技術系公務員「土木」は辛くてくきつい?転職しやすいことが最大のメリット

大学の専攻が土木の学生や、
高校を卒業してから土木に関わる仕事をしていた人にとって、
公務員になるか民間企業に就職するかは、非常に悩ましいところです。
なぜなら、公務員試験の技術採用枠のうち土木区分に限り、難易度が全然違うからです。
詳細は「公務員(技術職)試験の難易度は、土木<<<その他!文系でもなれます」に書きましたが、
技術系公務員は事務職に比べて採用枠が少なくなかなか採用されませんが、じつは土木だけは別なのです。
道路や河川などのインフラはなくてはならないものですから、一定枠は必要です。
にもかかわらず、土木は未だ3K「きつい」「汚い」「危険」で人気がなく、
超高齢化が止まる気配はありません。
しかし、逆に言えば、今や土木は高給です。
東京オリンピックや大阪万博を控え、ますますその需要は高まってくでしょう。
だからこそ、民間企業にいくか、公務員になるかが難しい。
現役の地方公務員の私が思う、土木を専攻している人の最適な人生のルートは、
- 20代は大手ゼネコン等でバリバリ働いて、お金を稼ぐ
- 30代に公務員へ転職し、お金よりも時間を得る
これです。
わかりやすく解説します。
民間と公務員、どちらに就職するのか、その判断基準になれば幸いです。
民間企業で働きながら公務員への転職は難しいのか
公務員試験は、
自治体によって受験できる年齢制限や受験条件も変わってきますが、
大きくわけると
- 一般試験:大学生4年生や既卒者が多く受験(年齢制限は29歳以下)
- 経験者採用試験:一定の年齢を超えた社会人が受験(年齢制限は30歳~上限まで)
の2つにわかれています。
公務員試験を受験するにあたっては、年齢制限があることが厄介です。
公務員になろうかと悩んでいる間に年齢は上がっていき、
気が付けば社会人枠しかない、なんてこともよくあることです。
公務員試験においては、特別な技能や経験がある場合を除き、
基本的に年齢が高ければ高いほど不利です。
公務員になりたいと漠然と考えるのではなく、
- 教員になりたい
- 公安系の公務員(警察官、消防士、自衛官)
- 国、都道府県、市役所に勤めたい
など、なりたい公務員を明確にすることが必要です。
また、試験の内容も
- 筆記
- グループ討論
- 小論文
- プレゼン
- 面接
など、内定までが自治体によって本当にバラバラです。
面接だけが試験の自治体もありますから、自分に合った試験内容から探してみるのもありでしょう。
さらに試験の回数分、有給休暇を取得する必要があります。
筆記試験があるところは休日が試験日に設定されていることが多いですが、面接などは平日も関係ありません。
平日で休めないとなってもある程度の融通は聞くはずです。
試験期間内であれば、特に社会人枠であれば事情を汲んでくれる可能性が高いです。
あとは、単純に勉強にどれだけ時間をさけるか。
通勤時間、昼休み、仕事が終わってからと社会人であれば合間合間を縫って勉強するしかありません。
だからといって、採用試験に面接しかない自治体を受験することを念頭に置いてしまうと危険です。
みんな考えることは同じですから。
筆記試験がある方が一見するとつらいように思えますが、働きながら試験勉強ができる人は限られます。
その中で突出することはそう難しいことではありせんが、面接だけの試験はそうはいきません。
志望動機だけを明確にしておく必要がありますから、
「公務員試験の志望動機がない人へ!例文通りはリスク、本音を言うべき理由」
の記事を参考にしてください。
公務員から民間企業への転職は難しいのか
民間企業から公務員へ転職する場合と違い、難易度は高くなります。
なぜなら、公務員(自治体職員)から民間企業への転職の場合、
「公務員ですら務まらなかった人間」というレッテルをはねのける必要があり、
民間から公務員へ転勤するよりも難しいのではないかと思います。
公務員の評価は、どんだけ忙しくとも世間一般では「楽な仕事」なのです。
まだ年齢が若ければ、企業でこんなことをしたいんだと語れば、公務員になれるほど優秀な人材と受け取ってくれるかもしれません。
しかし、長期間公務員をしていると、「公務員ですら務まらなかった人間」という評価をされてしまいます。
公務員の給料や退職金は基本的に年功序列、歳を重ねるごとに辞めにくくなります。
動くなら若いうちでないと、公務員の世界に慣れてしまい、メンタル的に転職は難しい。
また、公務員を辞めることは、家族など周囲の人は間違いなく反対するでしょう。
なかなか賛同はしてくれませんので、それを押し切る覚悟も必要です。
公務員に転職したのは失敗だった・・・正直、後悔している人が多い?
