現役の地方公務員が実際に在宅勤務をやってみて感じた「メリット」と「デメリット」は、
- メリットは、1日に使える時間が増えること
- デメリットは、1日に使える時間が減ること
です。
通勤時間だけを考えても片道1時間であれば往復で2時間も自由な時間を使うことができますから、1日に使える時間が減る?意味不明!という人もいるでしょう。
確かに、在宅勤務によって使える時間が増えることは間違いありません。
しかし、ことはそう単純ではありません。
仕事とプライベートの切り替えがうまくできないと、在宅勤務のメリットはそのままデメリットに変わり、結果的にプライベートの時間を失うことになります。
公務員が在宅勤務で何をする?サボりと言われても仕方がない
自治体によってはサボりといわれても仕方がない状況下にあります。
出勤率を30%にするといった数値目標を重視するために、家にパソコンがない職員が在宅勤務をして何もしてないという現状は確かにあるからです。
問題点については、「公務員がテレワーク(在宅勤務)をしてわかった働き方改革が無理な根拠」で解説しています。
現役の地方公務員が在宅勤務をして分かったメリット
在宅勤務のメリットのポイントは「時間」と「ストレス」です。
1日に使える時間が増える
在宅勤務は出勤する必要がありません。
極論、始業時間にログインさえしておけば問題ありません。
片道1時間の通勤時間とすれば、往復で2時間もゆとりがでます。
着替え、化粧、髪のセットなどの時間も考えればもっとです。
ストレスが減る
仕事のストレスは、「電話が鳴らない」だけで、大きく軽減します。
住民からの電話がないというだけで、ここまで精神的に楽になるのかと、正直驚いています。
もちろん、その分、出勤している職員の負担となっていることは言うまでもありませんが、それはお互い様ですので。
現役の地方公務員が在宅勤務をして分かったデメリット
在宅勤務のデメリットのポイントは「環境整備」です。
在宅勤務手当はない
公務員には多くの手当がありますが、在宅勤務手当はありません。
- ネットの回線を引く
- パソコンを購入する
- 通話代
などは、すべて自腹です。
携帯を支給する自治体もあるようですが、それでも全員ではないようです。
通勤手当が不要となった分を還元している民間企業も一部あるようです。
家庭環境が大きく影響する
一人暮らしであれば、在宅勤務の環境は整うまでにそう時間はかからないでしょう。
しかし、
- 実家暮らしで両親や兄弟がいる
- 共働き世帯で勤務日や時間が異なる
- 子育てや介護をしている
など、自分以外の誰かがすぐ横にいる状況で仕事をするということは簡単ではありません、
個別の部屋がないと邪魔が入るわけですが、同居家族からすれば在宅勤務をしているあなたが邪魔をしていますからね。
消防士や警察官、看護士といった不規則な仕事をしている家族がいる場合、仕事から疲れて帰ってきて寝ている横で、電話でうるさくあれこれ話されてはたまったものではありません。
仕事とプライベートの切り替えがうまくできないとメリットはデメリットに変わる
これまで、在宅勤務によるメリットとデメリットを解説しましたが、メリットがデメリットに変わる可能性があります。
私が在宅勤務をして最も難しいと感じたことは「仕事がプライベートとまじること」です。
仕事がプライベートに侵食してくると、定時を過ぎたあともずっと仕事をしている感覚、脳が休まっていない感覚になります。
いくら通勤時間や準備時間が減ろうとも、プライベートで使える時間が増えなければ意味がありません。
在宅勤務をして物理的な時間は増えても、精神的な時間が増えないと意味がありません。
もちろん、始業時も同じで、起きてすぐ仕事というのは難易度がかなり高いです。
部屋着のままだと、すぐに身が入りません。
スーツに着替えたり、通勤電車に乗ったりする行動がプライベートと切り替えるスイッチになっていることを実感しています。
対策としては、
コワーキングスペースやカフェを利用し、外に出ることで仕事とプライベートを分けることが考えられます。
しかし、コロナ禍で始まったテレワークは人との接触を減らすことが目的ですから、外に出ては本末転倒。
公務員は個人情報を多く扱いますから、そういた意味でも禁止されています。
切り替えがうまくできない人にとって在宅勤務はあまり効率的だとは言えません。