公務員だけど副業で稼ぎたい!
でも、”公務員は副業禁止”だし・・・
そう思い込んでいる人は多いのではないでしょうか。
確かに、現役の公務員が無許可で副業していたとして懲戒処分されている事例は数え切れません。
しかし、”公務員の副業禁止”はあまりに極論。
法律や制度を正しく理解すれば、公務員でも副業は可能だとわかるはずです。
実際に、私は現役地方公務員ですが副業で稼ぐことができています。
周りのなんとなくの声に流されて、副業で稼ぐことをあきらめてしまうのはもったいない。
本記事は、公務員の副業のすべてを理解できるよう徹底解説しています。
公務員の副業は原則禁止、つまり例外はある
公務員が副業することは”原則”禁止されています。
その根拠は、国家・地方公務員法に明記されています。
>>>「公務員の副業禁止理由は法律で規定!罰則や処分はある?」
しかし、裏を返せば、”原則”なわけですから、”例外”があるということ。
公務員の副業が100%禁止されているなら、わざわざ”原則”という表現はしませんよね。
この事実を知らず(調べず)に、公務員=副業禁止と思いこんでいる人が多いです。
(公務員を批判したい人からすれば好都合なので、”あえて”知っていても知らないことにしている可能性もありますが)
悲しいことに、現役の公務員ですら副業をしてもいい事実を知りません。
この事実を知っているか知らないかは大きな差です。
なぜなら、知っている人の中には既に副業をしていて、給料のほかに副収入を得ている人もいるわけですから。
公務員ができる副業とできない副業
まず、公務員が”できる副業”と”できない副業”を簡単に整理します。
公務員の副業については、
- 許可を得なくてもできる副業
- 許可を得ればできる副業
- 許可を得ることができない副業
- 現時点ではグレーな副業
この4つにわけることができます。
1.許可を得なくても合法的にできる副業
公務員の副業はすべて禁止されているわけではありません。
誰でも合法的にやってもいい副業について解説します。
具体的には、
- 株式投資
- FX
- 仮想通貨(暗号資産)
- 小規模な不動産賃貸
- 小規模な農業
この5つです。
公営ギャンブル(競馬、競艇、競輪、オートレース)、宝くじ、パチンコも問題ありません。
ギャンブルなんて・・・
と敬遠している人に多いのですが、人生自体がギャンブルの連続ですからね。
>>>「【人生はギャンブルの連続】家、車、生命保険、株式投資は同じ」
これらに共通することは、
その行為によって”損をする可能性が高い”ものは合法的に副業可能だという点です。
世知辛いことですが、公務員においては、絶対に得をする副業については認められていません。
具体的に解説します。
株式投資、FX、仮想通貨(暗号資産)
公務員でも、株式投資は自由にして問題ありません。
職務上知り得た情報をもとに株取引をするインサイダー取引は逮捕されますので絶対にやってはいけません。
>>>「公務員は株取引禁止?ばれた結果、懲戒処分となった事例」
当然のことですが、勤務時間中に株取引をした場合は懲戒処分となります。
株をやりたいと思って、数年が経過している人も多いと思いますが(私もそうでした)
株を始めるタイミングは今です。
>>>「株を始めるタイミングは今しかない!悪いも良いも迷う意味はない」
決して、今すぐに株を買え!と言っているわけではありません。
準備をしておくことで、チャンスを逃さないことが重要だという趣旨です。
株式投資を主に解説していますが、FXや仮想通貨においても同様です。
公務員でも自由にやってOKです。
小規模な農業
基本的に、営利目的でなければ副業にはあたりません。
自家栽培など個人で消費するもの、つまり小規模なものについては違法ではありません。
しかし、農業であればすべてが認められるものではありません。
詳細な基準については「公務員が副業で農業収入を得ても問題なし!ただ、おすすめしません」に書きましたが、
農業は法的にも制限が厳しく、村社会なところもあるのでおすすめしません。
特に都市部の公務員であれば、農業ができるような土地は郊外にしかありませんし、
天候にも大きく左右されることから、効率的な面からも副業としてはおすすめできません。
2.許可を得ればできる副業
許可を得れば可能な副業について解説します。
逆に言えば、許可を得ていなければ違法となる副業になります。
具体的には、
- 講演、講師
- 執筆活動
- 同人活動
- 家業の手伝い
この4つです。
この4つは、勤務する自治体で許可が下りれば、副業可能です。
気を付けなければならないことは、得られる報酬が常識の範囲内であることが許可の条件となっています。
