現役地方公務員が出世コースの部署で昇進を諦めた理由
私はアラサーの現役地方公務員です。
そんな中堅職員の私が、出世コースの部署に在籍しているにもかかわらず昇進を諦めました。
その理由、本音を打ち明けます。
なぜ、出世コースの部署に在席しているのに出世・昇進をやめたのか
簡単に言うと、出世競争ゲームに「疲れた」からです。
この歳になってようやく出世すること、昇進することがゴールではないと気が付きました。
あらかじめ断っておきますが、私は出世することを諦めたのではありません。正しくは、「出世するために仕事を頑張ることをやめた」のです。
公務員としての人生設計
30歳代ともなると必ず頭を悩ますこと、それは今後の公務員人生の過ごし方です。
公務員の人生設計でよく言われるのは、
- 担当者のままでその道を極めるのか
- 係長、課長、部長と昇進していって管理職として自治体を引っ張っていくのか
概ね、この2つです。
30歳前後からは、上司との人事面接では必ず「昇進したいか」と問われます。
昇進したくないと答えると、なぜ?なぜ?なぜ?と詰められます(笑)
その理由は、上司の人事評価に影響することはもちろんのこと、このご時世ですから、昇進したくないと考える若手職員が増えているからです。
組織ですから、管理職は一定数必要です。
しかしながら、このままいいくと、あまり優秀とはいえない職員しか昇進させることができず、いち自治体組織として立ち行かなくなる可能性がでてきます。
公務員生活は今や65歳まで定年延長され、長いように思えますが、実はこのタイミングで概ね公務員人生が決まります。
というのも、公務員の世界では、どれほど評価されようと成果をあげようと、担当からいっきに部長・局長級へは昇進できません。
飛び級はありません。
良くも悪くも、給与も階級も年功序列で、段階的に昇進する必要があります。
係長を1年だけして課長にはなれません。階級に在席する年数が必須条件だからです。
一例ですが、係長から課長にあがるためには10年の職務が、課長から部長までは8年の職務が必要だったりします。
つまり、若くして昇進すればするほど出世への道は開かれていきます。
50歳で係長になっても、部長にはなれません。
定年時には課長が精一杯です(退職間際に1階級あがる場合があります)
昇進・出世のためにこれまでにやってきたこと
出世することは良いことばかりではありません。
メリットしかないのであれば、若手職員がみんな手をあげて昇進したがるはずです。
しかし、現実はそうなっていません。
出世したくない理由(デメリット)があるのです。
- 昇給がほとんどない
- 有給休暇を取得できない
- 責任を負わされる(部下のミスでも懲戒処分の対象になる)
これらはあくまで一例ですが、係長や課長で有給休暇をすべて取得している人と出会ったことはありません。
担当と係長では給与の差はほとんどありません(部長となると話は別ですが)
それでも私はメリットを重視し、出世する人生を目指しました。
私は大学を卒業した新卒で入庁し約10年の間、必死に仕事をやってきました。
- 係長になるべき
- 見ている視点が違う
- 役所を背負う人材
- 昇進させるために部署異動させない
- 昇進させるようにうえに言う
改めて文字にしてみると、なんとも恥ずかしい・・・でも事実です。
飲み会の席や人事評価面接で言われました。
昇進させるために部署異動させないなんて現役の公務員の方からすれば”あるある”ではないでしょうか。
もちろん、お世辞も含まれているとは思います。(ほとんど?笑)
実際、人事評価では課内トップをとったこともあります。
もちろんトップではない年もありましたが、常に成績は上位でした。
また、係長になるのだからと背中を押され、え?これはさすがに係長の仕事では?と思うこともやってきました。
そんな私がこれまでやってきた主なことを紹介します。
プライベートも職場の人と交流
私は人見知りです。仕事上は社交的にふるまっていますが、家に帰るのが大好き、休みの日も家にいることが大好きです。
職場ではコミュニケーション能力が高すぎてすごいと言わるほど、人見知りは誰にも気が付かれていません。
でも本当です。
家に帰ると、どっと疲れが押し寄せてきます。だから、土日は誰とも話したくないんです。
しかし、公務員だとはいえ、プライベートを捨てないといけないこともあります。
私の勤務する部署は土日が休みでしたから、土日には、例えばスポーツでしたら
- フットサル
- テニス
- マラソン=駅伝
- ソフトボール
- 野球
- 卓球
などなど、あげればきりがないほど、ほかにもたくさんの行事が催されています。
若手は必ずといっていいほど誘われます。(若手というだけで・・・)
むしろ、取りまとめ、段取りをしろと言われます。
ここで、断れるかどうかが重要で、昇進をしたいと考えている職員で断っている人は見たことがありません。
もちろん、断ったからとって仕事の評価が変わることはあってはなりません。
しかし、評価をするのはもっと上の世代、要はプライベートも仕事の一環だと思っている世代です。
その世代から一目置かれないことには出世なんてできないのです。
何が辛いかと言えば、飲み会がセットで付いてくるということです。
