現役地方公務員が出世コースの部署で昇進を諦めた理由

地方公務員は勤続10年ほど経つと出世というふるいにかけられ、昇進できる人と昇進できない人がはっきりと決まります。昇進できない側に一度でもいってしまうと逆転は見込めません。公務員の世界では昇進が早ければ早いほど次の昇進も早くなるためです。
私はアラサー中堅職員です。出世コースの部署に在籍しているにもかかわらず昇進を諦めました。
誤解があってはいけませんので申し添えますが、私は出世することを諦めたわけではありません。正しくは「出世するために仕事を頑張ることをやめた」のです
出世コースの部署に在席しているにもかかわらず出世・昇進する働き方をやめた理由
公務員が早く昇進するためには、出世しやすい部署に所属しているかどうかが最重要です。出世しやすい部署=激務ですが、そこで評価を得ることが出世への最短ルートです。激務の部署で成果をあげられたから出世するのか、出世できるような人は激務の部署に配属されるのか、順番は難しい問題ではありますが。
昇進を決めるのは一緒に仕事をしないレベルの幹部です。その幹部に近い仕事をする部署ほど有利です。
出世できる部署で頑張っていた私が出世を諦めた理由、それは出世競争ゲームに「疲れた」からです。この歳になってようやく出世すること、昇進することがゴールではないと気がつきました。
公務員としての人生設計
最初はがむしゃらに働くだけだった私も、アラサーになってから今後の公務員人生について考えるようになりました。公務員の人生設計でよく言われていることは、
- 担当者のままでその道を極めるのか
- 係長、課長、部長と昇進していって管理職として自治体を引っ張っていくのか
おおむね、この2つです。30歳前後になると、上司との人事面接では必ず「昇進したいか」と問われます。昇進したくないと答えると、なぜ?なぜ?なぜ?と詰められます。その理由は、近年、昇進したくないと考える若手職員が増えているからです。
組織ですから管理職は一定数必要です。このままでは、あまり優秀とはいえない職員しか昇進させることができず、自治体組織として立ち行かなくなる可能性があります。
公務員は65歳まで定年延長され、公務員人生も長いように思えますが、実はこのタイミングでキャリアは決まります。公務員の世界では、どれほど評価されようと成果をあげようと、担当からいっきに部長・局長級へは昇進できません。飛び級はありません。良くも悪くも、給与も階級も年功序列で、段階的に昇進する必要があります。
係長歴1年では課長にはなれません。その階級に在席する一定の年数が必要だからです。一例ですが、係長から課長にあがるためには10年の職務が、課長から部長までは8年の職務が必要だったりします。
つまり、若くして昇進すればするほど出世への道は開かれていきます。50歳で係長になっても、残り10年では部長にはなれません。なぜなら、同じ50歳の課長が順番待ちをしているためです。
昇進・出世のためにこれまでにやってきたこと
出世することは良いことばかりではありません。メリットしかないのであれば、若手職員がみんな手をあげて昇進したがるはずです。しかし、現実はそうなっていません。出世したくない理由(デメリット)があるのです。
- 昇給するが微々たるもの
- 有給休暇を取得できないほど忙しい
- 責任が重たくなる(部下のミスでも管理責任を問われ懲戒処分の対象になる)
私は年次有給休暇を使い切っている管理職と出会ったことがありません。毎日定時で帰っている管理職を見たことがありません。
それでも私は出世する人生を目指しました。私は大学を卒業し新卒で入庁、必死に仕事をやってきました。
- 係長になるべきだしなれる
- 見ている視点が人と違う
- 役所を背負う人材になれる
- 昇進させるために部署異動させない
- 昇進させるように上に言っておく
これまでに人事評価面接で言われた言葉です。昇進させるために部署異動させないなんて現役の公務員の方からすれば”あるある”ではないでしょうか。お世辞も含まれているとは思いますが、人事評価では課内トップをとったこともあります。トップではない年もありましたが、常に成績は上位でした。
係長になるのだからと背中を押され、プライベートも含めて頑張ってきました。
プライベートも職場の人と交流
私は人見知りです。仕事上は社交的にふるまっていますが、休みの日も家にいることが大好きな超インドア派の人間です。職場ではコミュニケーション能力が高いと言われていますが、人見知りは誰にも気がつかれていません。
