公務員はお昼休憩なし?お昼時間も昼食をとりながら仕事をする理由
お昼休憩なんて自由なんだから何をしていたっていい!と思っていませんか?
そして、誰もが平等に、特に公務員なんだから、休めると思っていませんか?
あまいですよ。その考え。
公務員の世界において、実は、お昼休みは平等ではありません。
なぜなら、公務員=役所はお昼も住民対応があるからです。
人は常に来ますし、電話は常にかかってくるからです。
公務員がお昼休憩をすべて自分の時間に使うためには、勇気が必要です。
そこで、現役の地方公務員がお昼休みの実情を暴露します。
公務員のお昼の時間は各自治体によってバラバラ
役所は、9-17時と揶揄(やゆ)されることもありますが、
現実には、
- 8 時45分~17時30分
- 8時45分~17時15分
- 8時30分~17時15分
- 9時~17時30分
など、就業時間はバラバラです。
重要なことは、勤務時間です。
公務員は1日の労働時間が7時間45分と決まっています。
労働基準法第32条において、勤務時間の上限は原則、1週間40時間、1日8時間と決まっています。
そのため、この勤務時間の条件さえ守れば多少ズレていても問題ありません。
だからといってあまりにも変な時間にすると住民が混乱しますから、
昔の9時ー17時の前後で設定されていることがほとんどです。
また、お昼の休憩時間が1時間だと決まっているわけではありません。
労働基準法第34条において、休憩時間が決まっています
・労働時間が6時間を超え、8時間以下の場合は少なくとも45分
・労働時間が8時間を超える場合は、少なくとも1時間
なので、
お昼休みが1時間の自治体と
お昼休みが45分の自治体があるわけです。
(参考)厳密には公務員に労働基準法は適用されませんが、準じていることが多いため解説のため用いています
公務員のお昼休憩は職務専念義務違反にはならない
公務員は法律で労働基準が定められています。
地方公務員法第35条(職務に専念する義務)※国家公務員法101条にも同様の記載あり
職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。
要は、仕事中は仕事以外のことをしてはいけないということです。
では、お昼休憩はというと、職務専念義務には該当しません。
つまり、職員は何をしても問題ありません。
寝てても、株の取引をしても、何の罪にも問われません。
公務員の実態!みんなのお昼休憩事情
では、実際、公務員のお昼休み時間の使い方にはどんなものがあるのか。
私が知る限り、お伝えします。
まず、前提として、昼食です。
なかにはお昼を食べると眠たくなるからお昼は食べないという猛者もいますが、
ほとんどの職員が昼食はとります。
お昼ご飯をコンビニなどに買いにいって、帰ってきてから自席で食べている人は多いですね。
結婚していたり女性はお弁当を持参している人も多く、
あまり外食している人はあまりいません。
お昼はワンコイン(500円)以内に済ませるのが常識というか、暗黙のルールになっているような気がします。
月の勤務時間が20日として、1日1,000円の昼食でも2万円程度で、500円でも差は1万円なのだから、
それで幸福度が上がるのであれば別にいいのでは?と個人的には思いますが・・・
一番の理由は、外食している時間がないことだと思います。
公務員のお昼時間は自治体によって45分、最大で1時間です。
ランチタイムはただでさえ混みますし、人気の店であればもっとです。
並んでいる時間なんてありません。
だからといって、12時より前にお昼休みをとることは難しいですから、
公務員である以上、ランチタイムには出遅れるわけです。
そうなると、並ぶことは必至ですから、
コンビニで買って帰ってくるというのがベストになるわけです。
公務員の職場には、自由に休憩できるスペースはあまり多くありませんから、
自席で昼食をとる人がほとんどです。
ということで、昼食はとるとして、その後の過ごし方ですが、
だいたい3通りです。
公務員のお昼休憩事情その①外出(運動)
自由に外に出歩くパターンです。
銀行にいったり、郵便局にいったり、本屋さんにいったり、用途は様々です。
公務員も銀行や郵便局を利用するためにはお昼時間しかありませんからね。
ごくまれに、家が近いからといって、いったん帰宅する人もいます。
また、なかには、筋トレやランニング、サッカーなどの運動をしている猛者もいます。
(個人的にはお昼に運動なんて理解不能ですが、やっている人は楽しそうなので不思議です)