朝からスポーツをして夕方から飲み会ともなると、休日の1日がつぶれますから。
飲み会への参加
私は、上司や同僚から誘われた飲み会を断ったことがありません。
これ、何の飲み会?上司以外、誰も知らないんだけど・・・なんて日常茶飯事です。
急に”今日いける?”と言われても、笑顔で”いけます!”と答え、終電まで。
私、お酒があまり強くありません。酔って騒ぐ人の気持ちが理解できないほど弱く、気分が悪くなるだけなんです。
本当に弱いんです。
でも、断れば付き合いが悪いやつ認定されますから、とくに若手時代は断ることが怖くてなかなか断れないんですよ。
なかには割り切っている人もちらほらでてきます。
悲しいことに、いい話は聞きません。そんなものです。人の評価なんて。
新規採用職員の教育係や若手職員の指導
係長になるもの、部下を教育・指導できなくては仕事が回りません。ひとつの役割です。
予行演習もかねて、係長として昇進されるかを考慮し選ばれます。
明らかに仕事ができない職員に新規採用職員や若手職員の教育・指導を任せることは絶対にありません。
また、仕事ができるだけではだめで、コミュニケーション能力が特に求められます。
新規採用・若手職員が辞めることはあってはなりませんからね。
もちろん、その分の仕事量は増えます。よもや倍増です。
新規採用職員に教えながらといっても、その仕事を教えながら片づけるのが仕事ですから。
そうなると、残業&残業の毎日です。
終電なんて当たり前。土日出勤も当たり前です。
ただでさえ、出世部署というものは激務です。
過労死の基準である残業時間なんて”何それおいしの?”状態です。
ほんと、あの数年間は、仕事以外に何をしたのだろうか・・・と思いだせば悲しくなってきます。
その他
これまでのことに当たり前じゃないかと言われるかもしれませんが、ほかにも、ここでは言えないことを多くやってきています。
人事課から直接、研修を依頼されたり、新規採用された年から係長級ですら任命されないような仕事もやってきました。
幹部たちに伝えると黙るレベルの仕事です。本当に。なにせ、史上初でしたから。
これ以上言ってしまと身バレ確実!レベルの内容ですので、これ以上はご了承ください。。。
また、係長があまりにも仕事ができない人だったときは、課長や部長のレクはすべて私が資料を作成し説明していました。
昇進したいとする職員(上司も昇進させたいとする職員)への仕事への対応は本当に全然違いますからね。
係長級の仕事ぐらいできて当然の体でうえもきます。
割り切れば、それは係長の仕事なんだから・・・って話なんですが、そういってしまうとまず昇進できません。
いくら頑張っても報われないことはある
私には、多くの選択肢がありました。
出世を目指さず、誘いも全て断ることもできたからです。
仕事よりもプライベートを優先することもできました。
有給休暇を取得予定でも仕事が入れば出社していましたから、結果的には有給休暇はほとんど取得できていません。
脳裏には何度も選択肢としてあがりましたが、諦めずにやろうと頑張ってきました。
それでも、なお、報われないこともあるのです。
公務員が昇進するときの評価基準
公務員の出世は何によって決まるのでしょうか。
- 退職人数=昇進候補者人数
- 勤務評定
主にはこの2つです。表向きは・・・
勤務評定も含め、自分の力ではどうにもなりません。評価するのは一緒に仕事をしないレベルの上司なわけですから。
それに加え、公務員ですから、政治の力も働きます。
うえからすれば、自分の言う事に従順な部下は使えますからね。
出身大学や人事権者との関係性なども今更どうしようもないことも評価の対象です。
大学人事は昔は特にひどく、それで出世を諦めたベテランの方はとても多いです。(数年間の昇任者がずっと〇〇大学出身なわけですから人事も分かりやすいことをしますよね・・・)
キャリア官僚の学歴をみてください。ほとんど東大出身です。
たまに、京大、ごくごく稀に大阪大学など他大学がはいってくる程度です。
頭の良さと仕事のできは関係ないという人もいますが、人事において学歴は大きく、
東大出身でかためられた管理職に他大学が割って入ることは難しいわけです。
資格をもっていることも考慮されません。
資格があれば出世しやすいかといわれれば、考慮はもちろんされますが、結局はそれを含めての評価です。
いくら多くの重要度の高い資格をもっていても、評価が低ければ関係ありません。
また、年齢や経歴も重要です。
18歳の高卒、22歳の大卒と、30歳の民間採用では、同じ年数でも評価が違います。また、就職氷河期世代を昇進させないと職員構成がいびつに空洞化したままです。
さらに、公務員の世界では管理職の女性割合を高める施策を打ち出していますから、男性は少し不利です。
退職者がいなければ席が空きませんので一生あがれません。
また、あがれるにしても、先輩がその順番をまっているならあなたはあがれません。
あなたのほうが優秀でも、先輩がいるのであれば上がりません。
部署に何人も昇任候補者がいれば、その分、競争になります。
一つの部署から何人も何年も昇進することはありません。
部署自体が評価されていなければ昇進もできません。
いわゆる出世部署があります。一般的には、人事、企画、総務などがあげられます。(中の人はなんとなく分かりますよね?)
