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【最新】公務員の夏・冬ボーナス平均支給額と支給日を解説

本記事では、2018年、2019年、2020年を比較しながら、

公務員の夏・冬ボーナス平均支給額と支給日について現役の公務員が徹底解説しています。

ボーナスの計算方法も具体例をあげていますので、参考にしてください。

※便宜上、本記事では勤勉・期末手当をボーナスとします

公務員のボーナスの支給基準

厳密に言えば、公務員にボーナスは存在しません。

公務員の場合は、

  • 期末手当
  • 勤勉手当

の合計が、民間企業に勤めるサラリーマンのボーナスと同じ意味になります。

そして、この2つの手当額は、毎年8月に人事院が出す「人事院勧告」によって決定します。

この「人事院勧告」は、「国家公務員と民間企業従業員の給与水準を均衡させる」ことを目的にしており、

端的に言えば、「公務員の給料は、民間企業で働くサラリーマンの給料と同じにしなさい」ということを決めています

国家公務員の4月分の給与と、民間企業(企業規模50人以上等の条件あり)の4月分の給与と前年8月からその年7月までに支給されたボーナスを比較し、民間の基準に合わせるよう、国家公務員給与の水準を改定、俸給制度・諸手当制度の見直しを行っています。

比較対象となる給与は、同じ条件(仕事の種類、役職段階、学歴、年齢等)の給与。

これらを人事院勧告とし、この結果をもとに給与法が改正されています。

人事院勧告では、国家公務員のボーナスだけではなく、給与も決まることになります。

公務員は、ストライキなどを実行する「争議権」が認められていない代わりに、民間企業の平均に合わせるように措置がなされるわけですね。

>>>「なぜ…公務員にボーナスの支給はおかしい!?廃止すべき?

公務員のボーナスの計算方法

ボーナスの支給額は「(給料+地域手当+扶養手当+その他手当)×支給月数」で計算することができます。

地域手当

地域手当とは、給料に0%~20%つく手当のことで、手当の額は各自治体によって異なります。

以下の表は、主な支給地域をまとめたものです。

主な地域ですので、この表に載っていない市区町もあります。

すべてを把握したい方は「地域手当一覧表(総務省)」に公表されていますので確認してください。

地域手当は最低賃金でも地域差があるように、物価に合わせて定期的に見直されています。

基本的に、都会ほど地域手当が高く、田舎ほど低くなっています。

東京都内でも自然が豊かな地区もあればビルしかないような地区もありますよね。

都道府県も一律なところと配属地域によって変動させているところがありバラバラです。

ど田舎と東京のど真ん中では家賃などの物価が全然違いますから、その調整額だと考えてください。

単純にいえば、地域手当があるとないで、月給(年収)が最大で20%違ってくるということです。

扶養手当

扶養手当は、配偶者や子供を養うための補助費用です。

  • 国家公務員は、配偶者が6,500円、子供が10,000円です
  • 東京都庁は、配偶者が5,000円、子供が10,000円です

各自治体によって手当金額が異なります。

数年前までは配偶者手当のほうが子供手当より高い傾向にありましたが、

近年では、国は配偶者の手当を下げ子供の手当を上げる方針になっており、

地方自治体も準じているかたちになります。

その他手当

  • 寒冷地手当
  • 管理職手当

などもボーナスの計算には加算されますが、

超過勤務手当(いわゆる残業代)など定例支出ではない手当は加算されません。

※一般的ではないので本記事では、以下で解説する計算ではカットしています

東京都の職員で考えるボーナスの基準額

東京都庁の職員を想定して、ボーナスを試算してみたいと思います。

ボーナスの支給額の計算方法は「(給料+地域手当+扶養手当+その他手当)×支給月数」でした。

月の給料が30万円、地域手当20%、家族構成は配偶者・子供1人だとすると、

  • 地域手当 30×0.2=6万円
  • 扶養手当 1+0.5=1.5万円
  • その他手当 0万円

を月給に加算すると、30+6+1.5=37.5万円となります。

この給与をボーナス支給月数にかければ、ボーナスの支給額となります。

2019年のボーナス支給月数は、4.5月ですから

37.5万円×4.5月=168.75万円が年間のボーナスの支給額です。

ただし、あくまで額面であり、手取りではありません。

手取りですと約2割ほど税金で引かれますから、約135万円になります。

2019年のボーナス(夏・冬)の支給月数(給料の何ヶ月分?)