しかし、プライベートを捨てないといけないこともあります。私の勤務する部署は土日が休みでしたから、例えばスポーツだと、
- フットサル
- テニス
- マラソン=駅伝
- ソフトボール
- 野球
- 卓球
などなど、多くの行事に若手は必ずといっていいほど誘われます。半強制です。むしろ、取りまとめ、段取りをしろと言われます。ここで断るかどうかが重要で、昇進をしたいと考えている職員で断っている人は見たことがありません。
断ったからとって仕事の評価が変わることはあってはなりません。しかし、評価をするのはもっと上の世代、プライベートも仕事の一環だと思っている世代です。飲みにケーションの世代です。その世代から一目置かれないことには出世なんてできません。
何がつらいかと言えば、飲み会がセットで付いてくるということです。朝からスポーツをして夕方から飲み会ともなると、休日まるまる1日がつぶれます。
飲み会への参加
私は、上司や同僚から誘われた飲み会を断ったことがありません。これ、何の飲み会?上司以外、誰も知らないんだけど・・・なんて日常茶飯事です。
急に”今日いける?”と言われても、笑顔で”いけます!”と答え、終電まで。お酒はあまり強くありません。全く飲めないというレベルではないですが酔っても気分が悪くなるだけなので好きでもありません。
断れば付き合いが悪いやつ認定されますから、とくに若手時代は断ることが怖くてなかなか断れません。なかには割り切って断っている人もいますが、悲しいことに、いい話は聞きません。人の評価なんてそんなものです。
新規採用職員の教育係や若手職員の指導
係長なるもの、部下を教育・指導できなくては仕事が回りません。予行演習もかねて、係長候補者のなかから若手職員の教育係が選ばれます。明らかに仕事ができない職員に新規採用職員や若手職員の教育・指導を任せることは絶対にありません。
仕事ができるだけではだめで、コミュニケーション能力がとくに求められます。新規採用・若手職員が辞めることはあってはなりません。新規採用職員に教えながら、自分の仕事を片づける、仕事量は倍増です。残業&残業の毎日。終電なんて当たり前。土日出勤も当たり前です。
ただでさえ、出世部署というものは激務です。過労死の基準である残業時間なんて”何それおいしの?”状態です。今思い返すと、あの数年間は、仕事以外に何をしたのだろうか・・・と悲しくなるときがあります。
その他
ここでは書けないことを多くやってきています。人事課から直接、研修を依頼されたり、新規採用された1年目から本来は係長級が任命される仕事も代わりやってきました。幹部たちに伝えると黙るレベルの仕事です。私の自治体では実は史上初です。(これ以上言ってしまと身バレ確実な内容ですので、これ以上はご了承ください)
係長があまりにも仕事ができない人だったときは、課長や部長のレクはすべて私が資料を作成し説明していました。
昇進したいとする職員(上司も昇進させたいとする職員)への仕事への対応は本当に全然違います。係長級の仕事ぐらいできて当然というイメージです。課長や部長のレクの資料をすべて作成し説明も私がというパターンも多々経験しています。
それは係長の仕事なんだから私はやりませんということも可能ですが、それを言ったら最後、昇進はできません。
いくら頑張っても報われないことはある
私には多くの選択肢がありました。出世を目指さず、誘いも全て断り、仕事よりもプライベートを優先することもできました。
有給休暇を取得予定でも仕事が入れば出社していましたから、結果的には有給休暇はほとんど取得できていません。脳裏には何度も選択肢としてあがりましたが、諦めずにやろうと頑張ってきました。
それでも、なお、報われないこともあります。
公務員が昇進するときの評価基準
公務員の出世は何によって決まるのでしょうか。
- 退職人数=昇進候補者人数
- 勤務評定
主にはこの2つです。勤務評定も含め、自分の力ではどうにもなりません。昇進を決めるのは一緒に仕事をしないレベルの幹部です。それに加え、公務員ですから、政治の力も働きます。幹部からすれば、自分の言う事に従順な部下のほうがいいですから。
出身大学や人事権者との関係性なども今更どうしようもないことも評価の対象です。大学人事は昔はとくにひどく、派閥に入れないため出世を諦めたベテランの方はとても多いです。(数年間、昇任者がずっと〇〇大学出身なんてこともあったとか)