私はいわゆる、出世部署といわれる部署にこれまで在席しています。
なにせ、歴代のトップが必ず配属される部署として庁内では有名です。
また、採用されて初めて配属される部署ですら、出世組かどうかのふるいにかけられています
まだまだ、あげればきりがないですが、一番重要なことをお伝えします。
それは、すべてブラックボックスなことです。
上記の内容はあくまで机上の空論。絵に描いた餅なわけです。
もちろん、私がこれまでの実績から傾向は推測し、また先輩や上司から聞いた実体験に基づくものです。
しかし、ブラックボックスで本当に上層部だけで決められる政治の世界なわけです。
自分の異動先が決まっていても、上のほうで直前に変更なんてこともあります。
出世レースをして感じたこと
フルマラソンは42.195kmですが、制限時間が7時間あれば、参加者のほとんど完走できます。
では、ゴールは不明、制限時間は65歳で、いったいどれほどの人がゴールできるでしょうか。走り続けられるでしょうか。
公務員ですから、頑張っても頑張っても昇進しなければ頑張っていない人と給料(年収)や待遇は同じなわけです。
あなたのゴールはどこでしょうか?
部長になることでしょうか?課長でしょうか?それとも早期退職でしょうか?
あいつに勝った、負けたを1年単位で繰り返し、定年まで走るつもりですか?
ゴールを幸福度とするのであれば、別に歩いてもいいのではないでしょうか。
「現役公務員が出世したいけどできなかったときのメンタルを保つ3つの方法を教えます」にも書きましたが、
出世にとりつかれた人生は、定年退職までずっと他人の手のひらで踊らされることになりますからね。
国家公務員の働き方の改善状況に関するアンケートの調査結果
2020年6月19日に政府が公表したアンケートの結果によると、
昇進について、意欲があると答えた割合は、
- 男性 64.8%
- 女性 50.2%
と、男性のほうが女性よりも出世意欲が高いことが分かりました。
半分とまでは言えませんが、それでも多くの公務員が出世そのものに意欲がないことも見え隠れしています。
意欲がない理由として、「長時間勤務の常態化など仕事と家庭が両立できない職場環境」が約4割にものぼっています。
あくまでこれは国家公務員に対するのアンケートですし、
調査方法は、各府省などに勤務する約3割の職員を無作為抽出して行っていますから(約4万5千人が回答)
ある程度の偏りはあると思います。
しかし、ワークライフバランスを重視する時代になっていることは明らかです。
もう出世のためにプライベートを犠牲にしない
仕事に重きをおきすぎれば、仕事で何かあったときの精神的疲労は相当なものです。
1年間必至に頑張りアピールした結果、昇進しなければ(極端に言えば)何もやらずに寝ている職員と同じ扱いになるわけです。
昇進できないと言われたときは、クラッ・・・
いつ昇進するかもわからない、同期や後輩がどんどん昇進していく、それを何年も耐えることがあなたはできますか?
担当から係長へ昇進するときは、
- 同期より先に・・・
- 後輩よりは絶対に先に・・・
- 先輩に遅れはとらないように・・・
これを毎年くりかえし、係長になっても
今度は課長へ昇進するときは、
- 同期より先に・・・
- 後輩よりは絶対に先に・・・
- 先輩に遅れはとらないように・・・
これを定年まで続けられますか?