以下の表は、2018年度(平成30年度)と2019年度(平成31年度=令和元年度)の国家公務員のボーナスの支給月数です。

※地方公務員は、手当の支給割合が自治体によって異なりますが、総支給月数は国に準ずるため同じです。

2019年度(平成31年度=令和元年度)は、夏・冬ともに期末・勤勉手当は同月数となっており、

  • 期末手当 1.30月
  • 勤勉手当 0.925月

と決まっており、2.225ヶ月分が夏・冬にボーナスとしてそれぞれ支給(年間で2.225×2=4.45ヶ月)される予定でした。

しかし、2019年の給与を決めるのは、2019年8月の人事院勧告で、

その勧告によれば、ボーナスは年間4.5ヶ月支給するよう勧告がなされています。

2018年度より0.05月のアップという勧告があったためです。

つまり、

  • 2018年度のボーナス支給月数 4.45月
  • 2019年度のボーナス支給月数 4.50月

となります。

2019年度は夏・冬ともに期末・勤勉手当は同月数となりますから、2.25月ずつの支給に変更となりました

しかし、夏のボーナスの2.225月は既に2019年6月に支給されてしまっていますので、4.5-2.225=2.275月が冬のボーナスになります。

ボーナスの改定があった場合、その差額の補填方法は、冬のボーナスに加算されることになります。

なお、

上記の表の「一般の職員の場合の支給月数」という前提条件ですが、

課長級以上の管理職は評価制が導入されており、実績によってこの月数が変更される制度となっているためです。

最高評価で2.5月、最低評価で2.0月といった具合ですね。

公務員は成果主義ではありませんが、人事評価によって年収が異なります。

同じ経歴、同じ年齢の同期であっても、評価によっては年収が違ってくるということです。

勤務評定は1年ごとに通知され、その結果、ボーナスや基本給が変わります。

ただし、これは自治体によるところが大きく、

自治体によっては人事評価制度を導入していないところもあります。

一方、管理職に限らず、一般職員にも評価制が導入されている自治体もあり、本当に様々です。

ボーナスは変動するが基本給は変わらないというのが標準ではあると思いますが、

今後は公務員も仕事を評価される時代になってくることは間違いありません。

2019年夏のボーナス平均支給額

2019年6月28日に支給された国家公務員の期末・勤勉手当の平均支給額(ボーナス)は、

67万9100円(内閣人事局の発表)となりました。

平均年齢は35.5歳です。

この金額は、課長級以上の管理職を除く一般行政職の金額です。

国家公務員の算定には管理職を除くことで地方公務員よりも低く見せるところがポイントです・・・

では、民間企業はというと・・・平均支給額は83万9844円(日本経済新聞社調査:上場企業など580社が対象)でした。

単純に比較すると、大きな差があるように思えますが、民間企業や地方公務員は管理職を含んだ額で公表されますので、

実は国家公務員の方が貰っている可能性も往々にしてあります。

2019年冬のボーナス平均支給額

2019年6月28日に支給された国家公務員の期末・勤勉手当の平均支給額(ボーナス)は、

68万7700円(内閣人事局の発表)となりました。

平均年齢は35歳です。

この金額は、課長級以上の管理職を除く一般行政職の金額です。

2018年度までは、夏<冬だった支給月数ですが、2019年度から、夏=冬となり、同じ支給月数となっています。

公務員は、1年に1回の昇給査定を行い、その昇給は7月の給与、ボーナスから反映されます。

同じ支給月数であれば、夏より冬のほうが基本給が高くなるため、ボーナスが多いことになります。

(参考)2018年冬のボーナス(平成30年12月期の期末・勤勉手当)の平均支給額は約71万円

2020年夏のボーナス平均支給額

国家公務員の2020年の夏のボーナス約68万100円(昨年と比べ約1,000円、率にして約0.1%上昇)です。

この金額は、課長級以上の管理職を除く一般行政職の金額です。

ボーナスが増加した理由は、2019年の法改正によって夏と冬の支給配分が見直され、夏のボーナスが0.025か月分増えたためです。

なぜ、公務員だけ?民間は苦しいのに!と思われるかもしれません。

当然、新型コロナの影響は何も民間企業に限った話ではなく、公務員にも影響があります。

しかし、それは、1年先のことです(公務員の月給やボーナスは1年前の民間企業平均額となります)。

そのため、2019年度の人事院勧告通り、2020年の夏のボーナスについては予定通り満額支給とせざるを得ません。

2020年冬のボーナス平均支給額

2020年12月10日に支給されたこ国家公務員(一般職)の冬のボーナスの平均支給額は、

65万3,600円

となりました。

昨年と比較すると、約3万4000円(約5%)の減少となっています。

この金額は、管理職を除いたものになりますから、平均年齢も34.6歳と低いです。

そもそも、2020年の公務員の年間ボーナスは、4.5月の支給予定でした。

しかし、2020年の人事院勧告(をもとにした国家公務員給与改定勧告)で4.45月となったため、

年間0.05月(金額にして約21,000円)の減額となりました。

つまり、2020年の公務員のボーナスの支給月数は、4.50月⇒4.45月となります。