キャリア官僚の学歴をみてください。ほとんど東京大学出身です。そこに京都大学や大阪大学など他大学が少し割り込める程度です。頭の良さと仕事は関係ないという人もいますが、人事においては学歴の影響は大きく、同じ大学出身でかためられた管理職に他大学が割って入ることは難しいわけです。
資格をもっていることも考慮されません。資格があれば出世しやすいことは間違いありませんが、結局はそれを含めての勤評評価です。重要度の高い資格をもっていても、評価が低ければ関係ありません。
年齢や経歴も重要です。18歳の高卒、22歳の大卒、30歳の民間採用では、同じ年数でも評価が違います。就職氷河期世代がいないため職員構成はいびつに空洞化したままです。
さらに、公務員の世界では管理職の女性割合を高める施策を打ち出していますから、男性は少し不利です。
退職者がいなければ席が空きませんので一生あがれません。また、先輩がその順番をまっているならあなたはあがれません。あなたのほうが優秀でも、先輩がいるのであれば上がりません。部署に何人も昇任候補者がいれば、その分、競争になります。一つの部署から何人も何年も昇進することはありません。それが年功序列の世界です。
部署自体が評価されていなければ昇進もできません。出世部署とは一般的に、人事、企画、財務部署です。
採用されて初めて配属される部署ですら、出世組かどうかのふるいにかけられています。実は出世競争は新規採用されたときからはじまっています。
まだまだあげればきりがないですが、一番重要なことをお伝えします。それは、すべてブラックボックスなことです。
上記の内容はあくまで机上の空論。絵に描いた餅なわけです。これまでの実績から傾向を推測し先輩や上司から聞いた実体験に基づくものですが、ブラックボックスで本当に上層部だけで決められる政治の世界なわけです。
自分の異動先が決まっていても、上のほうで直前に変更なんてこともあります。
出世レースをして感じたこと
フルマラソンは42.195kmですが、制限時間が7時間あれば、参加者のほとんど完走できます。では、ゴールは不明、制限時間は65歳で、いったいどれほどの人がゴールできるでしょうか。走り続けられるでしょうか。
公務員はどれだけ頑張っても昇進できなければ頑張っていない人と給料(年収)や待遇は同じです。
ゴールはどこでしょうか?部長になることでしょうか?課長でしょうか?それとも早期退職でしょうか?あいつに勝った、負けたを1年単位で繰り返し、定年まで走るつもりですか?
ゴールを幸福度とするのであれば、別に歩いてもいいのではないでしょうか。現役公務員が出世したいけどできなかったときのメンタルを保つ3つの方法を教えますでも書きましたが、出世にとりつかれた人生は、定年退職までずっと他人の手のひらで踊らされることになります。
国家公務員の働き方の改善状況に関するアンケートの調査結果
2020年6月19日に政府が公表したアンケートの結果によると、
昇進について、意欲があると答えた割合は、
- 男性 64.8%
- 女性 50.2%
と、男性のほうが女性よりも出世意欲が高いことが分かりました。
半分とまでは言えませんが、それでも多くの公務員が出世そのものに意欲がないことも見え隠れしています。
意欲がない理由として、「長時間勤務の常態化など仕事と家庭が両立できない職場環境」が約4割にものぼっています。
あくまでこれは国家公務員に対するのアンケートですし、
調査方法は、各府省などに勤務する約3割の職員を無作為抽出して行っていますから(約4万5千人が回答)
ある程度の偏りはあると思います。
しかし、ワークライフバランスを重視する時代になっていることは明らかです。
もう出世のためにプライベートを犠牲にしない
仕事に重きをおきすぎれば、仕事で何かあったときの精神的疲労は相当なものです。
1年間必至に頑張りアピールした結果、昇進しなければ(極端に言えば)何もやらずに寝ている職員と同じ扱いになるわけです。
昇進できないと言われたときは、クラッ・・・
いつ昇進するかもわからない、同期や後輩がどんどん昇進していく、それを何年も耐えることがあなたはできますか?
担当から係長へ昇進するときは、
- 同期より先に・・・
- 後輩よりは絶対に先に・・・
- 先輩に遅れはとらないように・・・
これを毎年くりかえし、係長になっても
今度は課長へ昇進するときは、
- 同期より先に・・・
- 後輩よりは絶対に先に・・・
- 先輩に遅れはとらないように・・・
これを定年まで続けられますか?
40歳や50歳で出世競争に敗れ、これまでの仕事しかない人生を取り戻せますか?
