むしろ喜んで働く人の方が多いかもしれません。

結局のところ、給料が高い自治体ほど年収というサラリーマンの転職理由の最優先事項を消すことができています。サラリーマンにとって、一番隣の芝生は青く見えるのは「年収」です。

地方自治体を「年収」で決めるときの選び方

「年収」という点に焦点を当てると、選ぶ自治体は必然的に決まってきます。

第一優先は「地域手当」です

基本給はどの自治体でも概ね同じ水準です。違うのは地域手当。東京都や特別区では20%ですから、地域手当がない自治体と比べて年収が20%も違います。超過勤務手当(残業代)や扶養手当などにも影響するため最重要です。

第二優先は「住居手当」です。

家賃補助も月給と同じです。住居手当が1万円の自治体と3万円の自治体では月給が2万円違うことと同義です。95%以上の自治体が持ち家を買うと住居手当は支給されず賃貸が対象となっています。

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平均年収ランキングをあてにしてはいけない理由

各自治体の年収を確認する際に、平均年収ランキングをあてにしてはいけません。災害対応などを理由に一時的に上位になる自治体があるからです。

結論、政令指定都市(地域手当10%以上)、特別区、中核市(地域手当10%以上)が狙い目です。公務員試験の倍率は上がりますが、価値ありです。

都道府県という選択肢もありですが、県下一律の地域手当を採用している県もあれば、異動先によって地域手当を変動する県もあるので、給料が安定しません。また、人事異動のたびに転勤、単身赴任となる環境は定年退職までかなりのデメリットです。

例えば、地域手当がない自治体で年収500万円とすれば、地域手当が20%の東京都庁で働けば年収600万円になり100万円の年収アップです。都市部に近づくほど家賃など生活費が高く結局使えるお金は変わらないこともありますから、住む場所も重要です。

「地域手当が高い=発展している都市」です。勤務する自治体に住まないといけない条件はありませんので、家賃が安い地域に住んで通勤すれば物価の影響も受けにくいです。むしろ、地域手当がない田舎にいくと車をもってないと生活できないことは普通ですから、車の維持費を考えれば都市部の自治体と差が開くこともあります。

地方自治体を選ぶ最適解は「地域手当と住居手当が高い自治体に勤め、通勤がしやすく家賃が安い自治体に住む」です。

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こむいん
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現役の地方公務員
とある地方自治体の行政職として10年以上働いています。FIREを目指して活動中。
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