公務員の業務量は配属される部署によって本当に違います。
毎日終電の部署もあれば定時の部署もある、それが公務員です。
民間経験者が実際に公務員として採用され、「働いてみたら、やっぱり公務員は楽だ」というよく耳にしますが、
その人は公務員になって何年目なのかが疑問で仕方がありません。
まず、10年目の人がそのような発言は絶対にしません。
このような発言をする人は、絶対に転職してすぐの人です。
「民間企業経験者枠で公務員に転職した人が注意したい嫌われる3つの言動」にも書きましたが、
とくに採用されてからすぐの言動には注意してくださいね。
さて、公務員も民間企業も同じだと思いますが、
新人とベテランが全く同じレベルの仕事をすることはありません。
たとえ民間経験があって、新卒と扱いは同じです。
勤務経験の長い、公務員歴が長い人が難しい仕事をして、新人が雑務など簡単な仕事をします。
なので、民間企業から公務員へ転職した年数の浅い人が、公務員の仕事は楽だというのはある意味当たり前。
ただ、仕事量でいえば、民間のほうが辛いと思います。
東京オリンピック需要もあり、今、建設業はバブルです。
また、業界は超高齢化が進み、成り手がいません。
つまり、需要と供給のバランスから仕事量は膨大だが人手が足りないのです。
給料を上げて対策してもその傾向は変わりません。
私の周りで民間企業から転職してきた方々は「家族との時間を大切にしたかった」と口をそろえて言います。
この理由以外、聞いたことがありません。
モチベーションの維持
民間企業では、自分の成果が評価されたと思います。
しかし、公務員は成績が給料に反映されてボーナスが!なんてことにはなりません。
あなたがどんなに頑張っても、横でパソコンの文字入力ですらできない人人の半分以下の給料で働かなくてはなりません。
能力があって資格をもっていても関係ありませんし、自分がやろうとしても上司がダメと言えば終了です。
画期的なアイデアも法律的にどうかな?とか前例がないか難しいな、とかで採用されません。
自分は何のために誰のために仕事をやっているのだろう?
この疑問を抱くようになると、精神的に危ないです。
実は、公務員に「うつ病」を患う人は多いです。
>>>「実は多い公務員のうつ病。休職⇒復職⇒異動⇒退職(クビ?)の可能性が高い」
私の隣の課では、
ゴリゴリの大手ゼネコンで働いていた民間採用者がたった3か月で休職しています。
それも2名・・・まだ試用期間なので、最悪クビの可能性もあります。
体力よりも精神的に弱ると、人は簡単にダメになります。
公務員だから楽だという考え方は捨ててください。
特殊な精神力が必要
公務員の敵は、パワハラ上司だけではありません。
今や地元住民は王様です。
できる限り拘わらないようにするためには、地方公務員より国家公務員を目指してください。
ところで、あなたは年何回役所に行きますか?
おそらく平均すれば年1回もないはずです。
しかし、来るんですよ。
公務員を大好きな地元住民が。
苦情、苦情、苦情です。
自分がやったことではなくても公務員という枠でひとくくりにされ罵倒されます。
少しでも反論しようものなら、懲戒処分になります。
下手をすれば実名で新聞やテレビに公表されます。
それがわかっているから、市民も態度を崩しません。
サンドバッグ状態。
関係のない苦情電話をきってもいいんですよ。
ただ、それが切れないです。
なんせ、相手は王様、市民ですから。
あなたがいくら正しくても、市民がおかしければそこで試合終了です。
王様の言うことは?
絶対!
の世界です。
その人たちの相手を毎日しなければなりません。
苦情を言われようものなら評価が下がり出世はできません。
言われないようには市民に媚びへつらうしかありません。
民間企業であれば、苦情を受ける部署がありますが、公務員にはありませんから。
このつらさに耐えきれない人が多いのです。
特に土木職は大変です。
なぜなら、インフラの管理業務が主な仕事になります。
外に出れば、道があって川があって公園があります。
住民が目を開ければ見えるもののほとんどを管理していますから、当然、要望や苦情はほかの職業を超えますから。
もちろん、極端な言い方をしていますが、事実は小説より奇なりです。
給料
公務員は高給取りだと非難されます。
確かに、アルバイトやフリーターから比べればそうなのでしょうが、大企業からすれば可哀そうなほどしかもらっていません。
30歳で手取り20万円以下なんて当たり前ですから。
>>>「公務員の手取りは少ない?30歳で20万円以下は当たり前で初任給をこえるには5年必要です」
今のご時世、公務員になる人はそれなりの経験と学を積んできた人だと私は思っています。
その人の周りが会社名もわからないような会社に就職するわけないんです。
しかし、世間の目は違います。
公務員なんて誰でもできる仕事なんだから最低賃金でいいだという声が多数ですからね。
攻める箇所が見当たらなければ、伝家の宝刀「俺たちの税金で飯を食いやがって」がさく裂します。
そういわれても耐えるしかないのが今の公務員です。
>>>「公務員は給料を税金からもらう公僕という批判はもう聞き飽きた」
私は、自分の勤めている市役所とは別の市に住んでいたことがあります。
理由は単純、市民に会うのが嫌だからです。
なんでプライベートまで監視されなきゃいけないんだと、少し自意識過剰かもしれません。
しかし、勤務先の市内に住んでいる人の多いこと多いこと。
こんな公務員叩きの時世になることを想定できてない時代ですから年配の方は致し方ないですが、若手が住んでいるとびっくりしますね。
なお、基本的に民間企業からの転職で不利になることはありません。
>>>「民間から公務員に転職しても新卒と給料や待遇はかわらない?」
前職が全く公務員と関係ない場合は給与は減りますが。
「土木」の最適な人生ルート
私が思う、土木を専攻している人の最適な人生のルートは、
- 20代は大手ゼネコン等でバリバリ働いて、お金を稼ぐ
- 30代に公務員へ転職し、お金よりも時間を得る
これです。
新卒カードを公務員に使うのは少し勿体ないと思います。
なぜなら、どこの役所も土木職の公務員試験の倍率は2倍~3倍程度だからです。
>>>「公務員(技術職)試験の難易度は、土木<<<その他!文系でもなれます」
つまり、単純に、公務員⇒民間よりも民間⇒公務員のほうがなりやすいということです。
また、30代で公務員になっても出世できないのでは?と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
むしろ、必要とされる人材です。
私の勤める自治体では、民間企業からの転職組のほうが早く出世しています。
>>>「現役地方公務員が出世コースの部署で昇進を諦めた理由」
公務員は勤続年数も重要ですが、年齢も重視しますからね。
なんにせよ、いま土木はボーナスタイム。
どちらから転職するにしても最大のメリットはその転職のしやすさです。