40歳や50歳で出世競争に敗れ、これまでの仕事しかない人生を取り戻せますか?
だから、今から心構えをしておく必要があると思うのです。
無事、昇進することができても、昇進すればするほどプライベートの時間はなくなります。
休みはないですし、責任は重い。
だから、私はプライベートの充実を図ることに決めました。
もう出世のためにプライベートを犠牲にはしません。
- 行事も参加しない
- 飲み会も参加しない
- 組合も辞める
- 無理な仕事は断る
これらをするだけで、時間とお金を簡単に生み出すことができますから。
もちろん、必要な付き合いはあると思っていますし、仲の良い人との飲み会は楽しいものですから、
何から何までしないというわけではありません。
”付き合い”でやることを辞めました。
副業だって始めています。
今の目標は、公務員の年収+副業年収=1000万円を目指したいですね。
自分が課長や部長より稼ぎがあれば、昇進なんて逆にしないほうがいいと考え方も変わるやもしれませんし。
これまで私を応援してくれた方には申し訳ないですが、私は疲れたんです。
これを定年まで続けることは、本当に仕事だけで人生が終わってしまいます。
これまで犠牲にしてきた自分の時間を取り戻すなら今しかない。
それだけです。
くれぐれも勘違いしないでいただきたいのは、仕事を疎かにするつもりは毛頭ありません。
あくまで、仕事は仕事。
全力でやります。
ただ、出世競争とは別。
私は出世するために仕事を頑張ることをやめたのです。
出世したいけど、今年もまた無理だった・・・
今年こそ・・・と思いながら仕事を頑張ってきて出世できないと分かった日には、本当にメンタルが折れそうになります。
1年であればまだしも、それが2年、3年、4年・・・と続くと、本当につらい。
できれば経験したくないことですが、公務員である以上、避けては通れません。
出世が遅れることで精神的にまいってしまわないようにするためには、
- 人と比べない
- 人の悪口を言わない
- 出世しなくてもいい環境を作る
の3つを意識することで、メンタルを保つことができます。
公務員には出世したくない人もいれば出世意欲が強い人もいる
近年、出世にメリットを感じず、出世したくないという公務員が増えています。
出世における主なデメリットとしては、
- 責任が重くなり精神的につらい
- 議員、管理職、部下から板挟みにあう
- 仕事量が増え、残業も増える
- 飲み会などの付き合いも増える
要は、精神的につらくなり、自分のプライベートの時間も削られるということです。
しかし、出世にはメリットがあることも事実です。
出世における主なメリットとしては、
- 自分の裁量の幅が増える
- 給料が上がる
- 知り合いが増えて仕事がやりやすくなる
- 部下をもつことで人として成長できる
- 上層部しか知らない情報を知れる
とくに、自分に決定権がある(要は権力を得られる)ことと、給料アップ(係長と担当はさほど変わりませんが、課長や部長まで上がれれば年収1,000万円がみえてきます)を魅力的に思う人も多いです。
とはいえ、このメリットやデメリットを押しのけて人を出世に向かわせるものは、同僚には”負けたくない”という気持ちではないでしょうか。
多くの人が高校受験や大学受験、公務員採用試験と競争してきた人生、
公務員になってからも、あいつは仕事ができる、あいるはダメだ、と競争の世界に身を置くことになりますから当然の思考です。
自分が出世しなければ、そのうち同期や後輩が上司になり、歳下の後輩に指示されて仕事をしなければいけませんからね。
出世したくてもできなかったときに精神的が壊れないようにする方法
公務員の世界もピラミッド構造ですから、出世するためには上の席が空かないといけません。
どれだけ優秀であっても、席が1つしかなければ、1人しか出世はできません。
その結果、出世したくてもできない人がうまれてしまいます。
周りからも優秀だと評価を受けていても、それ以上に優秀な人に負けてしまうわけです。
今年は無理でも、来年は絶対にあげてやる!と言われても、確証なんてありません。
そういっていた上司が異動するかもしれませんし。
私には関係がないと思っている人も多いでしょうが、この現実にいつか直面することになります。
そのときに、出世をいさぎよく諦められる人と悔しくて耐えられない人がでてきます。
大卒ストレート旧帝大出身のようなエリートコースを歩んできた人なら、人生において始めての挫折でしょうから、精神的な疲弊は相当なものになるでしょう。
この現実が突然訪れても大丈夫なように、前もって対処しておくことが大切です。
出世できなかったときの対処法①人と比べない
