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公務員は通勤手当(交通費)を不正受給すると返納・懲戒処分は必至

公務員が通勤手当(交通費)を不正受給して懲戒処分される事例が後を絶ちません。

公務員は1円でも不正受給すれば懲戒処分は必至です。当然、不正受給したものは全額返納を求められます。

たった1円のために懲戒処分されるほどバカらしいものはありません。賢く考えて抜け道を探してグレーゾーンから得られるリターンとリスクは割に合いません。にもかかわらず、なぜこんなに通勤手当の虚偽報告が多いのでしょうか。

私が勤めていた民間企業では交通費が支給されたあとは自由、どんなルートでもいいけどこれだけしか交通費は出さないよ、という方針だったので、公務員は本当に厳しいと思います。

本記事では、通勤手当の不正受給パターンと不正受給がバレる理由を現役の公務員が解説します。

公務員の通勤手当の確認方法

職員は勤務方法を所属に提出し審査を受けなければなりません。

自宅から電車なのかバスなのか、自分の通勤したいルートを申請します。自分の希望通りの通勤ルートが許可され通勤手当が支給されるとは限りません。経済的観点から審査されますので、通勤時間が短いからといって最短ルートだからといって交通費が高くなる場合は却下されます。

審査結果をもとに、許可された通勤ルートで通勤するか、許可はされていないが自腹をきって通いたい通勤ルートで通勤するかを選択します。後者の場合、再度、通勤ルートを申請する必要があります。これは、不慮の事故が発生した場合に公務災害かどうかを判断する必要があるためです。

また、不正防止のため、年に1回程度、通勤方法の確認があります。電車で定期券利用を申請している人は所属に定期券を見せて確認してもらう必要があります。また、不正が発覚した場合など臨時で通勤方法のチェックがあります。

公務員の通勤手当の不正受給のパターン

通勤手当の不正受給パターンは数多くあります。

①通勤手段が申請と異なる

電車で通勤すると申請しておきながら車や自転車で通勤して、その交通費の差額をポッケに入れるパターンです。この虚偽報告が一番多いです。

②自宅の場所が申請と異なる

実際に居住している場所とは違う場所を申請するパターンです。引っ越ししているのに元の住居のままにしているパターンが多く、このパターンで懲戒処分された人の言い訳第一位が「変更申請を忘れていた」です。本当に忘れていた人も中にはいるかもしれませんが、それならそれで公務員失格ですね。

この場合は住居手当の不正受給にも関連しますから、合算して懲戒処分される可能性もあります。

③通勤距離をごまかす

あまりないですが、自動車利用の場合は最短距離で判断されるわけではありません。距離優先のルートだと、住宅街の抜け道を通ったり、狭い道を案内されることが多いですが、基本的には国道や県道など一般道を通るルートで判断されます。

正直、車の交通費は1kmで10円くらいなのでやるだけリスクと見合いませんが、要は、そのルートで申請しておいて、近道で通勤するパターンです。これはほとんどバレません。バレるときは交通事故を起こしてしまったときくらいです。

④その他イレギュラー(株主優待券を使用、回数券を使用など)

基本的にはパターン①と②で不正受給の9割以上を占めます。

特殊な事例として、株主優待券を使用したり回数券を使用したりして交通費がかからないように見せる方法です。

また、調査時にだけ通勤定期券を購入して、調査後に解約して差額を不正受給するというパターンも少ないですが発覚しています。

公務員の通勤手当の不正受給がバレる理由

公務員の通勤手当の不正受給がバレる理由は、多くが通報ですが自己申告も少なくありません。

①自己申告

内部調査の時に自分から申告するパターンです。本当に知らなかったというパターンと罪の意識による告白と徹底的に調べるという勤務先の方針を受けた自白と多くの背景が考えられますが、多くは懲戒処分時の情状酌量の余地があるからだと思います。

自首すれば罪が軽くなることと同義ですね。

②同僚からの通報

同僚の通報で発覚するパターンです。

車で通勤しているのに駅の改札から出てきたり、バスで通勤しているはずなのに自転車を停めているところを見られたりと、同僚に見られることで発覚するパターンです。

通常、通勤手当の申請は同僚に知られることはありません。あくまで上司を通して所属が申請しますから、知っているのは所属の上司、庶務担当、人事担当くらいです。そのため、住民からバレることはまずありません。

では、なぜバレるのか。それは二枚舌は長く続かないからですね。本来の申請方法につじつまを合わせないといけませんが、1回や2回ならまだしも年単位になってくると、ふとした拍子に「あれ?〇〇さんって電車で通っているって言ってたよね?この前、自転車を停めているのを見たよ」となるわけですね。あの時は~と言い訳できるのも数回が限度ですから、庶務担が調べるか~となってしまうわけです。

③交通事故を起こす

電車で通勤ルートを申請している人が自転車や車で事故を起こしたらおかしいですよね?交通事故を起こせば一発でバレます。

交通事故自体を報告しないという人もいますが、やめておいたほうが無難です。後でバレたら懲戒処分になる可能性が高いです。

>>「公務員が交通違反したら報告義務がある?バレたら懲戒処分される?

④調査で発覚

所属で通勤ルートの調査が定期的にあります。あまり例はないですが、このパターンで発覚するときは本人も自覚がなくやってしまった場合ですね。

本当に申請するのを忘れていた、本当に申請する必要性を把握していなかった、など落ち度がないパターンもほとんどです。

グレーゾーンもあるにはあるが懲戒処分されないとは言えない

電車で申請していても、台風や事故で電車運行が止まる日もあると思います。その時には有給休暇を取得するか、バスや自家用車で出勤することになります。もちろん、家族や同僚に勤務地まで送迎してもうこともあるでしょう。

この1日だけをとって不正受給とまでは言いませんし懲戒処分の対象にもなりません。健康のために1駅前で降りて徒歩で通勤する人も懲戒処分にはなりません。では、どこがグレーゾーンかというと、何日といった明確な線引きが決められていませんから厄介なんです。

申請ルートとは違う方法で通勤することも「たまに」なら認められるわけです。この「たまに」がグレーゾーンになります。

有給休暇を10日取得して月に10日しか出勤しない場合も考えられます。あくまでケースバイケースですが、場合によっては懲戒処分ということも考えられます。

通勤手当の不正受給がバレたら懲戒処分かつ全額返納

国家公務員の場合は人事院の規定「懲戒処分の指針について」にあるとおり、

公金公物取扱い関係(8)諸給与の違法支払・不適正受給
故意に条例等に違反して諸給与を不正に支給した職員及び故意に届出を怠り、又は虚偽の届出をするなどして諸給与を不正に受給した職員は、減給又は戒告とする。

地方公務員の場合も概ね準じることになりますが、その程度によっては停職もあり得ます。通勤手当の不正受給で懲戒免職処分までいった事例は知りませが、停職以下ならいくらでも事例はあります。

また、不正受給したお金は全額返納を求められます。法的に返納義務があるのは過去5年分ですから遡っての返金となりますが、5年を超える分についても当然に請求されます。もちろん、法的には払わないということも可能ですが、社会的な影響、懲戒処分の情状酌量、今後その職場で働くことを考慮すれば多くの公務員が返金していると思われます。

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