例えば、
9時から17時まで講師をした報酬が100万円だった場合、
明らかに異常な報酬と判断され、懲戒処分の対象となります。
あくまで常識の範囲内の報酬が前提だからです。
講師の場合は、日当1万円+交通費が認められるボーダーラインになります。
3.許可を得ることができない副業
申請しても許可が得られない副業があります。
厳密には、国家公務員法や地方公務員法に規定されている副業禁止項目に該当するものになります。
例えば、コンビニのアルバイト
コンビニのアルバイトは時給で報酬が支払われますから、労働に対して確実な成果報酬があるものは違法になります。
このような副業は申請しても許可されません。
そのため、申請しない人が多く、
副業をしていることがバレて懲戒処分になっている事例のほとんどがこのパターンです。
4.現時点ではグレーな副業
現時点では、違法とも合法ともとれる副業を解説します。
具体的には、
- メルカリなどフリマアプリでの転売(せどり)
- アフィリエイト
- ブログ
- YouTube
大きく分ければこの4つです。
アフィリエイト、ブログ、ユーチューブについては、これまで懲戒処分を受けた事例がありません。
今後、明確な指針が示されて懲戒処分の対象となる可能性もありますが、現時点ではグレー。
つまり、違法とも合法とも言えない状況です。
しかしながら、疑わしきは罰せず、グレーはホワイトともいえます。
この法律のすきまこそ、わたしたち公務員が狙うべき副業です。
>>>「【決定版】公務員の副業が合法か違法かグレーかの基準」
では、具体的に解説します。
メルカリなどフリマアプリでの転売(せどり)
メルカリなどで不要なものを処分することについては許可不要ですし、確定申告も不要です。
引っ越しなどで処分する場合は問題ありませんが、
本業の収入を超えるなど、明らかに商売目的の転売とみなされると懲戒処分の対象です。
せどりは身にあるものから始めることができ、安く買って高く売る、非常にシンプルなビジネスモデルです。
しかし、商売ともなると仕入れが必要になり、
初期投資費用もかかり在庫を抱えて借金を背負う可能性もあります。
まずは、身の回りの品をメルカリなどで売ってみて、
そこで自分のセンス(適正)を見てみることが重要だと思います。
アフィリエイト
公務員が副業をするうえで、一番リスクがないのはアフィリエイトだと思います。
それは、まずバレないこと
また、万が一、バレてもクビにまではならないことです(後述)。
>>>「公務員の副業はアフィリエイト一択!収入を得て処分された事例なし」
注意点は、信用失墜行為に該当しないジャンルで稼ぐことです。
その点において、少し制限はあります。
また、クラウドワークスなどで第三者に委託して運営するのは避けた方が無難です。
契約記録が残り、明らかな営利目的だとみなされる可能性があることから、
副業がバレたときに懲戒処分となる可能性が高くなります。
ブログ
本記事では、グーグルアドセンスなどの広告費で稼ぐことをブログと定義しています。
構造としては、アフィリエイトもアフィリエイトブログです。
詳細は「公務員が副業でブログ収入を得ることは禁止?ばれるの?」に書きましたが、
ブログは副業として始めるには最適です。
ただ、広告費だけで月に1万円稼ぐことは少しハードルが高く、
大きく稼ぐことを視野に入れるのであればアフィリエイトをおすすめします。
もちろん、ブログはネット副業の基礎ですから、
まずはブログから始めてみてはどうでしょうか。
YouTube
YouTubeで稼ぐことは、アフィリエイトやブログよりバレたときのリスクは高くなります。
公務員の場合、収入を1円も得ていなくとも、投稿した動画に信用失墜行為があれば処分の対象です。
詳細については以下の記事に書きましが、
>>>「公務員がyoutuberになって副業(広告収入)をしたら違法?」
YouTubeは、バレないように副業をするという点において動画はかなりの制限があり、
声や顔を出せない公務員は不利になります。
とはいえ、当たると一発逆転があるのがユーチューブ。
動画編集の技術力を身につければ、将来的に動画編集で稼ぐことも可能ですから、
副業としてはおすすめです。
公務員の副業解禁の動き
近年、副業解禁の動きは加速しています。
こと、公務員においても、これまで認められなかった副業も許可されるようになってきています。
>>>「公務員の副業解禁はいつ?どこまでが禁止ではなく許可制なの?」
神戸市は全国に先駆けて、NPO法人や非政府組織(NGO)などの「公益的活動」を目的とする活動について、
許可(解禁)していています。