だから、今から心構えをしておく必要があると思うのです。
無事、昇進することができても、昇進すればするほどプライベートの時間はなくなります。
休みはないですし、責任は重い。
だから、私はプライベートの充実を図ることに決めました。
もう出世のためにプライベートを犠牲にはしません。
- 行事も参加しない
- 飲み会も参加しない
- 組合も辞める
- 無理な仕事は断る
これらをするだけで、時間とお金を簡単に生み出すことができますから。
もちろん、必要な付き合いはあると思っていますし、仲の良い人との飲み会は楽しいものですから、
何から何までしないというわけではありません。
”付き合い”でやることを辞めました。
副業だって始めています。
今の目標は、公務員の年収+副業年収=1000万円を目指したいですね。
自分が課長や部長より稼ぎがあれば、昇進なんて逆にしないほうがいいと考え方も変わるやもしれませんし。
これまで私を応援してくれた方には申し訳ないですが、私は疲れたんです。
これを定年まで続けることは、本当に仕事だけで人生が終わってしまいます。
これまで犠牲にしてきた自分の時間を取り戻すなら今しかない。
それだけです。
くれぐれも勘違いしないでいただきたいのは、仕事を疎かにするつもりは毛頭ありません。
あくまで、仕事は仕事。
全力でやります。
ただ、出世競争とは別。
私は出世するために仕事を頑張ることをやめたのです。
出世したいけど、今年もまた無理だった・・・
今年こそ・・・と思いながら仕事を頑張ってきて出世できないと分かった日には、本当にメンタルが折れそうになります。
1年であればまだしも、それが2年、3年、4年・・・と続くと、本当につらい。
できれば経験したくないことですが、公務員である以上、避けては通れません。
出世が遅れることで精神的にまいってしまわないようにするためには、
- 人と比べない
- 人の悪口を言わない
- 出世しなくてもいい環境を作る
の3つを意識することで、メンタルを保つことができます。
公務員には出世したくない人もいれば出世意欲が強い人もいる
近年、出世にメリットを感じず、出世したくないという公務員が増えています。
出世における主なデメリットとしては、
- 責任が重くなり精神的につらい
- 議員、管理職、部下から板挟みにあう
- 仕事量が増え、残業も増える
- 飲み会などの付き合いも増える
要は、精神的につらくなり、自分のプライベートの時間も削られるということです。
しかし、出世にはメリットがあることも事実です。
出世における主なメリットとしては、
- 自分の裁量の幅が増える
- 給料が上がる
- 知り合いが増えて仕事がやりやすくなる
- 部下をもつことで人として成長できる
- 上層部しか知らない情報を知れる
とくに、自分に決定権がある(要は権力を得られる)ことと、給料アップ(係長と担当はさほど変わりませんが、課長や部長まで上がれれば年収1,000万円がみえてきます)を魅力的に思う人も多いです。
とはいえ、このメリットやデメリットを押しのけて人を出世に向かわせるものは、同僚には”負けたくない”という気持ちではないでしょうか。
多くの人が高校受験や大学受験、公務員採用試験と競争してきた人生、
公務員になってからも、あいつは仕事ができる、あいるはダメだ、と競争の世界に身を置くことになりますから当然の思考です。
自分が出世しなければ、そのうち同期や後輩が上司になり、歳下の後輩に指示されて仕事をしなければいけませんからね。
出世したくてもできなかったときに精神的が壊れないようにする方法
公務員の世界もピラミッド構造ですから、出世するためには上の席が空かないといけません。
どれだけ優秀であっても、席が1つしかなければ、1人しか出世はできません。
その結果、出世したくてもできない人がうまれてしまいます。
周りからも優秀だと評価を受けていても、それ以上に優秀な人に負けてしまうわけです。
今年は無理でも、来年は絶対にあげてやる!と言われても、確証なんてありません。
そういっていた上司が異動するかもしれませんし。
私には関係がないと思っている人も多いでしょうが、この現実にいつか直面することになります。
そのときに、出世をいさぎよく諦められる人と悔しくて耐えられない人がでてきます。
大卒ストレート旧帝大出身のようなエリートコースを歩んできた人なら、人生において始めての挫折でしょうから、精神的な疲弊は相当なものになるでしょう。
この現実が突然訪れても大丈夫なように、前もって対処しておくことが大切です。
出世できなかったときの対処法①人と比べない
仕事においても、プライベートにおいても、人生において人と比べることはNGです。