ただ、既に夏のボーナスは年間4.5月を想定し半分の2.25月を支給していますから、0.05月分は冬のボーナスから減額して調整することになります。

また、ボーナスは減額されることにりましたが月給については減額なしとなっています。

2020年4月の公務員月給は「40万8868円(平均年齢43.2歳)」であり、民間企業の調査の結果、差はなかったためです。

なお、人事院勧告や給与月額決定方法の詳細は以下の記事に記載しています。

>>>「コロナの影響で公務員の給料削減やボーナス減給は決定的

2021年夏冬のボーナス平均支給額

現時点では、ボーナスの支給月数は4.45月となっています。

そのため、2021年の夏と冬のボーナスは、それぞれ2.225月の支給となります。

しかし、新型コロナの影響で2021年度の人事院勧告によって減額されることは決定的です。

夏のボーナスは人事院勧告が間に合いませんが、冬のボーナスは減額が決定しました。

>>>「コロナの影響で公務員の給料削減やボーナス減給は決定的

人事院の報告では、国家公務員の冬のボーナスは4.3カ月分(平均年齢43歳)で175万円余りになる見込みで、月給については、民間との差が19円と極めて小さいことから改定は行わないとしています。

既に夏のボーナスである2.225月は支給済ですので、4.3-2.225=2.075月分が冬のボーナスとして支給されます。

これで公務員のボーナスは2年連続で減額となりましたが、そこまでの減額ではありません。

そもそも、リーマンショック後のボーナスが年間3.9月分ですから、公務員の安定性がうかがえます。

公務員のボーナス支給日はいつ?

国家公務員と地方公務員のボーナス(期末手当、勤勉手当)の支給日は、

  • 夏   6月30日
  • 冬 12月10日

(※支給日が土曜の場合は前日の金曜日、日曜の場合は前々日の金曜)

と、法律で決められています

法律が変わらないかぎり、支給日は変更されることはありません。

2019年のボーナス支給日については、6月30日が日曜日、12月10日が火曜日ですから、

  • 夏   6月28日(金)
  • 冬 12月10日(火)

となります。

2020年のボーナス支給日については、6月30日が火曜日、12月10日が木曜日ですから、

  • 夏   6月30日(火)
  • 冬 12月10日(木)

と法律通りの日ですね。

土日は役所(というより、振り込む業務を担う銀行)が休みです。

そのため、給与やボーナスは平日に振り込まれることになります。

当該日が土日の場合は、直近の金曜日になるというわけです。

トラブルがあった場合、休みでした、対応できません、では話になりません。

車や家を買う際のローン返済にボーナスを担保にしている人も多いですから、。

年末年始にシステムのメンテナンス作業も考慮すれば、夏よりは支給日が早くなっています。

ボーナスの基準日

支給日と基準日は別物です。

基準日は、ボーナスを支給する基準を規定した日です。

要は、

  • 夏   6月1日
  • 冬 12月1日

在職する職員に対してのみ支給されます。

この基準日まで在籍していないと、基本的にはボーナスが満額支給されません。(基準日前1か月以内に退職や死亡した職員にも支給)

つまり、

  • 6月1日~12月1日までの期間にボーナス支給基準に達していれば、冬のボーナスを12月10日に満額支給
  • 12月1日~6月1日までの期間にボーナス支給基準に達していれば、夏のボーナスを6月30日に満額支給

支給基準といっても、普通に働いていれば満額支給です。

例えば、病気で入院していたり、子供を育てるために育児休暇を取得して休職していた期間などは働いていないことになりますので、その期間分のボーナスが下がります。

>>>「【公務員の育児休暇】期間中の給料やボーナスは満額支給されるの?

>>>「公務員が休職したら期間中の給与(給料やボーナス)はどうなる?

(単純にいえば)6月1日から9月30日までの3ヶ月間を休職し、10月1日から12月31日まで3ヶ月間働いたとすれば、ボーナスは半分しかもらえないということです。

公務員のボーナスはあくまで手当であり、成果ではないことが背景にあります。

新規採用職員(新卒)の最初の夏のボーナスは10万円程度、冬のボーナスは40万円程度

公務員の1年目の夏のボーナスは、満額支給されません。

4月1日に採用されてから基準日の6月1日までは2か月しか勤務していませんから当然です。

単純に計算すると、2か月/6か月=1/3になりますが、実際は1/3もでません。(支給月数は勤続日数に比例するわけではないからです)

経験からすれば、新規採用職員(新卒)の最初の夏のボーナスで10万円支給されれば平均以上です。

なお、新規採用職員でも冬のボーナスは満額支給されますので、額面で40万円程度になります。

初任給は国やどの自治体でも公表されていますから、誰でも上記の計算方法で算出することが可能です。

(余談)ひと昔前はボーナスが年に3回あった

余談ですが、公務員は3回ボーナスが貰えた時代があります。

6月、12月、3月の3回です。

とはいっても、支給回数が増えて支給割合が変わっていただけで、支給月数が増えていたわけではありません。

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