神戸市以外にも同様に解禁している地方自治体も増えてきています。
しかし、公益的な活動の許可については全国一律ではなく、自治体によっては認められていないので注意が必要です。
公務員の副業は解禁の動き、許可の範囲と例外
公務員の副業について、ポイントは「許可」
許可を得るとは、国や地方自治体のトップの承認が必要だということです。
(といっても、本当に知事や市長が許可をするのではなく人事部局が判断するわけですが)
その許可の範囲にと例外については
>>>「公務員の副業はどこまで許可されているのか?範囲と例外を調査」
の記事で詳しくまとめています。
副業をバレずにやる方法
バレなければ何をやってもいいわけではありませんが、バレないにこしたことはありません。
とはいえ、100%バレないようにすることできません。
では、そうすれば、バレる可能性をできる限り低くできるのか。
「現役公務員がおすすめする副業してもバレない方法」に詳細を書いていますが、
- 人に言わない
- 表にでない
- 情報を与えない
の3点を守りきることです。
要は、仮にバレても100%自分がやったという証拠を役所に与えていなければ処分されることはありません。
役所は、100%確定しないことに処分はだせません。
副業がバレたらどうなるのか
職場に許可を得ずに副業をしていたことがバレた場合にどうなるのか。
全国の懲戒処分事例を紹介します。
>>>「公務員の副業がばれるとどうなる?懲戒処分された最新事例を紹介」
※処分規定は国や地方自治体ごとで違います
副業しているだけでは懲戒免職処分にはならない
現役の公務員のみなさん、
自身の自治体の懲戒処分規定をじっくり読んだことはありますか?
ないなら一度、よく読んでみてください。
許可を得ない副業で懲戒免職処分とまで規定している自治体はないはずです。
副業をしていたことが見つかる分にはクビにはなりません。
懲戒免職処分までになるには、
- 副業収入が本業を超えていた
- 常習性があった
- 信用失墜行為があった
など、副業をしていたことにプラスして理由があるわけです。
現役の地方公務員が副業をした結果
私は、一番リスクのない副業はブログだと判断しました。
ブログを始めたことで、結果的に本業でも高評価を受け、人事評価では課内トップです。
>>>「現役地方公務員が副業でブログを始めたら最高の人事評価を受け給料とボーナスが上がった話」
(もちろん、他の要因もあるとは思います)
ブログで稼ぐことは簡単なことではありません。
月に5,000円以上稼げている人は全体の半数にも満たないからです。
これらの調査には副業をしていない人は含まれていませんので、全体数から見れば相当な割合になります。
月に1万円・・・と聞いて、
時間の無駄、それなら他のことをやるね!
という意見もあることと思います。
しかし、月に1万円でも副業で稼ぐことができれば、副業の世界で、
公務員の世界では圧倒的な勝ち組になれます。
>>>「公務員は副業収入で月1万円稼ぐことができれば勝ち組です」
月に1万円の副収入があれば、
毎日コンビニでスイーツを買えたり、
いつものワンコインを1,000円ランチしたり、
日々の幸福度を上げることができます。
将来のために貯金や投資をするのもいいですね。
公務員が副業をして稼ぐことが難しい理由
副業で稼ぐことは簡単なことではありません。
コンビニのアルバイトのような労働と報酬の対価が決まっているものであれば簡単な話ですが、
公務員はそのような副業は禁止されています。
対価が必ずしもない、場合によっては損をするような副業において、
何百時間をかけても稼げない人は稼げないからです。
こと、公務員においては、もっと稼ぐことは難しいと思います。
その理由は「公務員が副業で稼げない理由は法的にアウトなことだけではない」に書きましたが、
誰が何と言おうと、公務員という職業としては安定しています。
安定して給料がもらえるからこそ、副業で稼ぐことは難しくなります。
まとめ
公務員の副業について、たとえ合法だとしてもリスクがないとはいえません。
特に公務員の世界は同調圧力が強く、副収入を得ていることが分かれば、それだけで人事評価が下がる可能性もあります。
なので、公務員として生涯を終えるつもりの方は副業に手を出すことはおすすめしません。
公務員として生きることは、収入だけみればそれほど難しいものではないからです。
しかし、公務員という職業が安定しているだけで、精神的に安定しているわけではありません。
公務員の生活に不満があったり、自分の力を試してみたい人には、副業はおすすめです。
その副業を活かして転職した公務員も多くいますから。