人と比べることは際限がなく、幸せになれないからです。
そもそも、1年早く係長になったからといって、1年早く課長になれるとは限りません。
逆の立場で、係長になったのは自分のほうが早いが課長になるのは同期のほうが早かった
なんてことも起こりうるのが人事です。
あいつより出世が遅れた!ことを気にして定年退職まで、下手すれば一生気にするほど無駄なことはありません。
自分は自分、同期は同期、後輩は後輩です。
出世できなかったときの対処法②人の悪口を言わない
出世はブラックボックスです。
周りの評判がどれだけ悪くても、出世する人はします。
仕事ができない人も、嫌われている人も、昇格するときはします。
普段から人の批判をしていると、その人が自分より先に昇格してしまったときの劣等感に打ちのめされることになります。
悪口は自分の立場を守るために相手を落とす行為です。
なんであいつが昇格したのか意味が分からないといくら訴えようが現実は変わりません。
飲み会でも人の悪口で盛り上がることはあるでしょう。
しかし、それを本気にしてはいけません。
どれだけあなたが嫌いでも、どれだけ人としてダメでも、仕事ができなくても、出世する人はするんです。
影響することは本人の力量ではなく、
- ポストの空き
- 部署間のパワーバランス
- 管理職のパワーバランス
- 人事権をもっている人との距離感
- 政治的圧力
など、多くの要素で成り立っています。
これは、現役の公務員であればわかってもらえることと思います。
一見、何もしていないように見えて、裏でロビー活動をしている人もいるでしょう。
同僚からは嫌われていても、管理職に対して従順な犬であれば、出世は簡単です。
同僚からどう思われていようが、上のお気に入りは出世できます。
出世できなかったときの対処法③出世しなくてもいい環境を作る
出世することの最大のメリットは給料アップです。
公務員には飛び級がありませんので、係長にならなければ課長にはなれません。
課長、部長、局長と出世できれば、年収1,000万円は余裕です。
仕事の裁量が広がることもあるでしょうが、まずは金です。
出世はお金がすべてではない!と言おうが、どうしてもそこは議論からはずせません。
結論からいえば、副収入を得ましょう。
出世によって遅れた給料くらいなら副業で十分取り返せます。
公務員であってもバレないように副業することは可能です。
株式投資や不動産など、認められている副業もあります。
そんな簡単に言わないでくれよ!という人もいるでしょう。
そもそも、①人と比べないことからすれば給料で比べることはナンセンスですよね。
そんな人が見方につけるべきは「時間」です。
出世するということは、自分の時間は確実になくなります。
係長や課長で毎日定時退庁し、有給休暇もすべて取得している人を私は知りません。
聞いたこともありませんが、担当となれば別です。
特にベテランの担当者であれば、自分の好きなときに休み、好きなときに帰っています。
議会や付き合いをする必要がないからです。
会計検査や議会対応で疲弊している管理職を横目に定時ダッシュすることも可能ですからね。
要は、出世しないことで得られる時間を有効に使って、自分の人生を豊かにしておくのです。
新しい趣味を始めるもよし、挫折してやめていた趣味を再度やってみるのもいいでしょう。
そのうち楽しくなってきて、出世して自分の時間を他人にとられるのが嫌になるかもしれませんよ。
出世しない生き方でメンタルを保つ
出世は本当にブラックボックスです。
コンプライアンス違反をしまくっている人が平気で出世しますし、
パワハラで職員が退職してしまっても、その本人が出世するなんてよくあることです。
どどのつまり、人事は上層部にとって都合のいい人を上げるのであって、そこに仕事ができるできないは関係ありません。
それが嫌なら公務員を辞めるほかありません。
公務員組織においては、理不尽は当たり前の世界です。
出世にとりつかれた人生は、定年退職までずっと他人の手のひらで踊らされることになります。
係長になったらなったで、今度は課長になるスピードを競うんですか?
課長になったらなったで、部長になる速さを競うんですか?
定年退職まで誰かと競争して、気が付けば65歳という人生に何が残るのでしょうか。
出世とは、自分の時間と引き換えに、お金と権力を得ることです。
出世が人生の目的になってしまうと、つまづいたときに立てないかもしれません。
しかし、現代において一番優先されることは”自分の時間”です。
出世は運、できたらうれしいけど、できなくてもいい
案外、そう思う方が早く出世できたりするかもしれませんよ。