仕事においても、プライベートにおいても、人生において人と比べることはNGです。
人と比べることは際限がなく、幸せになれないからです。
そもそも、1年早く係長になったからといって、1年早く課長になれるとは限りません。
逆の立場で、係長になったのは自分のほうが早いが課長になるのは同期のほうが早かった
なんてことも起こりうるのが人事です。
あいつより出世が遅れた!ことを気にして定年退職まで、下手すれば一生気にするほど無駄なことはありません。
自分は自分、同期は同期、後輩は後輩です。
出世できなかったときの対処法②人の悪口を言わない
出世はブラックボックスです。
周りの評判がどれだけ悪くても、出世する人はします。
仕事ができない人も、嫌われている人も、昇格するときはします。
普段から人の批判をしていると、その人が自分より先に昇格してしまったときの劣等感に打ちのめされることになります。
悪口は自分の立場を守るために相手を落とす行為です。
なんであいつが昇格したのか意味が分からないといくら訴えようが現実は変わりません。
飲み会でも人の悪口で盛り上がることはあるでしょう。
しかし、それを本気にしてはいけません。
どれだけあなたが嫌いでも、どれだけ人としてダメでも、仕事ができなくても、出世する人はするんです。
影響することは本人の力量ではなく、
- ポストの空き
- 部署間のパワーバランス
- 管理職のパワーバランス
- 人事権をもっている人との距離感
- 政治的圧力
など、多くの要素で成り立っています。
これは、現役の公務員であればわかってもらえることと思います。
一見、何もしていないように見えて、裏でロビー活動をしている人もいるでしょう。
同僚からは嫌われていても、管理職に対して従順な犬であれば、出世は簡単です。
同僚からどう思われていようが、上のお気に入りは出世できます。
出世できなかったときの対処法③出世しなくてもいい環境を作る
出世することの最大のメリットは給料アップです。
公務員には飛び級がありませんので、係長にならなければ課長にはなれません。
課長、部長、局長と出世できれば、年収1,000万円は余裕です。
仕事の裁量が広がることもあるでしょうが、まずは金です。
出世はお金がすべてではない!と言おうが、どうしてもそこは議論からはずせません。
結論からいえば、副収入を得ましょう。
出世によって遅れた給料くらいなら副業で十分取り返せます。
公務員であってもバレないように副業することは可能です。
株式投資や不動産など、認められている副業もあります。
そんな簡単に言わないでくれよ!という人もいるでしょう。
そもそも、①人と比べないことからすれば給料で比べることはナンセンスですよね。
そんな人が見方につけるべきは「時間」です。
出世するということは、自分の時間は確実になくなります。
係長や課長で毎日定時退庁し、有給休暇もすべて取得している人を私は知りません。
聞いたこともありませんが、担当となれば別です。
特にベテランの担当者であれば、自分の好きなときに休み、好きなときに帰っています。
議会や付き合いをする必要がないからです。
会計検査や議会対応で疲弊している管理職を横目に定時ダッシュすることも可能ですからね。
要は、出世しないことで得られる時間を有効に使って、自分の人生を豊かにしておくのです。
新しい趣味を始めるもよし、挫折してやめていた趣味を再度やってみるのもいいでしょう。
そのうち楽しくなってきて、出世して自分の時間を他人にとられるのが嫌になるかもしれませんよ。
出世しない生き方でメンタルを保つ
出世は本当にブラックボックスです。
コンプライアンス違反をしまくっている人が平気で出世しますし、
パワハラで職員が退職してしまっても、その本人が出世するなんてよくあることです。
どどのつまり、人事は上層部にとって都合のいい人を上げるのであって、そこに仕事ができるできないは関係ありません。
それが嫌なら公務員を辞めるほかありません。
公務員組織においては、理不尽は当たり前の世界です。
出世にとりつかれた人生は、定年退職までずっと他人の手のひらで踊らされることになります。
係長になったらなったで、今度は課長になるスピードを競うんですか?
課長になったらなったで、部長になる速さを競うんですか?
定年退職まで誰かと競争して、気が付けば65歳という人生に何が残るのでしょうか。
出世とは、自分の時間と引き換えに、お金と権力を得ることです。
出世が人生の目的になってしまうと、つまづいたときに立てないかもしれません。
しかし、現代において一番優先されることは”自分の時間”です。
出世は運、できたらうれしいけど、できなくてもいい
案外、そう思う方が早く出世できたりするかもしれませんよ。