公務員は高給とり
良くも悪くもそんなイメージをもっている人には申し訳ありませんが、
30歳で手取り20万円を超える公務員はほんの一部です。
よもや、普通、当たり前です。
20代のうちは、昇給すれば税金が上がり、、、を繰り返しますので、
初任給の手取りとほとんど変わりません。
そのため、若手の頃は一人暮らしがつらいほどです。
※本当は給与明細をドン!!!と示せればいいのですが、
私の勤める自治体では地域手当があり住居手当も貰っているので、
完全に晒してしまうと身バレの可能性があるので、できません(すみません)。
30歳の地方公務員は月給25万円、手取り20万円以下の現実
私の月の給与のおおよその内訳は、
- 基本給
- 地域手当
- 住居手当
となっています。
この総額は、約30万円です(いわゆる額面です)。
ここから、年金、住民税、所得税など約8万円が控除されます。
つまり、月の手取りは約22万円・・・え???
30歳で月の手取りは20万円以下と言っていたよね?あるじゃん!!
と思われた方も多いのではないでしょうか。
詳しく解説しますね。
基本給
まず、公務員の基本給は、国も地方自治体もほとんど変わりません。
東京都に勤めようが、
霞が関のキャリアであろうが、
名前も聞いたことのない田舎の自治体に勤めようが、
基本給はあまり大差ありません。
場合によっては、大都市よりも財政が豊かな都市のほうが基本給が高いことが多いくらいです。
地域手当
公務員の給与を大きく分けるのは「地域手当」です。
「【最新】公務員の夏・冬ボーナス平均支給額と支給日を解説」で詳細は解説していますが、
要は、地域手当がある自治体とない自治体で最大20%もの給与差があります。
住居手当
また、住居手当は賃貸に住んでいる場合に支給される手当です。
「公務員は持ち家を買わないほうがいい?賃貸なら住宅手当が貰える」で詳細は解説していますが、
最大で月28000円が支給されます。
これは実家から通っている場合は支給されません。
つまり、私の場合は、地域手当も住居手当も含んだ額で計算されているわけです。
地域手当も住居手当もない場合は基本給だけになります。
30歳の地方公務員の基本給は約25万円です。
これも、22歳大卒で8年間勤めた場合の基本給。
浪人や留年、民間企業からの転職となれば勤務年数が少なくなりますから、基本給は下がることになります。
そこから税金などが控除されるわけですから、手取りは確実に20万円以下となります。
地域手当がもらえる自治体は限られています。
ほとんどの公務員が地域手当がもらえない自治体に勤めているわけですから、
平均をとれば、間違いなく月の手取りは20万円を下回ります。
逆に言えば、
- 22歳大卒で8年勤める
- 地域手当がある自治体に勤務
- 住居手当が支給される自治体に勤務
これらをすべてみたして始めて、ようやく月の手取りが20万円を超えることになります。
もちろん、東京都ですと地域手当が20%もありますから条件は下がります(とはいっても物価を考えればマイナスなのかもしれませんが)。
公務員の手取り計算には、親睦会費や労働組合費が引かれている
もう少し、ツッコミます。
くれぐれも自治体によって方法や額が異なることをご了承ください。
親睦会費
公務員は、所属する部署によって「親睦会費」が月の給料から自動で引き落としされます。
私の自治体では強制です(断った人を見たことも聞いたこともありませんので断れるのかどうなのかも不明です)。
親睦会費とは、所属部署の消耗品(コーヒー代やお茶代)や歓送迎会、忘年会などのためにプールしておくお金のことです。
この費用は、コーヒーを飲まなくても、新年会に欠席しても返還されません。
ただただ損をするだけになります(個人的には返してほしい)。
その親睦会費は月に2000~3000円徴収されます。
部署によってはもっと安いこともありますが、役職が上がるにつれて徴収額もあがります。
労働組合費
また、労働組合費も同様です。
私は面倒くさいので給料から自動引き落としにしていました。
この組合費が月に4000円程度。
給料に比例して徴収されますから、新規採用時点よりもあがっています。
正直、高すぎます。
だからこそ、私は脱退したわけですが・・・
>>>「公務員は労働組合に入るメリットなし!脱退理由(デメリット)は出世もしないし組合費も高いから」
現役公務員や元公務員の手取り公表情報には注意が必要
ブログやツイッター上で、公務員の給与を暴露している人がいます。
それも、元公務員ではなく、現役の国家公務員や地方公務員の人までも・・・
その人たちが公表している年収や月給や手取り額には差があると思います。
ただ、誰かが嘘を付いているわけでも間違っているわけでもありません。
なぜなら、「手取り」という表現は、誰しも定義が異なるからです。
例えば、
- 住居手当
- 親睦会費
- 労働組合費
- 各種保険料
- 財形貯蓄
など、すべてを自動引き落としにした場合、平気で手取りは15万円をきります。
例えば、生命保険など保険料が月2万円、財形貯蓄が月5万円とすれば、
親睦会費や労働組合費を足せば月8万円にもなります。
仮に、額面が28万円だとして、税金控除が7万円とすれば、
手取り額=28-7-8=13万円
もちろん、これは極端な例です。
生命保険や財形貯蓄など、明らかに個人のさじ加減で変わるものを手取りに含めて議論するのはいかがなものかと私は思います。
ただ、ネット上ではこれらの解釈を一緒くたにして「手取り」として扱っている人が多いので注意してください。
なので、公務員の手取りが少ないといっても、
本当に少ないのか
控除額が多いのか
を適切に見極める必要があります。
初任給の手取りをこえるには約5年必要
正直、初任給の手取りを超えるには5年以上かかります。
なぜなら、転職組以外の新卒組には税金がかからないからです。
額面=手取り
のようなものなので、ほぼ満額が貰えます。
2年目は税金の3/4がかかってきますし、3年目は100%かかってきます。
そのため、1年目の手取りを超えるには5年以上かかります。
20代の公務員が給料の低さを理由に退職していく理由がここにあると思います。