ベテランにもなると、勤務時間の数分前に戻ってくる人が多くなります。
公務員のお昼休憩事情その②昼寝
お昼ご飯を食べてから、即、寝ている人も多いです。
割合でいえば、部署の半分は寝ています。
ネックピローなど、快眠グッズをもってきている人も多いですね。
公務員のお昼休憩事情その③仕事
若手職員にありがちなパターンですが、ずっと仕事をしている職員もいます。
お昼は買ってきていたおにぎりだけ、みたいな。
あとは、議会や打ち合わせが長引いてしまって仕事になったパターンです。
もちろん、押した分、休憩時間も伸ばしても問題ないわけですが、
昼いちに打ち合わせがあったりすると、お昼休憩はありません。
というより、周りの空気がそうさせてくれません。
公務員のお昼休憩の問題点
役所はお昼休みだからといって、住民は考慮してくれません。
逆に、民間企業のサラリーマンからしてみれば、役所に手続きをするチャンスなわけです。
当たり前のように電話もかかってきます。
窓口対応が必須の部署であれば、お昼休憩は交代制となります。
ちゃんとローテーションを組んでくているので、平等にお昼をとれるんですよね。
しかし、窓口対応が必須ではない部署はどうなっているかというと、
職場に残っている人が対応することになります。
つまり、毎日、外に出歩いている人は、ずっと窓口対応はせず、
律儀に職場に戻ってきた人が仕事をしなければならないのです。
なら、お昼休憩の時間、どっかで暇をつぶしてよ~と考えますよね?
そうは問屋が卸してくれません。
だって、みんながそれをやってしまっては、誰一人として職場からいなくなってしまいます。
誰が対応するんですか?
電話も誰もでないんです。
あ~昼休みだからしょうがないか~なんて住民は思ってくれませんよ。
そんな事態になったら、苦情、苦情、苦情です。
もちろん、職務専念義務の適用外なわけですが、住民からすればそんな法律は関係ないですからね。
つまり、誰かは職場にいなければなりません。
で、誰が残ります?
答えは簡単、若手職員です。
これは暗黙のルールですが、若手職員がすべて対応する、
そんな風潮が公務員にはあります。
考えてもみてください。
新規採用職員がずっとどっかにいってて、その先輩たちが対応している
そんな状況が続けば、新規採用職員も薄々、気が付いてきますし
気が付かなければ遠回しに怒られるだけです。
そこで、自分を貫ける若手職員には出会ったことがありません。
また、公務員のお昼休憩事情その③仕事でも解説しましたが、
議会や打ち合わせが長引いてしまって、押した分の休憩時間は基本的にもらえません。
昼いちに打ち合わせがあったりすると、お昼休憩はありません。
例えば、お昼休憩が1時間だとして、30分押したとすれば、残りの30分で昼食をとる必要があります。
お昼の勤務時間が始まってしまえば、その30分はかえってきません。
もちろん、法的にはとる権利があります。
でも、それができないのが公務員の悲しいところです。
つまり、公務員がお昼休憩をすべて自分の時間に使うためには、勇気が必要です。
何があっても、それは組織の問題、お昼休憩は私のためだけに使います
という勇気が・・・
公務員は常に誰かに監視されている
2018年6月、神戸市水道局に勤務する64歳の男性職員が、
昼休みの3分ほど前に持ち帰り弁当を買いに行くという行為を7カ月で26回繰り返したことが原因で、
その時間分を給与に換算し、半日分の給与を減額されるという懲戒処分がありました。
これは、世間の意見も分かれましたが、厳密には職務専念義務違反であることは間違いありません。
これについて海外の反応は、
「トイレに行ったとしても許されないのか? 職場の奴隷のようだ」
「全くばかげている」
「僕も卒業後日本で働いたことがあるが、僕の人生の中で一番最悪な職場だった」
など酷評されています。
しかし、ここは日本
公務員である以上、常に誰かに見られています。
12時から打ち合わせがあるとすれば、11時から1時間のお昼休憩をとることは問題ありません。
しかし、その1時間で外出した場合はどうでしょうか。
住民は、自分の役所の勤務時間は知っていますから、おかしいと思いますよね?
そうすと、勤務時間中に職員が遊んでいたと通報が入るわけです。
役所も何の問題もないわけですから、言い返せばいいのですが、このご時世、
住民様は神様ですから、後手にまわらざるを得ません。
つまり、役所の内部的には法的にも何の問題もなくても、
外部から見たときに、疑われる行動をとらないように求められるわけです。
もちろん、それは外部だけでなく内部からも監視されています。